海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第14話では、シェルドンとミッシーが子どもだけで留守番をしている家に、父と母から相次いで電話がかかってきます。どちらの電話でも、最初に聞かれるのは「調子はどう?」という近況です。
この問いにどう答えるかをめぐって、双子は going good か going well かで言い合いになります。電話の受け答えと、good と well の使い分けを順に見ていきます。
「How you guys doing?」と聞かれたら
放課後、家に父ジョージから電話がかかってきます。電話口で答えるのはミッシーです。
George Sr.: Hey, it’s Dad. How you guys doing?
(おう、父さんだ。お前ら、どうしてる?)Missy: We’re great.
(最高だよ。)George Sr.: Glad to hear it.
(そりゃよかった。)Young Sheldon Season1 Episode14(Potato Salad, a Broomstick, and Dad’s Whiskey)
Hey, it’s Dad. は電話で名乗るときの形で、I’m ではなく it’s を使うのが電話らしいところです。続く How you guys doing? は How are you guys doing? から are が落ちた、くだけた聞き方です。you guys は相手が複数のときの呼びかけで、ここでは双子の2人に向けられています。
ミッシーの We’re great. は、be 動詞のあとに形容詞 great を置いた答え方です。「私たちは最高の状態」と、主語の様子を形容詞で説明しています。父の Glad to hear it. は I’m glad to hear it. の I’m を省いた形で、「それを聞いてうれしい」と相手の答えを受け止める決まった言い方です。
もっとも、電話を切ったあとにミッシーが That was intense. と言っていることから、明るい返事の裏で緊張していたことがうかがえます。答えの中身と本当の状況が一致しているとは限らないのも、近況のやり取りの面白いところです。
- A: Hey, how you guys doing?
(やあ、みんな元気?) - B: We’re great, thanks.
(元気だよ、ありがとう。)
電話の受け方と「How’s your day going?」
続いて家の電話に出たのはシェルドンです。家の名前と自分の名前を、続けて名乗ります。
Sheldon: Hello. Cooper residence. Sheldon speaking.
(もしもし。クーパー家です。こちらシェルドン。)Mary: Hey, Shelly.
(もしもし、シェリー。)Sheldon: Oh, hello, Mom.
(ああ、もしもし、ママ。)— How’s your day going?
(今日はどう?)Young Sheldon Season1 Episode14(Potato Salad, a Broomstick, and Dad’s Whiskey)
Cooper residence. は「クーパー家です」と家の名前を名乗る言い方で、residence は「住まい」を指す少し改まった語です。Sheldon speaking. は「こちらシェルドンです」と自分の名を告げる形で、電話口で名乗るときの決まった言い回しです。9歳の子どもが改まった名乗りを二つ並べるところに、シェルドンらしさが表れています。
相手が母メアリーだと分かると、シェルドンは Oh, hello, Mom. と応じます。そこへ届くのが How’s your day going? という問いかけです。How’s は How is の短縮で、「その日一日がどう進んでいるか」を尋ねる形です。How’s it going? の it を your day に置き換えた形で、その日の様子に絞って尋ねています。仕事や勉強など、進み具合を聞きたいものを主語に入れれば、同じ型で幅広く使えます。
- A: Hello, Smith residence.
(もしもし、スミスです。) - B: Hi, it’s Tom. How’s your day going?
(やあ、トムだよ。今日はどう?)
「going good」ではなく「going well」
シェルドンは電話を持ったまま、ミッシーに母の質問を伝えます。ここから、答え方をめぐるやり取りが始まります。
Sheldon: She wants to know how my day’s going.
(今日はどうかって聞いてる。)Missy: Say it’s going good.
(「going good」って言っときなよ。)Sheldon: I can’t say that.
(それは言えないよ。)Missy: Why not?
(なんで?)Sheldon: It’s bad grammar.
(文法的に間違ってるからね。)Missy: How are you supposed to say it?
(じゃあ、なんて言えばいいの?)Sheldon: “It’s going well.”
(「It’s going well.」だよ。)Young Sheldon Season1 Episode14(Potato Salad, a Broomstick, and Dad’s Whiskey)
シェルドンがこだわっているのは品詞の区別です。well は副詞で、動詞 go が「どう進んでいるか」を説明します。一方の good は形容詞で、本来は名詞や主語の様子を説明する語です。文法の規則どおりに組み立てるなら、going を説明するのは well になります。シェルドンはその規則どおりの形を選んでいます。
ミッシーの How are you supposed to say it? は「じゃあ本来はどう言うべきなの?」という問いで、be supposed to ~ が「〜することになっている、〜するのが決まり」という意味を担っています。言い方の正解を相手に尋ねるときにそのまま使える形です。シェルドンの I can’t say that. と It’s bad grammar. も、理由を短く添えて断る組み立てになっています。
- A: How’s the project going?
(プロジェクトはどう?) - B: It’s going well, thanks.
(順調だよ、ありがとう。)
同じ回の朝の場面には、good が名詞を説明する例もあります。
Georgie: Thanks for waking me up.
(起こしてくれてどうも。)Mary: I woke you up 40 minutes ago.
(40分前に起こしたでしょ。)Georgie: Well, you didn’t do a very good job.
(じゃあ、起こし方がうまくなかったんだな。)Young Sheldon Season1 Episode14(Potato Salad, a Broomstick, and Dad’s Whiskey)
兄ジョージーの a very good job では、good が名詞 job を説明しています。寝坊を母のせいにする冗談ですが、文法の上では good の正しい使い方の見本です。
| 形 | 説明している語 | 品詞 |
|---|---|---|
| It’s going well. | 動詞 going | 副詞 well |
| We’re great. | 主語 we | 形容詞 great |
| a very good job | 名詞 job | 形容詞 good |
まとめ|近況の答え方と品詞の使い分け
How you guys doing? には We’re great. と形容詞で、How’s your day going? には It’s going well. と副詞で答える。電話の名乗り方から good と well の使い分けまで、留守番中の2本の電話に答え方の見本がそろっています。
次回も『ヤングシェルドン』の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。


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