海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
高い棚に手が届かなくて、誰かにちょっとだけ体を支えてもらって一段高いところへ手を伸ばせた、そんな経験は誰にでもあるはずです。
そんな「一歩だけ後押ししてもらう」感覚を表すget a leg upを、『BONES』シーズン12第6話の中盤、カムからの電話報告でDNA照合の結果が明らかになる場面から、一緒に見ていきましょう。
「get a leg up」の意味とニュアンス
get a leg up
意味:一歩リードする、有利な立場を得る
何かを乗り越えたり、高いところへよじ登ったりする際に、誰かが脚を支えて一段高い位置に押し上げてあげる、という物理的な動作から生まれた表現です。そこから転じて、競争や状況において「他より一歩優位に立つための助け・きっかけ」を意味するようになりました。就職活動や受験で有利になる経験・資格について話すときや、競争関係の中で誰かが優位に立てるよう手を貸すときによく使われます。全面的な援助ではなく、あくまで「ちょっとした後押し」という控えめなニュアンスを持つ点が、この表現の特徴です。
【ここがポイント!】
- 核は誰かに脚を支えられて一段高く上がるイメージ
- 全面的な援助ではなく「ちょっとした後押し」を指す控えめな表現
- 就職や競争など優位に立ちたい場面で使うのがコツ
『BONES』S12E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
証拠品として押収されたフリップライン(木を登る際に使うケーブル)から上皮細胞が検出され、電話でカムから報告が入る場面です。DNA照合の結果、ライバル選手ヘルガの夫ラグナー・シスクの存在が浮かび上がり、捜査官の一言がフレーズへの見せ場を作ります。
Cam: I found epithelial cells on the flip line. So, I ran the DNA and got a hit from the Maryland Volunteer Firemen Database.
(フリップラインから上皮細胞を見つけました。それでDNAを調べたら、メリーランド州の消防団員データベースでヒットしたんです。)Booth: Who is it?
(誰なんだ?)Cam: Ragnar Thisk.
(ラグナー・シスクです。)Booth: Well…
(それで…)Cam: Helga’s husband.
(ヘルガの夫です。)Booth: Looks like the husband wanted to get a leg up for the wife.
(旦那が妻のために一歩リードしようとしたってわけか。)BONES Season12 Episode6 (The Flaw in the Saw)
シーン解説と心理考察
証拠品から検出されたDNAが、被害者フィリスのライバルであるヘルガの夫、ラグナー・シスクの存在を浮かび上がらせる場面です。それまで容疑の中心にいなかった人物の名前が、地道な鑑識作業によって急浮上する瞬間が描かれています。
「get a leg up」という表現がここで選ばれているのは、事件の構図そのものと重なるからです。競技のライバルであるフィリスの足を引っ張ることで、妻ヘルガを勝たせようとした、という推理が、まさに「相手より一歩リードするために手を貸す」という表現の意味と一致しています。捜査官の何気ない一言が、事件の動機を端的に言い当てる形になっている場面です。電話越しの淡々としたやり取りに、事件の核心がふっと顔を出す瞬間と言えます。
『BONES』流・覚え方のコツ
高い塀や壁を前にして、一人がしゃがんで両手を組み、もう一人がその手に片足をかけて乗り越えていく場面をイメージしてみましょう。leg(脚)を up(上へ)持ち上げてもらう、その一押しの分だけ相手より高い位置に立てる、という物理的なイメージがそのまま「一歩リードする」という意味につながっています。誰か一人の後押しが、競争の中でのわずかな差を生み出す場面と結びつけると記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「get a leg up」
有利なスタートを表すこの表現は、キャリアの話題からちょっとした頼みごとまで幅広く使えます。3つの例文で、その使い方の幅を見ていきましょう。
Taking that internship really gave her a leg up when she applied for jobs.
(あのインターンシップの経験が、就職活動で彼女に大きなアドバンテージを与えました。)
就職活動でのアピールポイントを話す場面で使える、最も典型的な使い方です。
Her family connections gave her a leg up in the industry.
(家族のコネクションが、その業界で彼女を有利にしました。)
人脈や背景が有利に働く場面を説明するビジネス寄りの言い方です。
A: Can you give me a leg up? I can’t reach the top shelf.
B: Sure, hold on tight.
(A:ちょっと支えてくれる?一番上の棚に手が届かないの。)
(B:いいよ、しっかりつかまって。)
物理的に誰かの体を支えて高い場所へ押し上げてもらう、元々の意味そのままの使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
have the upper hand
(優位に立っている)
すでに優位な状態そのものを指し、get a leg up が持つ「後押しを得て有利になる」という変化のニュアンスは弱くなります。
give someone a boost
(誰かを後押しする、引き上げる)
意味は近いものの、boost はより一般的な「勢いをつける」感覚が強く、leg up ほど具体的な物理動作のイメージは持ちません。
head start
(先んじたスタート、有利なスタート)
競争の開始時点での優位性に焦点があり、get a leg up が持つ「誰かの助けを借りて」というニュアンスは含みません。
Note|leg up・boost・head startの違い
似た場面で使われがちな leg up・boost・head start ですが、それぞれが焦点を当てている場所は微妙に異なります。
get a leg up は、誰かが物理的に脚を支えるイメージそのままに、「特定の誰か・何かからの具体的な後押し」に焦点があります。インターンシップの経験、家族の人脈、知人の紹介など、後押しの出どころがはっきりしている場面で使われることが多い表現です。一方 give someone a boost の boost は、電気や勢いを「押し上げる」イメージから来ており、士気やモチベーションのように、必ずしも具体的な人物からとは限らない、より広い意味での勢いづけを指します。head start は競争そのものの構造に注目し、「他の参加者より前の地点からスタートできる」という開始時点の有利さだけを表す言葉で、そこに至る経緯や後押しの主体は問いません。
木こり競技の妨害工作という今回の事件で、証拠から「誰が」「誰のために」後押ししたのかが焦点になった点は、get a leg up が持つ「具体的な後押しの出どころ」というニュアンスとよく重なります。3つの表現を並べてみると、同じ「有利」でも見ている場所がまったく違うことが分かります。
後押しの主体まで含めて語れる、それが get a leg up の実用的な強みです。
まとめ|一歩リードする感覚を一言で
get a leg up は、誰かに脚を支えられて一段高く上がる物理的な動作から生まれた、有利なスタートを表す表現です。boost や head start と並べてみると、この表現ならではの「具体的な後押し」という焦点がくっきりと見えてきます。
就職活動での強みを語るときにも、ちょっとした頼みごとをするときにも使える、汎用性の高い一言です。誰かの後押しがきっかけで一歩リードできた場面を思い浮かべながら使ってみると、自然に定着していく表現です。


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