海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
大多数が選ぶ道ではなく、あえて人が通らない道を選ぶ。そんな型破りな選択について語ろうとして、ありきたりな言葉では物足りないと感じたことはありませんか。少し詩的な響きを添えたくなる瞬間です。
そんなときに使われる「the road less traveled」を、『BONES』シーズン12第4話の終盤、行方をくらました相手の考え方を、ブースが読み解くシーンから、一緒に見ていきましょう。
「the road less traveled」の意味とニュアンス
the road less traveled
意味:人があまり通らない道、型破りな選択
アメリカの詩人Robert Frostの詩の一節を通じて広く知られるようになった文化的引用です。多数派とは異なる道を選ぶこと、独自の選択をすることの比喩として、日常会話からビジネスの場面まで幅広く使われています。
文字通りの「道」を指す場合と、人生やキャリアの比喩として使われる場合の両方があります。捜査ドラマのように、実際の移動経路の話として使われることもあれば、進路や生き方の選択を語る場面で使われることもあります。詩との結びつきを持つだけに、日常会話ではやや気取った響きを持つこともある表現です。改まった演説やスピーチの締めくくりに引用される場面も多く、格言のような重みを帯びて使われることもあります。
【ここがポイント!】
- 森の中で二手に分かれた道、というイメージが核にある表現
- 文字通りの「道」にも、人生の比喩としても使える幅の広さ
- 詩的な由来ゆえに、使う場面によってはやや改まった響きになる
『BONES』S12E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
追っていた相手が行方をくらまし、居場所につながる手がかりが見えなくなった場面です。それでもブースは、相手の考え方は分かると主張します。オーブリーが、それで何が分かるのかと問い返すと、ブースは相手が選ぶ道を手がかりに追跡を続ける方針を示します。
Booth: Ah, not true. We know how he thinks.
(いや、そうじゃない。奴の考え方は分かる。)Aubrey: What does that get us?
(それで何が分かるんです?)Booth: We know that he takes the road less traveled, Aubrey. We find that road, we find him. And we don’t stop, got it?
(奴が人のあまり行かない道を選ぶことは分かってる、オーブリー。その道を見つければ、奴も見つかる。見つけるまで止まらない。いいな?)Aubrey: So let’s keep looking. Let’s find him.
(なら、探し続けましょう。必ず見つけます。)BONES Season12 Episode4 (復讐の始まり)
シーン解説と心理考察
ブースは、居場所が分からなくても相手の考え方は分かると切り返します。その選択傾向をthe road less traveledという詩的な言い回しで表し、人があまり選ばない道こそ追跡の手がかりになると考えているのです。
オーブリーのWhat does that get us?(それで何が分かるんです?)という問いに対し、ブースはwe find that road, we find him(その道を見つければ、奴も見つかる)と答えます。抽象的な読みを具体的な追跡方針へつなげる、捜査官らしい応答です。
さらにブースが見つけるまで止まらないと念を押すと、オーブリーも探し続けようと応じます。4発話のやり取りを通じて、ブースの確信が二人の行動方針に変わっていく場面です。
『BONES』流・覚え方のコツ
森の中で道が二手に分かれている情景を思い浮かべてください。一般的な用法では、the road less traveledは、そのうち「あまり人が選ばない方の道」を指します。ただし、もとになった詩では二つの道の踏まれ方は実際にはほぼ同じだったと描かれており、このイメージは現代の慣用的な使い方として覚えるのが適切です。
劇中でブースが語ったのは、相手が人とは違う選択をするという行動傾向でした。二股に分かれた道のどちらを選ぶか、という映像を思い浮かべておけば、この表現が持つ「型破りな選択」という比喩も記憶に残ります。
例文で覚える「the road less traveled」
型破りな選択や独自の道を語る場面で使われる表現です。キャリアと捜査、2つの場面と会話例で見てみましょう。
She chose the road less traveled and started her own business instead of climbing the corporate ladder.
(彼女は人があまり選ばない道を選び、出世コースに乗る代わりに自分の会社を始めた。)
独立・起業のストーリーを語る場面です。キャリアの文脈で頻出する使い方になります。
The suspect always takes the road less traveled to avoid being seen.
(容疑者はいつも、人目につかないよう人通りの少ない道を選ぶ。)
文字通りの「道」を指す、捜査分析の文脈です。
A: Why did you choose that unconventional major? B: I guess I’ve always liked the road less traveled.
(A:どうしてそんな型破りな専攻を選んだの? B:昔から人と違う道が好きなんだと思う。)
進路選択について話す軽い会話です。
あわせて覚えたい関連表現
march to the beat of a different drummer(既出:BONES_US_S02E03)
(自分のリズムで進む、独自の道を行く)
選択の場面に焦点を当てるthe road less traveledに対し、こちらは生き方や在り方全般を指す表現です。
think outside the box(既出:BONES_US_S01E13)
(既成概念にとらわれずに考える)
発想や思考法に焦点があり、行動の選択そのものを指すthe road less traveledとは対象が異なります。
blaze one’s own trail
(自分の道を切り開く)
既にある道を選ぶthe road less traveledに対し、こちらは道そのものを新しく作る、より能動的なニュアンスを持ちます。
Note|一篇の詩が、日常語になるまで
the road less traveledは、Robert Frostの詩The Road Not Takenの一節を通じて広く知られる表現です。原詩の一節は、正確にはthe one less traveled byで、現在よく使われる形とは少し異なります。
この詩が雑誌に初めて掲載されたのは、1915年8月号のThe Atlantic Monthlyです。その翌年の1916年、Henry Holt刊の詩集Mountain Intervalに収録されました。したがって、1915年は雑誌での初出、1916年は詩集への収録と区別する必要があります。
この詩は「人と違う道を選んだことが人生を決めた」という前向きな物語として読まれがちです。しかし、語り手は途中で、二つの道は実際にはほぼ同じように踏まれていたと述べています。後になって自分の選択へ意味を与える心の働きや、そこににじむ皮肉まで含めて読める、多義的な詩なのです。
一方、現代のthe road less traveledは原詩の複雑さから離れ、「人があまり選ばない道」「型破りな選択」という比喩として広く使われます。この言い回しをFrostが創作したと断定するより、彼の詩の一節によって広く知られるようになった表現と捉えるのが正確です。
劇中のブースも、人生訓として引用しているのではありません。行方をくらました相手が人とは違う選択をするという読みを追跡の手がかりに変え、オーブリーと探し続ける意思を確かめ合っています。文学的な響きと捜査の実務が交わる使い方です。
まとめ|選ぶ道から相手を読む
the road less traveledは、人があまり通らない道や、多数派とは異なる選択を表す表現です。Robert Frostの詩の一節で広く知られ、文字通りの道にも人生の比喩にも使え、時に詩的で改まった響きを添えます。
この表現を知っていると、型破りな選択を語る場面で、少し詩的な彩りを加えられるようになります。キャリアの転換、独自の生き方、あるいは劇中のような捜査の分析まで、幅広い場面で応用できる表現です。原詩の解釈をめぐる議論を知っておくと、この一言を使うときの奥行きもまた変わってきます。
相手の考え方を追跡の手がかりに変えたブースの一言を思い出しながら、人と違う道を選んだ経験を語るときの言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。


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