子どもの案を、英語でやんわり退けるには?|『ヤングシェルドン』S01E06で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 子どもの案を、英語でやんわり退けるには?|『ヤングシェルドン』S01E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第6話は、高校の授業に招かれた NASA の科学者ホッジス博士に、シェルドンが打ち上げ費用を抑える案を出すところから動き出します。博士の返事は、案をやわらかく受け流す言い方の連続です。

教室でのやり取りと、のちの面会での会話を並べて、相手の案を退ける英語と、それに対するシェルドンの切り返しをたどります。

目次

「That’s a cute idea, but ~」で受け流す

理科のギヴンズ先生が、大学時代のルームメイトとしてホッジス博士を授業に招きます。博士が打ち上げのたびに大きな費用がかかると話すと、シェルドンが案を出します。

Sheldon: If you want to save money, why don’t you land the booster rockets instead of letting them drop in the ocean?
(費用を節約したいなら、ブースターロケットを海に落とさずに着陸させればいいんじゃないですか?)

Dr. Hodges: That’s a cute idea, but, uh, it’s not technically possible.
(かわいらしいアイデアだね。でも、技術的に無理なんだ。)

Sheldon: Why not?
(どうしてですか?)

Dr. Hodges: Well, it’s hard to explain. The math is pretty complicated.
(うーん、説明が難しくてね。計算がかなり複雑なんだよ。)

Sheldon: Perhaps I could help you with it.
(それなら、僕がお手伝いできるかもしれません。)

Dr. Hodges: I bet you could.
(きっとできるだろうね。)

Young Sheldon Season1 Episode6(A Patch, a Modem, and a Zantac)

That’s a cute idea, but ~ は、まず相手の案を受け止めてから but で退ける形です。cute は「かわいらしい・微笑ましい」で、案の中身より言い出した子どもを微笑ましく見る響きがあり、本気で取り合っていないことが伝わります。続く it’s not technically possible は「技術的に無理だ」と、理由を技術の側に置いて断る言い方です。

シェルドンの Why not? は、断られた理由をそのまま問い返す短い一言です。理由を問われた博士は it’s hard to explain と、説明そのものを省きます。The math is pretty complicated. と難しさを強調するのも、話を広げないための受け答えと読み取れます。

シェルドンの Perhaps I could help you with it. は、perhaps と could を重ねた控えめな申し出です。それに対する I bet you could. は「きっとできるだろうね」と調子を合わせる返事で、申し出を受け入れたわけではありません。このあと博士は NASA のワッペンを渡し、話題を次に移します。

「This is groundbreaking work.」とその先

物語の後半、一家がヒューストンを訪ね、シェルドンは博士との面会にこぎつけます。面会の中で、博士がシェルドンの研究を評価する場面です。

Dr. Hodges: This is groundbreaking work. Thank you.
(これは画期的な研究だ。ありがとう。)

Sheldon: And…?
(それで……?)

Dr. Hodges: And…?
(それで……?)

Sheldon: I thought you might want to apologize.
(謝りたいんじゃないかと思って。)

Young Sheldon Season1 Episode6(A Patch, a Modem, and a Zantac)

groundbreaking は「画期的な・これまでにない」という意味の形容詞です。教室での cute idea から一転し、博士の評価が大きく変わったことがこの一語に表れています。Thank you. を添えると、礼を言って話を締めくくる合図にもなります。

シェルドンの And…? は、相手の言葉にまだ続きがあるはずだと促す聞き方です。博士が同じ And…? で聞き返すのは、何を求められているのか分かっていないことの表れと読み取れます。そこでシェルドンは I thought you might want to ~ と、相手の気持ちを推し量る形で謝罪を求めます。直接「謝ってください」と言うよりも遠回しで、それでいて要求ははっきり伝わる頼み方です。

  • A: I thought you might want to explain what happened.
    (何があったか、説明したいんじゃないかと思って。)
  • B: You’re right. I owe you an explanation.
    (そうだね。君にはきちんと説明しないと。)

「you have to understand」と「ahead of my time」

なぜ謝るのかと問い返され、シェルドンは教室での一件を持ち出します。

Sheldon: You tried to shut me up with a patch.
(ワッペンで僕を黙らせようとしたでしょう。)

Dr. Hodges: Well… I-I give those to everyone. A-And you have to understand, Sheldon, that while your math is-is theoretically correct, we don’t have the technical capability to execute it.
(いや……あれはみんなに配っているんだ。それに、分かってほしいんだが、シェルドン、君の計算は理論上は正しいけれど、それを実行する技術がまだないんだよ。)

Sheldon: So I’m ahead of my time?
(じゃあ、僕は時代の先を行っているってことですか?)

Dr. Hodges: Well… it would appear so.
(まあ……そういうことになるかな。)

Sheldon: All right, call me when you catch up.
(分かりました。追いついたら電話してください。)

Young Sheldon Season1 Episode6(A Patch, a Modem, and a Zantac)

shut ~ up は「〜を黙らせる」で、ワッペンを渡されたことをシェルドンがどう受け取っていたかが分かります。博士は I give those to everyone と、誰にでも渡しているという説明でかわします。you have to understand は「分かってほしいのだが」と、事情の説明に入る前置きです。while A, B で「Aではあるが、B」と、計算の正しさを認めたうえで実現の難しさを伝えています。

シェルドンはこれを I’m ahead of my time と言い換えます。ahead of one’s time は「時代の先を行っている」の意味です。博士の it would appear so は「そういうことになるようだ」と控えめに認める言い方で、最後の catch up(追いつく)は、この ahead と対になっています。冒頭の So は「ということは」と、相手の説明から結論を引き出す合図で、博士の言葉をシェルドンが自分に有利な形でまとめ直しているのが分かります。

  • A: So the plan is good, but it’s too early?
    (つまり、計画はいいけど時期が早すぎるってこと?)
  • B: It would appear so.
    (そういうことになるようだね。)
表現 場面での働き
That’s a cute idea, but ~ 受け止めてから退ける
it’s hard to explain 説明を省いてかわす
I bet you could. 調子を合わせて受け流す
you have to understand 事情の説明に入る
it would appear so 控えめに認める

まとめ|退ける言い方と切り返し

That’s a cute idea, but ~ や it’s hard to explain は、相手の案を正面から否定せずに退ける形です。面会では、you have to understand と事情を説明する側に回った博士に、シェルドンが ahead of my time と catch up で切り返しました。二つの会話から、立場の入れ替わりが見えてきます。

次回も『ヤングシェルドン』の一場面から、英語の受け答えを拾っていきましょう。



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