「歩み寄る」をめぐる英語表現、父娘の駆け引き|『BONES』S03E02で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「歩み寄る」をめぐる英語表現、父娘の駆け引き|『BONES』S03E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、BONES シーズン3 第2話「The Soccer Mom in the Mini-Van」に登場する、実父マックスとブレナンのやり取りです。獄中の父を訪ねる場面と、その後ブースがブレナンに助言する場面から、「歩み寄る」をめぐる英語表現が浮かび上がります。

すれ違ったままの父娘の距離が、言葉のうえでどう縮まっていくのか、その様子を見ていきましょう。

目次

“meet somebody half way”――沈黙のあとにマックスが漏らした本音

服役中のマックスとの面会で、ブレナンは素っ気ない態度を崩しません。「何を期待していたのか」と問うブレナンに、マックスは涙やハグを期待していたと答え、謝罪の言葉を重ねます。それでも態度を変えないブレナンに、マックスはこう本音をこぼします。

Max: I was hoping you’d meet me half way.
(お前にも、少しは歩み寄ってほしかったんだ。)

BONES Season3 Episode2 (The Soccer Mom in the Mini-Van)

meet somebody half way は「相手の半分の地点まで出向く」という文字通りの意味から転じて、「お互いに譲り合って歩み寄る」という意味で使われる表現です。マックスは謝罪の言葉を尽くしたあとで、それに見合う反応がブレナンから返ってこないことに戸惑い、この一言に本音を滲ませています。距離を縮めるのは自分だけの仕事ではない、という思いが伝わってくる場面です。

“return the favor” と “keep score”――恩返しか、貸し借りの計算か

面会を終えたブレナンは、研究所の廊下でブースに父とのやり取りを話します。マックスが自分を利用しようとしているのではと疑うブレナンに対して、ブースはこう水を向けます。

Booth: I mean, you could at least return the favor by doing something nice for him.
(せめて、何かいいことをして恩を返すことくらいはできるだろ。)

Brennan: I’m not sure I want a father who’s always keeping score.
(いつも貸し借りを数えているような父親を、私が望んでいるのかどうか分かりません。)

BONES Season3 Episode2 (The Soccer Mom in the Mini-Van)

return the favor は「恩返しをする」という意味で、相手から受けた親切に対してお返しをすることを指します。一方ブレナンが使う keep score は、スポーツの得点を記録することが原義で、そこから転じて「誰が誰に何をしたか、貸し借りを逐一数えている」というニュアンスで使われます。同じ「お返し」を指していても、ブースの return the favor には温かみがあり、ブレナンの keep score には距離を置くような響きがあり、対照的です。

“cut somebody some slack”――ブースの結び

ブレナンの言葉を受けて、ブースはさらに踏み込んだ助言を口にします。

Booth: You know what, Bones? You’re never gonna forgive yourself if you don’t cut the guy some slack just because you’re afraid to get hurt.
(なあ、ボーンズ。傷つくのが怖いからって大目に見てやらなければ、お前は自分を一生許せなくなるぞ。)

BONES Season3 Episode2 (The Soccer Mom in the Mini-Van)

cut somebody some slack は「(ロープなどの)たるみを与える」が原義で、そこから「相手を大目に見る、少し余裕を持たせてやる」という意味で使われる口語表現です。ブースはブレナンに対して、傷つくことを恐れて相手を許さずにいると、後で自分自身を責めることになると伝えています。歩み寄りをめぐる一連の表現を整理すると、次のようになります。

表現 ニュアンス
meet somebody half way 双方が歩み寄る、譲り合う
keep score 貸し借りを逐一数える(距離を置く響き)
return the favor 受けた親切にお返しをする
cut somebody some slack 相手を大目に見る、余裕を持たせる

まとめ|歩み寄りは、どちらか一方の仕事ではない

meet somebody half way、keep score、return the favor、cut somebody some slack。父娘それぞれの立場から出てくる言葉には、歩み寄りたい気持ちと、素直になれない葛藤の両方が表れています。

次回も『BONES』の会話を通して、英語表現の奥にある感情の動きを追いかけていきましょう。

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