海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第15話では、フィルが父フランクの独身さよならパーティーを計画します。ところが、フランクと結婚を控えたローレインの息子レイが、その予定を変えてしまいます。
台無しにされた、乗っ取られた。どちらも腹立たしい状況ですが、英語では ruin と hijack で焦点が変わります。二人の言い合いを中心に、その違いと、計画を崩されたときの周りの言い回しを見ていきます。
「planned activities」と「back on schedule」――計画した側の英語
フィルにとって、この集まりには特別な期待がありました。
Phil: My dad is marrying my old babysitter Lorraine, who has a son, which means that I am finally getting a brother! When I was young, I wanted a brother so much, my folks got me bunk beds.
(親父が、俺の昔のベビーシッターのローレインと結婚するんだ。彼女には息子がいる。つまり、ついに俺にも兄弟ができるってこと! 小さい頃は兄弟が欲しくてたまらなくて、両親が二段ベッドを買ってくれたくらいさ。)Phil: At night, I’d pretend he was up there and talk to him, and when he didn’t answer back, I always just figured, “Well, Marty’s in a mood again.
(夜になると上に兄弟がいるつもりで話しかけてた。返事がないと、いつも「ああ、マーティはまた機嫌が悪いんだな」って思ってたんだ。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
finally は「待ちに待って、ついに」。be in a mood は「機嫌が悪い」を表すくだけた言い方です。空想の兄弟に名前まで付けていたという話から、フィルの期待の大きさが伝わってきます。パーティーの部屋では、ジェイとフィルがこんなやり取りをしています。
Jay: Oh, is that it for the planned activities?
(おい、予定されてる出し物はこれで終わりか?)Phil: No, we’re just getting started.
(まさか、まだ始まったばかりだよ。)Phil: For the next hour, it’s a $5 buy-in game of Uno, then downstairs to Captain Scupper’s, the best oysters in the desert.
(この1時間は参加費5ドルのUNO、そのあと下の階のキャプテン・スカッパーズへ。砂漠で一番のカキの店さ。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
Is that it for ~? は「〜はこれで終わり?」、we’re just getting started は「まだ始まったばかり」と、この先にも予定があることを伝える返しです。buy-in は「参加費」で、ゲームに加わるために払うお金を指します。時間ごとに行き先を並べる説明からは、フィルが細かく予定を組んでいたことが分かります。
予定がずれたあと、フィルはこう切り出します。
Phil: Now, if it’s not too much trouble, maybe we could get back on schedule.
(さて、もしご面倒でなければ、そろそろ予定に戻れるかな。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
if it’s not too much trouble は本来、「ご面倒でなければ」と頼みごとを和らげる丁寧な前置きです。予定どおりに進まない状況で使われているため、丁寧さの裏に不満もにじむ一言と読み取れます。get back on schedule は「予定どおりの進行に戻す」という意味です。
「You’re ruining」と「Nobody hijacks」の違い
ところがレイは、ショーのチケットを別のものに替えてしまっていました。フランクはフィルをなだめます。
Frank: It’s okay, Phil.
(いいんだよ、フィル。)Frank: I waited 79 years to see Neil Sedaka.
(ニール・セダカを見るのに79年待ったんだ。)Frank: I can wait another 79.
(あと79年くらい待てるさ。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
another 79 は「さらに79年」。冗談めかして、気にしていないと伝える返しです。しかしフィルは引き下がりません。
Phil: No, Dad.
(いや、親父。)Phil: You’re being too nice.
(人が良すぎるよ。)Phil: This is your bachelor party, not yours! You’re ruining this whole night.
(これは親父の独身さよならパーティーで、お前のじゃない! お前のせいで今夜が全部台無しだ。)Ray: You ruined it when you planned it.
(あんたが計画した時点で、もう台無しだったんだよ。)Ray: And get that finger out of my face.
(それと、その指を俺の顔の前からどけろ。)Phil: Nobody hijacks my dad’s party, and nobody tells me where to put my finger.
(親父のパーティーは誰にも乗っ取らせないし、俺の指をどこに置くかも誰にも指図させない。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
ruin は「台無しにする、だめにする」で、焦点は結果にあります。今夜という時間そのものがだめになった、という嘆きです。レイは同じ ruin を使い、when you planned it と時点をずらして言い返しています。一方の hijack は、もともと乗り物を力ずくで奪う意味の語で、比喩として「乗っ取る」「主導権を奪う」を表します。こちらの焦点は、誰が仕切るかという主導権です。
| 表現 | 焦点 | 劇中の例 |
|---|---|---|
| ruin | 結果がだめになる | You’re ruining this whole night. |
| hijack | 主導権を奪われる | Nobody hijacks my dad’s party |
This is your bachelor party, not yours! は、同じ your を二人に向けて使い分け、主役が誰かをはっきりさせる一言です。You’re being too nice. の be being は、「今この場では〜にふるまっている」という一時的な態度を表す形です。get that finger out of my face は、指を差されたときに「その指をどけろ」と反発する言い方になっています。
「the end of an era」と本音を打ち明ける
そのあとフランクと話す場面で、フィルは胸の内を打ち明けます。
Phil: So much is changing, Dad.
(いろんなことが変わっていくよ、親父。)Phil: I guess I’m kind of afraid that this is the end of an era.
(たぶん、ひとつの時代が終わるんじゃないかって、ちょっと怖いんだと思う。)Phil: Now I have to share you with Lorraine, with that.
(これからは親父をローレインと分け合わなきゃいけない。あれともね。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
the end of an era は「ひとつの時代の終わり」。大きな歴史の区切りにも、身近な暮らしの変化にも使われる言い回しです。share you with ~ は「あなたを〜と分け合う」で、最後に名前ではなく that と付け足しているところに、レイへの不満がにじみます。フランクの答えはこうです。
Frank: You’re not losing me.
(お前が俺を失うわけじゃない。)Frank: As a matter of fact, you’re gonna be seeing a lot more of me.
(それどころか、これからはもっと会うことになるぞ。)Frank: Lorraine and I have been kind of kicking around the idea of moving to California.
(ローレインとカリフォルニアに引っ越そうかって、ちょっと話してるんだ。)Phil: To be closer to me?
(俺の近くにいるために?)Frank: Yes.
(そうだ。)Frank: And to be farther from Ray.
(それと、レイから離れるためにな。)Modern Family Season8 Episode15 (Finding Fizbo)
You’re not losing me. は「いなくなるわけじゃない」と相手を安心させる言い方です。as a matter of fact は「それどころか」と、前の言葉を打ち消してさらに強める前置きです。kick around the idea of ~ing は「〜という案をあれこれ考える」で、まだ決まっていない段階を表します。see a lot more of ~ は「〜にもっと会う」で、you’re gonna be seeing と進行形の未来にすると、すでにそうなる流れにあるという響きになります。
closer と farther を並べた最後の答えが、場面をやわらかく締めくくっています。期待していた兄弟とはぶつかってしまったものの、父との関係は変わらないと確かめる場面と言えます。
まとめ|台無しと乗っ取りを言い分ける
結果がだめになる ruin と、主導権を奪う hijack。そこに get back on schedule や the end of an era、You’re not losing me. を重ねると、計画を崩されたときの抗議から本音の打ち明けまでを英語で言い表せます。
次回も『モダンファミリー』の家族のにぎやかなやり取りから、英語を一緒に学んでいきましょう。
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