海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第15話では、キャメロンがピエロのフィズボに扮するときの衣装が、何者かに使われていると分かります。リーグの決勝を控えたボウリング場で、キャメロンは怪しいと思った相手を次々に問い詰めます。
見間違いを疑われたときの返し方、居場所の聞き方、推理の語り方、そして理由の聞き方。相手を問い詰める場面で使える英語を、騒ぎの流れに沿ってたどります。
「you’re seeing things」と見間違いを疑われたら
フィズボの衣装は、ミッチェルが寄付に出していたものでした。その衣装が何者かに使われていると知ったキャメロンは、ボウリング場で衣装の人物を見かけたと声を上げます。
Cameron: Mitchell! Fizbo!
(ミッチェル! フィズボだ!)Mitchell: What?
(何?)Cameron: Over there!
(あそこだよ!)Mitchell: Cam Cam, do you think it’s possible with how upset you are about Fizbo that that maybe you’re seeing things?
(キャム、キャム、フィズボのことでそんなに動揺してるから、その、もしかして幻でも見てるんじゃないかな?)Cameron: Oh.
(ああ。)Cameron: No.
(違うね。)Cameron: Maybe it’s another guy with purple hair and a size 23 shoe.
(紫の髪で靴のサイズが23の男が、ほかにもいるってことかもね。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
see things は進行形で You’re seeing things. とすると、「ないものが見えている」「見間違いだよ」という意味になります。ミッチェルは do you think it’s possible ~ と前置きし、maybe を重ねて、相手の言い分を正面から否定しない聞き方にしています。upset about ~ は「〜のことで動揺している」で、見間違いの理由として相手の気持ちを添えた形です。
それに対するキャメロンの Maybe it’s another guy with ~ は、言葉の上では相手の説に乗りながら、紫の髪と大きな靴という特徴を並べて「そんな人がほかにいるわけがない」と返す皮肉です。maybe を使った同じ形で言い返すことで、見間違いではないという確信を示しています。相手に疑われたとき、特徴を具体的に挙げて否定するのは、英語でもよく見られる返し方と言えます。
「Where were you 20 minutes ago」と居場所を聞く
キャメロンが居場所を問いただした相手の一人が、セニョール・カプランです。
Cameron: Where were you 20 minutes ago, and can anybody account for your whereabouts?
(20分前、どこにいた? 君の居場所を説明できる人はいるかい?)Senor Kaplan: Not that it’s any of your business, but I happened to be in the photo booth taking some solos.
(君には関係ないことだけど、たまたま写真ブースで一人の写真を撮ってたよ。)Senor Kaplan: I’m gonna use number three for my new passport.
(新しいパスポートには3番を使うつもりだ。)Cameron: I would use number two.
(僕なら2番にするね。)Cameron: There’s a twinkle in your eye.
(目がきらっとしてる。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
Where were you ~ ago? は、時刻を区切って居場所を聞く直球の質問です。続く account for ~ は「〜を説明する」、whereabouts は「居場所」で、can anybody account for your whereabouts? は「その時間にどこにいたか、説明してくれる人はいるか」という問いになります。かしこまった響きの言い回しを使うことで、キャメロンの本気ぶりが伝わってきます。
カプランの Not that it’s any of your business, but ~ は、「あなたには関係ないけど」と不満をにじませつつ答える前置きです。写真の選び方に口を出すキャメロンの返しまで含めて、疑う側と疑われる側の温度差が見どころです。
別チームのマーティンとカプランが親しい間柄だと分かると、キャメロンは新しい推理を口にします。
Cameron: Oh, my gosh.
(ああ、なんてこった。)Cameron: I just put it all together.
(今、全部つながった。)Cameron: You’re both Fizbo.
(君たち二人ともフィズボなんだ。)Cameron: When I’m with one of you, the other’s wearing the costume, creating the perfect alibi.
(僕が片方と一緒にいるあいだ、もう片方が衣装を着てる。それで完璧なアリバイができるってわけさ。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
put it all together は「全部をつなぎ合わせる」で、ばらばらの情報から結論にたどり着いたときに使います。alibi は「その場にいなかったという証明」を指す語です。この推理は、すぐにマーティン本人から否定されます。
「Why would you do this?」と理由を聞く
衣装の人物を見失ったあと、マスクのにおいを手がかりにしようとするミッチェルに、キャメロンはこう返します。
Cameron: Oh, Mitchell, that’s good investigative work.
(ああ、ミッチェル、見事な調べっぷりだね。)Cameron: Yes.
(そうだよ。)Cameron: You’ve narrowed it down to everyone in the bowling alley.
(ボウリング場にいる全員まで絞り込めたんだから。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
narrow it down to ~ は「〜まで絞り込む」。ほめ言葉の形を借りながら、「何も絞れていない」と言う皮肉になっています。相手の努力をいったん持ち上げてから落とす形なので、使う相手と場面は選ぶ必要があります。最後にミッチェルが手がかりをつなぎ、チームメイトのルイーズこそ衣装の人物だと突き止めます。
Cameron: Why would you do this?
(なんでこんなことを?)Louise: Because you bug me.
(あんたにイラつくからよ。)Cameron: That’s it?
(それだけ?)Louise: You picked the team name, you designed the shirts, you take all the credit.
(チーム名を決めて、シャツもデザインして、手柄は全部ひとり占め。)Louise: Everything’s about you.
(何でもかんでもあんた中心なのよ。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
Why would you do this? の would は、「いったいどうして」と理解できない気持ちを強める働きをします。bug は動詞で「いらいらさせる」というくだけた語、That’s it? は「それだけ?」と拍子抜けしたときの一言です。take all the credit は「手柄を独り占めする」という意味の表現です。この回の冒頭でキャメロンは、チーム名もシャツも自分が考えたと話したうえで、こう語っていました。
Cameron: I came up with the team name, I designed the shirts.
(チーム名を考えたのも、シャツをデザインしたのも僕なんだ。)Cameron: It’s not important who gets the credit.
(誰の手柄かなんて、大事じゃないけどね。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
同じ credit という語が、本人の言葉とルイーズの不満とで正反対の向きに使われているのが面白いところです。
まとめ|疑う、確かめる、理由を聞く英語
見間違いを疑う you’re seeing things、居場所を聞く Where were you 20 minutes ago、推理を語る put it all together、理由を聞く Why would you do this?。問い詰める側の英語と、皮肉で返す英語が、衣装騒ぎに詰まっています。
フィズボの衣装をめぐる騒ぎを観ながら、問いかけの英語に耳を傾けるのも一つの楽しみ方です。
マニーの戯曲の感想や、フィルが計画したパーティーをめぐる英語は同じ回のほかのコラムで扱っており、フレーズ記事もあわせて読むと場面のつながりが見えてきます。


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