「designated driver」飲まない一人を決める文化|『BONES』S03E01で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「designated driver」飲まない一人を決める文化|『BONES』S03E01で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、BONES シーズン3 第1話「The Widow’s Son in the Windshield」の冒頭、深夜のフリーウェイを走る車の中で、3人のティーンエイジャーが軽口を言い合う場面です。そのやり取りに出てくる designated driver という言葉から、アメリカの日常に根付く、飲まない一人をあらかじめ決めておく習慣を紹介します。

からかい交じりの一言から始まる、身近な安全習慣を見ていきます。

目次

深夜のドライブでからかいの種になった「designated driver」

単語遊びをしながら車を走らせる3人組は、言葉のやり取りの延長で軽口を叩き合っています。運転している一人が語彙力をからかわれると、こう言い返します。

Driver: You have zero vocab skills!
(お前、語彙力ゼロだな!)

BONES Season3 Episode1 (The Widow’s Son in the Windshield)

すると後部座席の女の子が、すかさずこう切り返します。

Backseat Girl: You’re bitter, because you’re the designated driver and we’re not.
(あんたが機嫌悪いのは、自分が designated driver の番だからでしょ。こっちは違うけど。)

BONES Season3 Episode1 (The Widow’s Son in the Windshield)

designated driver(あらかじめ運転役に決めておく一人)という言葉は、こうした友人同士のからかい合いの中でも自然に出てくるほど、アメリカの日常会話に定着しています。飲む・飲まないの話題になった時、誰が運転を引き受けるかという役割分担がすでに前提として共有されている様子がうかがえます。

「designate」という動詞と、アメリカで広まった安全習慣

後部座席のもう一人は、からかいの応酬についていけず、こう聞き返します。

Backseat Guy: Whoa, dude. What does that even mean, “designated”?
(うわ、待って。その「designated」って、そもそもどういう意味?)

BONES Season3 Episode1 (The Widow’s Son in the Windshield)

designate(指定する、正式に役割を割り当てる)は、複数の中から特定の一人・一つを公式に選び出す時に使う動詞です。designated driver は、この動詞の過去分詞形が「あらかじめ運転役に指定された人」という決まった役割名として定着した例といえます。

designated driver という考え方は、1920年代の北欧で生まれ、1980年代後半にアメリカで広く知られるようになったとされています。当時のキャンペーンは「飲酒運転をするな」という禁止の呼びかけではなく、「盛り上げ役としての designated driver」を前向きに打ち出す形で広まったと伝えられており、以来、友人同士で集まる際にあらかじめ運転役を一人決めておくという習慣が、アメリカの暮らしに根づいていったとされています。キャンペーンの詳細や広まり方は時代や地域によって差があるため、断定はせず、こうした前向きな習慣として捉えておきたいところです。

パーティーやバーでは、designated driver だと伝えるとソフトドリンクを無料で出してもらえることもあるとされ、飲まないことが特別視されるどころか、当たり前の役割として扱われている雰囲気があります。友人同士で「今日は誰が designated driver をやる?」と気軽に話題にできる空気があるからこそ、劇中のようなからかい合いも自然に成立しているといえます。劇中の3人も、深夜のドライブでからかい半分にこの言葉を使っていますが、そこには「誰か一人が飲まないと決めて、みんなを安全に送り届ける」という役割分担の発想がさりげなく織り込まれています。

まとめ|からかいの中にも、安全を思う習慣がある

designated driver、designate。深夜のドライブで交わされた軽口には、あらかじめ運転役を決めておくというアメリカの安全習慣がさりげなく織り込まれています。からかいの言葉としてだけでなく、身近な安全習慣として捉え直すと、この一言の見え方も変わってきます。

『BONES』の何気ない場面からも、こうした暮らしの習慣が見えてきます。

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