「It does in New York.」に見る、相手の言葉を does や did で受けて一言足す返し|『ホワイトカラー』S05E03で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「It does in New York.」に見る、相手の言葉を does や did で受けて一言足す返し|『ホワイトカラー』S05E03で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第3話から、相手が使った動詞を繰り返さずに does や did で受け、そこへ一言を足す短い返しを取り上げます。新しいハンドラーのシーゲルが部屋探しをニールに相談する場面をはじめ、この回には同じ形の返しが何度も登場します。

短い答えのあとに何を続けるかで、会話の向きがどう変わるのかを、三つの場面から順に見ていきます。

目次

「It does in New York.」で、相手の否定を条件つきで覆す

本編が始まってまもなく、シーゲルは街に詳しいニールに、住む場所選びの相談を持ちかけます。いくつか好みを確かめたあと、ニールは予算を尋ねます。

Neal: What’s your price range?
(予算はどのくらい?)
Siegel: Price doesn’t matter.
(値段は関係ない。)
Neal: It does in New York. Unless you’re secretly rich. You’re secretly rich.
(ニューヨークでは関係あるよ。ひそかに金持ちでもない限りはね。ひそかに金持ちなんだ。)
Siegel: Surprised Neal Caffrey. I guess I’m doing something right here.
(ニール・キャフリーを驚かせたか。俺もなかなかやるらしいな。)

White Collar Season5 Episode3 (One Last Stakeout)

It does in New York. の does は、直前のシーゲルの doesn’t matter を受けた代動詞です。省略をほどくと Price does matter in New York. となり、matter(重要である)を繰り返さずに済ませています。肯定文に does をわざわざ入れる形は「実際には〜する」という強調になるため、相手の否定をはっきり打ち消す響きが生まれます。

この返しの要は、後ろに足した in New York です。値段が関係ないという言い分を正面から否定するのではなく、「この街では」という条件をつけて覆しているので、角の立たない言い返しに聞こえます。

続く Unless you’re secretly rich. は、unless(〜でない限り)を使って例外を一つだけ残す言い方です。ニールは言い終えた直後、その例外の部分を You’re secretly rich. という言い切りの文に変えています。条件として口にしたことがそのまま答えだったと気づく流れが、文の形の変化だけで表されています。シーゲルが否定せず、ニールを驚かせたことに触れて返している点からも、ニールの読みが当たったことが分かります。

「I did.」「I was.」のあとに、予想外の一言を足す

同じ受け方は肯定の返事にも出てきます。ゼヴの逮捕後、シーゲルとニールが二人で話す場面です。

Neal: You came from millions.
(君は大金持ちの家の出だろう。)
Siegel: I did. And then I was disowned. See, arresting your family’s friends will do that.
(そうだ。そのあと勘当された。ほら、家族の友人を逮捕すればそうなる。)

White Collar Season5 Episode3 (One Last Stakeout)

I did. は came from millions を一語で引き取った返事です。ここで終われば単なる肯定ですが、シーゲルは And then I was disowned. と、聞き手の想像とは逆の続きを足しています。いったん認めてから話をひっくり返すので、短い返事が身の上話の入り口に変わります。最後の will do that も、「そういう結果を招くものだ」と前の内容を do でまとめる言い方です。

終盤には、絵画の返還の場で、事件の前にニールと話していた美術館の職員レベッカが、ニールと再び顔を合わせます。

Rebecca: You sure did leave out a lot.
(ずいぶん多くのことを黙っていたのね。)
Neal: I did. I heard you were cleared.
(そうだね。疑いは晴れたって聞いたよ。)
Rebecca: I was. Just in time to be fired.
(ええ。ちょうど解雇に間に合ったわ。)

White Collar Season5 Episode3 (One Last Stakeout)

You sure did leave out a lot. の did は、動詞の前に置いて意味を強める用法で、sure と合わせて「本当にずいぶん」という含みになります。ニールはそれを I did. と認め、話題を相手の疑いのほうへ移します。

レベッカの I was. は were cleared を受けた be 動詞の返事で、そこへ Just in time to be fired. を足しています。just in time は本来「ぎりぎり間に合って」と良い結果に使う表現のため、解雇と組み合わさることで苦い皮肉になっています。

まとめ|does や did で受けて、一言で向きを変える

It does in New York. の条件つきの打ち消し、I did. And then 〜 の意外な続き、I was. に皮肉を添える返しを見てきました。動詞を繰り返さずに受けるだけで、足す一言が際立つことが分かります。

短いやり取りの積み重ねが人物の素顔をのぞかせる『ホワイトカラー』の会話を、これからも追いかけていきましょう。

同じエピソードの英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも場面ごとに取り上げています。

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