「I didn’t hear that.」で学ぶ、聞こえないふりと言い返しの英語|『メンタリスト』S03E02で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「I didn't hear that.」で学ぶ、聞こえないふりと言い返しの英語|『メンタリスト』S03E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン3第2話には、ジェーンとリズボンが互いの言葉を受けて返す場面がいくつもあります。ここでは、リズボンが「Actually,」で切り返す場面、ジェーンの「may the best man win」、そしてリズボンの「I didn’t hear that.」を順に取り上げます。

相手の言葉を受け止めてから、自分の言い分を返す英語の形を、台詞に沿って見ていきます。

目次

「People very rarely guess I’m a cop」相手の予想を Actually で返す

ジェーンが「badge」は要らないと言い、その理由を続けると、リズボンがそれに返します。

Jane: You’re not gonna need the badge.
(バッジはいらないよ。)
Jane: They’re gonna tell you’re a cop without it.
(そんなものがなくても、向こうはあなたが警官だと見抜く。)
Lisbon: Actually, people very rarely guess I’m a cop.
(実際には、私が警官だと見当をつけられることはめったにないわ。)
The Mentalist Season3 Episode2 (Cackle-Bladder Blood)

badge は警察官が身分を示すバッジのことで、ジェーンは「なくても警官だと分かる」と言っています。without it の it は badge を指します。

リズボンの返しの頭にある Actually は、相手の予想や思い込みと違う事実を伝えるときの前置きです。直訳の「実際には」のとおり、「そう言われたけれど、事実はこうだ」という向きを一語で示します。続く people very rarely guess ~ は、「人が〜だと見当をつけることはめったにない」という言い方です。guess は「当てずっぽうで言う」というより、ここでは相手がどんな人かを見当づける、という使われ方です。

very rarely は頻度が非常に低いことを表し、never(まったくない)とは違って、わずかな例外を残します。ジェーンの「They’re gonna tell」に対して、リズボンが頻度の言葉で反論している点が、この短いやりとりの形です。断定に対して、数え方の違う言葉で答える返し方だと言えます。

「Well, may the best man win」競う言い方で返す

次は、電話でのやりとりの中の一言です。ジェーンは相手の名前を添えて、こう返します。

Jane: Oh, that’s good to hear. Well, may the best man win, Lisbon.
(ああ、それはいい知らせだ。では、最も優れた者が勝つように、リズボン。)
The Mentalist Season3 Episode2 (Cackle-Bladder Blood)

その少し前に、電話越しに居場所を尋ねるやりとりがあり、通話の中での一言だと分かります。that’s good to hear は、聞いた内容を受けて「それは何よりだ」と返す形で、hear は耳に入ってきた情報を受け取る意味です。

may the best man win は、勝負や競争の前後に、公平に決着がつくことを望んで添える言い方です。may + 主語 + 動詞 の形は、祈りや願いを表す古い言い回しで、ここでは「勝ってほしい」という願いの形が、競争の締めの言葉になっています。best man の man は、勝負の当事者を指す語として使われています。

この台詞のあとに、ジェーンが実際に競争するつもりなのか、軽口なのかは台詞だけでは分かりません。ただ、相手の発言をいったん受け止めて(Oh, that’s good to hear)から、競争に見立てた決まり文句で返す、という二段の形は読み取れます。文末に相手の名前を添えると、その人に直接返している調子が出ます。名前を添える形は、日常会話でも相手に呼びかけるときに見られることがあります。

「I didn’t hear that」言い換えを否定し、聞こえなかったと返す

最後は、ジェーンがリズボンの言葉を言い換えて礼を言う場面です。

Jane: I believe she’s telling you to scram.
(彼女は、あなたに立ち去れと言っているんだと思うよ。)
Lisbon: That’s not what I said.
(そんなことは言っていないわ。)
Jane: Thank you, Lisbon.
(ありがとう、リズボン。)
Lisbon: I didn’t hear that.
(聞こえなかったわ。)
Jane: Thank you, Lisbon.
(ありがとう、リズボン。)
Lisbon: I can’t hear anything.
(何も聞こえないわ。)
The Mentalist Season3 Episode2 (Cackle-Bladder Blood)

I believe ~ は、断定を避けて自分の理解を述べる前置きです。scram は「さっさと立ち去れ」という意味のくだけた言葉で、命令の形で使われることの多い語です。ジェーンは、リズボンの言葉を別の言葉に言い換えています。she と you で、話題の人物と聞き手を分けて呼んでいる点も、この言い方の特徴です。

リズボンの That’s not what I said. は、「私が言ったのはそれではない」と、言い換えを退ける返しです。what I said が「私が言ったこと」にあたる名詞節になっています。

そのあと、ジェーンの礼に対して、リズボンは I didn’t hear that. と返します。that は、直前のジェーンの発言を指しています。didn’t hear は過去の一度の出来事として「聞こえなかった」と言い、最後の I can’t hear anything. は「今、何も聞こえない」と、聞こえない状態を述べています。同じ「聞こえない」でも、過去形と can’t の違いで、一度きりの出来事から状態へと言い方が変わります。

まとめ|返し方の形を並べて見る

Actually で相手の予想を正し、may the best man win で競う言い方に乗り、I didn’t hear that. で言葉を受け取らずに返す三つの場面を見てきました。

どれも、相手の発言を受けたうえで自分の側から返す形です。ジェーンとリズボンのやりとりに注目して観ると、短い台詞に含まれる返し方の違いがより見えてきます。

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