海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『BONES -骨は語る-』シーズン8第13話「The Twist in the Plot」は、死者の弔い方をめぐる出来事が、登場人物たちの過去の関係まで掘り起こしていく回です。この回の英語の対比軸は、捜査を進める中で使われる婉曲的な言い回しと、大切な相手を失った人が思わずこぼす率直な口語表現が、同じ会話に混じり合うところにあります。
捜査の場面では、断定を避けながら事実へ迫る言い方が繰り返し使われます。一方、身近な人を失った人物の言葉は、飾らない短い一言になって表れます。英語を単語の意味だけで切り取らず、誰が誰に向けて、どんな場面でその言葉を選んでいるのかを見ると、この回の会話の層が分かれてきます。
あらすじ(ネタバレなし)
同じ墓地の区画から、がん患者とその介護士の二つの遺体が見つかる。捜査は、死者のための葬送を選ぶ権利と、残された人が抱える責任へ広がる。別れを経験したデイジーが戻り、スイーツとの関係にも変化が生まれる。被害者の身近にいた人物たちへの聴取を通して、ブースとブレナンは表には出ていなかった人間関係を少しずつたぐり寄せていきます。捜査チームは、現場に残された物証をラボで分解し、被害者の生活と周囲の関係を一つずつ確かめます。事件の手がかりが増えるほど、人物の発話には確認、推測、反論、気遣いの違いが現れます。『BONES』S08E13のまとめでは、結末に触れず、物語を動かす会話と英語表現を整理します。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. if you will
厳密な言い方ではないと断りながら、あえて特定の言葉を選ぶときの前置き
Booth: Staged, if you will.
(つまり、演出されていた、と言ってもいいだろう。)
スイーツの文学的な比喩(「オフィーリアのよう」)にブースがうんざりし、遺体が「配置されていた」という事実だけを言い直す場面です。回りくどい説明を、率直な一言に置き換える働きをしています。
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2. we have to
捜査上、避けて通れない次の作業を示す言い方
Booth: So what we have to do is we got to get all the names of everybody who knew where Monica Craig was buried.
(つまり私たちがすべきことは、モニカ・クレイグの埋葬場所を知っていた全員の名前を洗い出すことだ。)
埋葬会社Green Passagesの仕組みが分かった直後、捜査の次の一手を示すブースの発話です。感情を挟まず、やるべき作業をそのまま言葉にする言い方です。
3. pass on
お悔やみなどの気持ちを相手に伝える、という意味の言い方
Sweets: And first, let me pass on my condolences for your recent loss.
(まず、このたびのご不幸にお悔やみを申し上げます。)
亡くなったモニカの夫を訪ねたスイーツが、事情聴取を切り出す前に添える一言です。事務的な質問へ移る前に、まず儀礼として気持ちを伝える言い方になっています。
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4. I don’t know
大きな喪失を前に、これからどうすればいいか分からないと吐露する言い方
Mirza: I don’t know what I’m going to do without…
(これから彼女なしでどうしたらいいか、分からない…)
遺体が歯科記録からレイチェルだと確認されたと告げられた直後、共同経営者のミルザがこぼす発話です。言葉が最後まで続かず途切れており、感情が思考を追い越してしまう瞬間を、文の断ち切れ方がそのまま表しています。
5. get through
つらい状況を何とか乗り切る、という意味の言い方
Mirza: I don’t know how I’m going to get through this without Rae.
(レイなしでこれをどう乗り越えたらいいか分からない。)
ビジネスパートナーであり友人でもあったレイチェルを失ったミルザが、事情聴取の最中にこぼす一言です。捜査上の受け答えから一瞬外れ、個人的な喪失感がにじみ出る発話です。
6. what happened
起きた出来事の内容そのものを指す言い回し
Sweets: It doesn’t mean anything anymore, and it has nothing to do with what happened to her.
(今はもう何の意味もないし、彼女に何が起きたかとも関係ない。)
かつての恋人レイチェルとの関係をブレナンに問われたスイーツが、過去の感情と今回の事件を切り離そうとする発話です。感情を認めつつも、捜査への影響を否定する言い方になっています。
7. I have to
感情を脇に置いて、目の前の仕事に戻らざるを得ないと示す言い方
Mirza: I have to get back to work.
(仕事に戻らないと。)
レイチェルとの過去の関係を聴取されたミルザが、話を切り上げるために使う一言です。感情に踏み込まれることを避け、業務上の理由で会話を終わらせる言い方です。
8. find out
隠していたことが明らかになる、という意味の言い方
Booth: You forget to mention something, we find out about it, we dig a little bit more, and then, hey, boom, there’s something else.
(何か言い忘れたことがあると、私たちがそれを見つけ出す。もう少し掘り下げると、また新たな事実が出てくる。)
ミルザの証言に矛盾が重なることを指摘するブースの発話です。相手が隠していることを一つずつ暴いていく捜査の姿勢が、繰り返しの構文にそのまま表れています。
9. I want to
自分の希望をはっきりと述べる言い方
Hodgins: I want to be shot into the sun.
(太陽に打ち上げてほしいんだ。)
自分が死んだらどうしてほしいかを語るホッジンスの発話です。突飛な内容ですが、遠回しにせずまっすぐ願望を述べる言い方が、この人物らしさを表しています。
10. figure out
相手の本心や事実関係を見極めようとする言い方
Booth: And I’m trying to figure out if you really believe that.
(それを本当に信じているのか、見極めようとしているんだ。)
妻をがんで亡くしたと語る人物に対し、その言葉が本当かどうかを探ろうとする発話です。相手の発言を鵜呑みにせず、事実を見極めようとする姿勢を示す言い方です。
このエピソードの英語学習ポイント
この回は、埋葬会社をめぐる事件そのものよりも、事件が掘り起こす人間関係に耳を傾けると表現の働きが見えてきます。捜査を進める言い方と、身近な人を失った人物がこぼす言い方が、同じ場面の中で入れ替わります。
if you will は、スイーツの回りくどい文学的比喩をブースが率直な言葉に言い換える場面で使われます。断定を避けつつも、あえてその言葉を選ぶという姿勢を示す前置きです。同様に we have to や find out も、捜査を前へ進めるための機能語として働いており、感情を交えずに次の行動や事実へたどり着こうとする言い方です。
一方、pass on は儀礼的な気遣いを、I don’t know や get through は個人的な喪失を、それぞれ言葉にする役割を担っています。ミルザは訃報を告げられた直後に I don’t know what I’m going to do without… と言葉を切り、同じ聴取の終わりには I don’t know how I’m going to get through this without Rae. と言い直します。同じ「分からない」という出だしでありながら、前者は言葉そのものが止まり、後者は乗り越え方という具体的な問いへ進んでいます。
what happened や I have to は、過去の私情と目の前の職務を切り離そうとする場面で使われます。スイーツは「それはもう関係ない」と述べ、ミルザは「戻らないと」と切り上げます。どちらも感情に踏み込まれることを避け、話題を本題へ戻すための言い方です。figure out のように、相手の言葉が本当かどうかを見極めようとする表現も、事件の核心に近づく場面で使われます。
視聴のときは、捜査を進める機能的な言い方と、身近な人を失った人物の率直な言い方を分けて聞くと、この回の会話の温度差がつかみやすくなります。字幕を一度外し、それぞれの発話の直後に相手がどう反応するかを追うと、単語の意味だけでは見えない関係性が浮かび上がります。
キャラクター別|英語の特徴
ランス・スイーツ|専門家の言葉と個人の感情の境界が崩れる
この回のスイーツは、心理学者としての専門的な話し方と、かつての恋人を失った当事者としての話し方の両方を行き来します。遺族への聴取では And first, let me pass on my condolences for your recent loss. と儀礼的な言葉を選び、現場では遺体の配置を No, it’s… it’s like Ophelia in the brook. と文学的な比喩に置き換えます。ところが被害者との過去をブレナンに問われる場面では、I didn’t tell you about me and Rachel because it’s… it’s practically ancient history. と、言い淀みを挟んだ説明になります。
ブレナンに過去の関係を指摘されると、It doesn’t mean anything anymore, and it has nothing to do with what happened to her. と、感情と捜査を切り離そうとします。しかし、直前の説明自体が言い淀みを含んでいることを踏まえると、この否定は本人の希望であって、実際には切り離せていないことがうかがえます。専門用語で組み立てた発話と、感情に押されて崩れる発話が同じ人物の中で同居している点が、この回のスイーツの英語の特徴です。
ブース|遠回しな説明を、率直な一言で本題に戻す
ブースは、スイーツの心理学的な比喩やブレナンの専門用語をその都度翻訳し直す役割を担います。「オフィーリアのよう」という比喩に対して Staged, if you will. と言い換え、埋葬会社の仕組みが分かった直後には So what we have to do is we got to get all the names… と、次の作業を端的に告げます。
ミルザの証言の矛盾を追及する場面では、You forget to mention something, we find out about it, we dig a little bit more, and then, hey, boom, there’s something else. と、同じ構文を繰り返して圧をかけます。回りくどい言葉を削ぎ落とし、捜査に必要な行動だけを言葉にする姿勢が、ブースの発話全体を貫いています。
ホッジンス|死後の希望さえも率直に言葉にする
ホッジンスは、事件の重さから距離を置いた場面で、自分の死後の願いを I want to be shot into the sun. と語ります。突飛な内容にもかかわらず遠回しにせず、率直に言葉にする点は、事件を扱う他の場面での彼の態度とも一貫しています。
この発話は、被害者モニカの「自然に還る」埋葬方法という事件の背景とも呼応しています。専門知識を持つ人物が、死という重いテーマを深刻に語るのではなく、自分らしい発想でまっすぐ言葉にする姿勢は、この回の他の登場人物が感情を抑えたり言葉を濁したりするのとは対照的です。
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