海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
英語のドラマには、事件そのものとは関係のない、息抜きのような場面もよく登場します。『メンタリスト』シーズン2第20話にも、大手メディア企業をめぐる事件の捜査が進む合間に、邸内の警備担当者同士がトランプに興じる場面があります。今回は、そこで交わされる「運」をめぐる軽口の英語表現を取り上げます。
事件の緊張感からふっと離れた、ゲームの合間の何気ない会話から見ていきます。
「wish me luck」-ゲームに加わる前のひとこと
邸内の警備にあたる捜査官たちが、待機の合間にトランプ(ジンラミー)で時間をつぶす場面です。一人が勝ち抜けて次の対戦相手を募ると、別の一人が声を上げて対戦に加わります。
Gin. There you go. Who’s next? Any takers?
(上がり。よし。次は誰だ? 挑戦者は?)Wish me luck.
(幸運を祈っていてくれ。)The Mentalist Season2 Episode20 (Red All Over)
Wish me luck. は「幸運を祈っていて」という意味の決まり文句で、これから何かに挑む直前によく使われる一言です。文法的にはwish(祈る)の対象にme(私に)とluck(幸運を)という二つの目的語を並べる形で、命令文でありながら気軽な調子で使われます。試験や面接、勝負事の前など、日常のさまざまな場面で使い回せる便利な表現です。カードゲームに加わる前のこの一言からは、軽い気持ちで対戦に飛び込む雰囲気が伝わってきます。
「no such thing as luck」と「hogwash」-持論を一蹴する切り返し
ところが、対戦に勝ち続けるこの人物は、実は「運」というものを信じていません。相手に「ツイてるな」とからかわれると、持論を展開し始めます。
No such thing as luck.
(運なんてものは存在しない。)It’s all about knowing the odds, seizing the chances. No luck involved.
(確率を読んで、好機をつかむ。それだけの話で、運は一切関係ない。)Hogwash.
(たわごとだ。)Hogwash?
(たわごとだって?)You heard me. Hogwash.
(聞こえただろう。たわごとだ。)The Mentalist Season2 Episode20 (Red All Over)
no such thing as ~ は「~など存在しない」ときっぱり否定する言い方で、あとに続く名詞の存在自体を疑ってかかるときに使われます。odds(確率)やchances(好機)という単語を使いながら理詰めで語る様子から、この人物の合理主義な性格がにじみ出ています。対するhogwashは「たわごと」「くだらない話」という意味の口語表現で、相手の言い分を一言でばっさり切り捨てる際に使われます。似たような場面で使える表現には、強さの違いがあります。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| Hogwash. | ばっさり切り捨てる、やや古風で強めの一言 |
| Nonsense. | 「ばかげている」という標準的な否定 |
| I don’t buy that. | 「その話は信じない」という穏やかな懐疑 |
聞き返されてもYou heard me.(聞こえただろう)と繰り返し断言するあたりに、この人物の懐疑的な性格が表れています。理詰めの持論と、それをたわごとの一言で切り返す応酬の落差が、このやり取りの見どころです。
まとめ|運を祈る言葉と、運を疑ってかかる言葉
Wish me luckは挑戦の前に交わす軽い決まり文句で、no such thing as luckとhogwashは、運という考え方そのものを疑ってかかる言い回しです。同じ「運」という話題でも、信じる側と疑う側とで言葉の選び方が違ってくる様子が読み取れます。
『メンタリスト』の世界を通して、こうしたくだけたやり取りにもこれからも触れていきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて扱っています。


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