車の値引き交渉で条件を出して迫るときの英語|『モダンファミリー』S06E10で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 車の値引き交渉で条件を出して迫るときの英語|『モダンファミリー』S06E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第10話では、ヘイリーの誕生日プレゼントを受け取りに行くフィルに、ジェイが付き添います。販売店で手続きを済ませるだけのはずが、ジェイの値引き交渉が始まり、2軒の店で営業担当とのかけひきが続きます。

値段の交渉は、英語で切り出しにくい場面の代表です。売り手の勧め方、買い手の条件の出し方、返事の迫り方を、場面の順にたどっていきます。

目次

「throw in」で付けさせる、売り手の勧め方

販売店でフィルと話を進める中で、営業担当のダリルが追加の提案を持ちかけます。

Daryl: One quick thing if you really want to do something special for your daughter, what do you say we throw in some upgraded wheels?
(ひとつだけ。娘さんに特別なことをしてあげたいなら、ホイールのグレードアップを付けるのはいかがです?)

Phil: How much would that cost?
(それって、いくらかかるの?)

Daryl: How much do you spend a day on a cup of coffee?
(1日にコーヒー1杯でおいくら使います?)

Modern Family Season6 Episode10 (Haley’s 21st Birthday)

throw in は「おまけとして付ける・追加で入れる」という意味の句動詞です。what do you say we ~? は「〜するのはどうでしょう」と軽く持ちかける形で、命令や断定を避けながら相手の同意を引き出す言い方になっています。

ダリルは値段を聞かれても金額を言わず、How much do you spend a day on ~? と問いで返します。大きな金額を日々の小さな出費に置き換えて考えさせる、売り手らしい切り返しと言えます。値段を尋ねるときは、How much would that cost? のように would を使うと、「付けるとしたら」という仮の話として聞く響きになります。

ここで割って入るのがジェイです。

Jay: Oh, for god’s sakes!
(まったく、勘弁してくれ!)

Phil: Jay?
(ジェイ?)

Jay: Answer the question!
(質問に答えろ!)

Phil: A cup of coffee? $3.50.
(コーヒー1杯? 3ドル50セント。)

Jay: Not you!
(お前じゃない!)

Modern Family Season6 Episode10 (Haley’s 21st Birthday)

Answer the question! は「聞かれたことに答えろ」という強い言い方で、値段を問いでかわされた流れへの一言です。ところがフィルが自分のコーヒー代を答えてしまい、ジェイの Not you! が続きます。「あなたに言ったのではない」と相手を取り違えたことを短く正す返しで、言葉の向け先がずれる笑いが見どころです。

このあとフィルは、ジェイに「来なくていい、話はもうまとまっている」と伝えますが、交渉はここから始まります。

「Tell you what」で条件を並べて手を打つ

ジェイはダリルに、おまけと値下げを組み合わせた条件を一息に出します。

Jay: Tell you what, why don’t you throw in those upgraded wheels you love so much, lower the drive-off by $500, we call it a deal?
(じゃあこうしよう。あんたご自慢のホイールのグレードアップを付けて、契約時の支払いを500ドル下げる。それで手を打たないか?)

Daryl: I’m sorry, but this is the best I can do.
(申し訳ありませんが、これが精いっぱいです。)

Jay: Come on, Daryl.
(なあ、ダリル。)

Jay: We’re all businessmen here.
(ここにいるのはみんな商売人だろ。)

Jay: We all know there’s wiggle room when we say there’s no wiggle room.
(「余地はない」と言うときこそ余地があるのは、みんな承知だ。)

Jay: So, come on.
(だから、ほら。)

Jay: Let’s see you wiggle.
(動いてみせろよ。)

Modern Family Season6 Episode10 (Haley’s 21st Birthday)

Tell you what は「じゃあこうしよう」と提案を切り出す前置きです。続けて throw in ~、lower ~ by $500、call it a deal と三つを並べ、「AをつけてBを下げれば、それで決まり」という一つの取引にまとめています。lower ~ by + 金額 は「〜を…だけ下げる」で、下げ幅を示すときの基本の形です。ジェイは、ダリルがさっき勧めたホイールをそのまま交渉材料に回しています。

ダリルの I’m sorry, but this is the best I can do. は、謝りながら「これ以上は無理です」と線を引く断り方です。

これに対するジェイの We’re all businessmen here. は、「お互い商売の事情は分かっているはずだ」と相手を同じ立場に引き込む言い方です。wiggle room(交渉の余地)を使った一言は同じ回のフレーズ記事で詳しく扱っているので、ここでは「余地はないと言うときほど余地がある」と相手の建前を突く使い方として押さえておきます。

「cut to the chase」と「Your move」で返事を迫る

交渉は別の販売店に移ります。営業担当のトニーが「向こうの値段には近づけない」と告げると、ジェイは本題に切り込みます。

Jay: All right, Tony, let’s cut to the chase.
(よし、トニー、単刀直入にいこう。)

Jay: You either start negotiating, or we’re gonna walk back over there and take that other deal.
(交渉を始めるか、さもなきゃ俺たちは向こうに戻って、あっちの条件で買う。)

Tony: Well, if you can still get it, yeah, Th-that’s what I would do.
(まあ、まだその条件で買えるなら、ええ、私だってそうしますよ。)

Jay: You want to dance.
(踊りたいってわけか。)

Jay: I don’t mind.
(構わんよ。)

Jay: I’ll lead.
(リードは俺がする。)

Jay: $500 down.
(500ドル引け。)

Tony: Sir even with the deep discounts we offer during the hot dog-a-thon, I have never seen a deal like that.
(お客様、ホットドッグ祭りの大幅値引きでも、そんな条件は見たことがありません。)

Modern Family Season6 Episode10 (Haley’s 21st Birthday)

cut to the chase は「前置きを省いて本題に入る」という意味の慣用句です。You either A, or B. は二つの道しか残さない言い方で、ここではほかの店の条件を引き合いに出し、相手に選択を迫っています。トニーが「買えるならそうする」とかわすと、ジェイは交渉をダンスにたとえ、$500 down. と金額だけを短く突きつけます。

返事を待つ間も、ジェイは手を緩めません。

Jay: Tony, clock is ticking.
(トニー、時間がないぞ。)

Jay: Your move.
(そっちの番だ。)

Jay: What’s that? Could that be from your manager, huh, perhaps?
(なんだそれ? ひょっとして上司からか、ん?)

Tony: Uh, yeah, he says that unless you buy a car, you can’t have any more hot dogs.
(ええ、車を買わないなら、もうホットドッグはなしだそうです。)

Modern Family Season6 Episode10 (Haley’s 21st Birthday)

clock is ticking は「時計が進んでいる」から転じて「時間がない」と急がせる言い方です。Your move. はゲームの「あなたの番」を交渉に当てはめた一言で、ボールは相手側にあると伝えています。続く Could that be ~, perhaps? は「ひょっとして〜では」と探りを入れる聞き方で、huh や perhaps を添えることで、相手の手の内を見透かしたような調子が出ます。期待した上司からの返事が値引きではなくホットドッグの話だった、という落ちが印象的です。

表現 場面での働き
what do you say we throw in ~? おまけを付けようと持ちかける
Tell you what, ~ 自分の条件を切り出す
call it a deal それで手を打つ
this is the best I can do これ以上は下げられないと断る
You either ~, or ~ 二択で決断を迫る
Your move. 返事を相手に促す

まとめ|おまけ・条件・二択で進める交渉の英語

throw in でおまけを付けさせ、Tell you what で条件を並べ、cut to the chase と Your move. で返事を迫るまでの流れをたどりました。売り手の this is the best I can do と合わせて見ると、交渉の一往復ごとに使いやすい言い回しがあることが分かります。

買い物の場面を観るときも、こうしたかけひきの言葉に耳を澄ませてみると、英語の楽しみが一つ増えそうです。

同じ回のほかのコラムでは親子やフィルとジェイの言葉を、フレーズ記事では一つひとつの表現の使い方を扱っています。

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