「jury-rig」に見る、有り合わせで何とかする英語表現|『BONES』S02E09で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「jury-rig」に見る、有り合わせで何とかする英語表現|『BONES』S02E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

BONESのシーズン2エピソード9では、車ごと地中に閉じ込められたブレナンとホッジンスが、限られた道具を組み合わせて脱出の手段を組み立てていきます。今回は、その車内での会話から、有り合わせの材料で何とかするときに使われる英語表現に注目します。

理想的な道具が揃っていない状況でも、手元にあるものだけで工夫して形にする。そんな場面で選ばれる英語の言い回しをたどっていきます。

目次

「hotwire」から「jury-rig」へ、通信手段を組み立てる

車内でブレナンは、外部にメッセージを送るための方法を思いつきます。電話をホーンの配線につなぎ、ラジオの電波を利用しようとする場面です。

BRENNAN: Hotwiring the phone to the horn so we can send a message.
(メッセージを送るために、配線を直結させて電話をホーンにつないでいるの。)

BONES Season2 Episode9 (Aliens in a Spaceship)

hotwireは、通常の起動手順を飛ばして配線を直接つなぎ、機器を動かすことを表す動詞です。車のエンジンを無理やりかける場面でよく使われる語で、正規の手順が使えない状況を切り抜けるイメージを持っています。

ただ、電圧の問題が立ちはだかります。ホッジンスは携帯電話の回路が焼き切れる危険を指摘し、対応策を口にします。

HODGINS: Direct current 12 volt will burn out the circuits in a 4.2 volt cell phone in a microsecond. Better jury-rig a resistor.
(直流12ボルトなら、4.2ボルトの携帯電話の回路なんて一瞬で焼き切れる。有り合わせで抵抗器を作った方がいいな。)

BONES Season2 Episode9 (Aliens in a Spaceship)

jury-rigは、正式な部品や道具がない状況で、手元にあるものを使って応急的に何かを組み立てることを表す動詞です。船が嵐で帆柱を失った際に、間に合わせの柱(jury mast)を立てて航行を続けたことに由来するという説があります。理想的な材料が揃わない中で、機能するものを即興で形にする姿勢がこの語に表れています。

「out of thin air」の掛け言葉と、「win-win」に滲むユーモア

物理的な処置に続いて、今度は呼吸の確保が課題になります。ブレナンが即席の手術で状況を切り抜けたことに触れながら、ホッジンスは化学反応を使った工夫を持ちかけます。

HODGINS: If you can perform surgery out of thin air, then I can pull a little thin air out of thin air.
(君が何もないところから手術をやってのけたんだ、俺だって何もないところから、ちょっとした空気くらい引っ張り出せるさ。)

BONES Season2 Episode9 (Aliens in a Spaceship)

out of thin airは、「何もないところから」という意味の慣用句です。このセリフでは、慣用句としての意味と、文字通りの「薄い空気」という意味が重なり合っていて、限られた材料から酸素を作り出そうとする状況とかけ合わされているのが面白いところです。

そして、埋められた深さによっては爆破が命取りになるとブレナンが説明すると、ホッジンスはこう返します。

HODGINS: Well, then we can run for Congress, so it’s a win-win.
(それなら、俺たちは議会に出馬できるってことだ。つまりwin-winだな。)

BONES Season2 Episode9 (Aliens in a Spaceship)

win-winは、双方にとって都合が良い結果を指すビジネス寄りの表現ですが、ここでは絶望的な状況を笑いに変えるホッジンスらしい軽口として使われています。deadな状況説明にあえてビジネス用語を重ねる言葉選びに、彼のキャラクター性が表れています。

まとめ|限られた材料で工夫する英語表現

hotwire、jury-rig、out of thin air、win-winという4つの表現は、いずれも「理想的な条件が揃わない中で工夫する」場面と結びついています。道具や材料の不足を語彙で補う発想は、英語表現の幅を広げる手がかりになります。

次回は、酸素と時間が刻一刻と減っていく状況を、車内とラボの両方の視点からたどっていきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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