海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
内緒で進めていたはずの計画に、相手のほうがとっくに気づいていたと分かって、思わず苦笑いした経験はありませんか。
そんな場面で使える「be on to someone」を、『フレンズ』シーズン6第10話の中盤、モニカのクリスマスプレゼントを探していたフィービーが、探索を見抜かれたかもしれないと口にするシーンから、一緒に見ていきましょう。
「be on to someone」の意味とニュアンス
be on to someone
意味:(人)の企みや魂胆に気づいている
be on to someone は、相手が隠していることや仕掛けていることを、こちらがすでに見抜いている状態を表す表現です。相手の動きを先回りして読んでいるような響きがあり、「お見通しだ」「勘づかれている」という日本語がよく合います。
be 動詞を使うので、気づいた瞬間ではなく、気づいている状態を示します。主語が I なら「自分は相手の魂胆をつかんでいる」、she や he なら「相手のほうがこちらの動きに気づいている」という向きになり、誰が誰に気づいているかを、主語と後ろの人物で読み分けます。悪ふざけや内緒の準備が見つかりかけた場面のように、軽い調子の話題にも、職場の緊張した話題にも当てはまる形です。
今回のシーンでは、主語が she、後ろに us が続く形で登場します。見出しは be on to someone ですが、作中では may が加わって「気づいているかもしれない」という推測の形になっており、代名詞の us が someone の位置に入っています。
【ここがポイント!】
- 「be on to someone」の核は、相手が隠していることをこちらが見抜いているという状態
- 後ろに「人」が来て、その人の企みや魂胆に気づいている、という向きの表現
- may を添えれば「気づいているかもしれない」と推測の形にもできる
『フレンズ』S06E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィービーとレイチェルは、モニカからのクリスマスプレゼントを毎年探しては見つけられずにいます。今年もチャンドラーがいる前で探し回るなか、見つかった袋の中身を見たフィービーが、探索を見抜かれたかもしれないと口にします。
Phoebe: Uh-oh. She may be on to us.
(あらら。あの子、私たちのことに気づいてるかも。)Rachel: We are so going to find them this year.
(今年こそ絶対に見つけるんだから。)Chandler: You said you were going across the hall and look. You don’t do that every year, do you?
(向かいの部屋に行って探すって言ってたよな。それ、毎年やってるわけじゃないよな?)Rachel: Yeah.
(ええ。)Friends Season6 Episode10(The One with the Routine)
シーン解説と心理考察
袋の中身を確かめたあとに口をついて出る「Uh-oh.」には、思いがけない展開に気づいた瞬間の声色がにじみます。続く「She may be on to us.」は、隠す側のモニカを she と受け、自分とレイチェルを us にまとめた言い方で、探す側の2人が同じ側に立っていることが表れています。
フィービーの言葉に対して、レイチェルは落ち込むどころか「We are so going to find them this year.」と気持ちを切り替えます。so を添えた言い切りに、毎年見つけられずにいる悔しさと、今年こそという意気込みが重なっています。見抜かれたかもしれないという事実が、そのまま次の意欲へ変わる流れで、フィービーとレイチェルの温度の違いも見えてきます。
その様子を聞いていたチャンドラーは、向かいの部屋へ探しに行く話を持ち出し、毎年そうしているのかと確かめます。レイチェルが短く「Yeah.」と返す場面は、質問に対する返答としてのやり取りで、探す範囲が向かいの部屋にまで及んでいることを示す一言になっています。
この場面全体を貫くのは、隠す側と探す側の知恵比べです。be on to us という一言で、探す側が自分たちの動きに気づかれたかもしれないと察する一方、探す手を止めない空気が続いていきます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
相手が何かを隠しているその真上に、こちらがぴったり乗って動きを押さえている様子を思い浮かべてみましょう。on は「接している」という感覚を持つ語で、to は向かう先を表すため、隠されたものに向かって身を乗せていく絵が浮かびます。隠していても、上に乗られていれば動きは筒抜けです。
フィービーの「She may be on to us.」は、袋の中身を見て、隠す側のモニカがこちらの動きに乗ってきたと感じた一言でした。探すつもりが、いつのまにか先回りされていたという逆転が、この絵の中に収まっています。
自分が見抜く側なら、相手の動きに乗っている自分を想像し、見抜かれる側なら、上から乗られている感覚で覚えておくと、向きを間違えずに使えます。主語が誰かを最初に確認し、その人が上に乗っている側だと考えると、be on to us と be on to me のような形も迷わず読み取れます。
例文で覚える「be on to someone」
見抜く側も、見抜かれる側も、この表現は同じ形で使えます。3つの例文で確認していきましょう。
I think my sister is on to us. She keeps asking about the party.
(姉は私たちの計画に気づいていると思う。パーティーのことを何度も聞いてくるから。)
サプライズの準備中に、勘づかれた気配を感じる場面です。asking about the party のような具体的な根拠を添えると、なぜそう思うのかが伝わります。
A: Do you think he knows about the surprise?
B: Maybe. He’s on to me.
(A:彼、サプライズのこと知ってると思う?)
(B:たぶんね。私のこと怪しんでるよ。)
友人同士の内緒話です。he’s on to me という形で、見抜く側が主語になる言い方を確認できます。
The manager is on to him. He can’t keep making excuses.
(部長は彼の魂胆に気づいている。もう言い訳は続けられない。)
職場で言い訳が通用しなくなった場面です。on to の後ろに人が来て、その人の企みに気づいていることを示しています。
あわせて覚えたい関連表現
see through someone
(人の本心や嘘を見抜く)
see through は相手の見せかけの内側まで見えていることに重点があります。be on to は、相手の企みや行動に気づいているという状態を表す点が異なります。
figure someone out
(人のことがわかる)
figure out は相手の考えや性格を理解する働き全般を指します。be on to は、隠し事や企みを察知した点に絞られます。
catch on
(気づく、飲み込む)
catch on は状況に気づく動作そのものを表します。be on to は、気づいた後の状態を表すという違いがあります。
Note|be on to は、後ろに人が来るか物事が来るかで向きが変わる
be on to someone は、「〜に気づいている」という状態を表します。この意味では on to と onto の両方の綴りが使われ、アメリカ英語では I’m onto you. のように onto と1語で書かれることも多い表現です。
注目したいのは後ろに続くものです。後ろに続くものによって意味が変わり、be on to + 人なら「その人の企みに気づいている」、be on to something なら「何かをつかみかけている、いい線をいっている」という向きになります。同じ be on to でも、人が続くか物事が続くかで、見抜く対象が変わります。
日本語にすると、どちらも「気づく」の仲間に見えます。しかし英語では、人が続けば相手の企み、something が続けば手応えのある発見という違いがあり、続く語を確認すると、意味の向きを間違えずに聞き取れます。
フィービーの「be on to us」は、us という人が続く形で、モニカがこちらの動きに気づいているかもしれない、という意味でした。
続く語を見れば、向きがつかめます。
まとめ|見抜かれたかもしれない、を一言で
be on to someone は、相手が隠していることや仕掛けを、こちらが見抜いている状態を表す表現です。気づいた瞬間ではなく、気づいている状態を示し、may を添えれば推測の形にもなります。
内緒の計画が進んでいるとき、あるいは相手の様子に怪しさを感じたときに、その気づきを短く伝える一言として使えます。see through や catch on との違いも押さえておくと、伝えたい内容に合わせて選べます。
フィービーは見抜かれたかもしれないと口にしても、探す手を止めませんでした。隠す側と探す側の知恵比べが続いていく場面でした。


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