海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第12話は、コンピューターを欲しがるシェルドンをきっかけに、両親がお金のことで言い合いになる回です。2人の会話には、相手の言葉をそのまま返す問い返しが何度も出てきます。
驚きや反発を示すとき、英語では相手の言葉をくり返して聞き返すことがあります。その形が場面ごとにどう働いているのかを、順に見ていきます。
「Get a job?」相手の語をくり返して驚く
シェルドンがコンピューターを欲しがっている話に、父ジョージは、放課後に働いて自分で買えばいいと言い出します。
Meemaw: So, Sheldon wants a computer?
(で、シェルドンはコンピューターが欲しいって?)Mary: Ever since he could talk. But now more than ever.
(しゃべれるようになってからずっとね。でも今は、これまでで一番。)George Sr.: Well, he should get a job after school. Save up and buy one.
(なら、放課後に働けばいい。金を貯めて買えばいいんだ。)Mary: Get a job? He’s nine.
(働く? あの子は9歳よ。)George Sr.: I mowed lawns when I was his age. Made pretty good money.
(俺はあいつの年には芝刈りをしてた。結構稼いだぞ。)Mary: You want Sheldon to mow lawns?
(シェルドンに芝刈りをさせたいの?)Young Sheldon Season1 Episode12(A Computer, a Plastic Pony, and a Case of Beer)
母メアリーの Get a job? は、ジョージの言った get a job をそのままくり返した問い返しです。英語ではこうした問い返しをエコー・クエスチョンと呼び、本当に答えを求めているのではなく、「今そう言ったの?」という驚きや反対の気持ちを示します。
すぐ後に He’s nine. と短い事実を添えているのがポイントです。くり返しで驚きを示し、次の一文でなぜ驚いたのかを伝える組み立てになっています。
ジョージが自分の子ども時代の芝刈りの話を持ち出すと、メアリーは You want ~ to mow lawns? の形で返しました。こちらは語をそのまま返すのではなく、相手の言い分を「つまりこういうこと?」と言い換えて確かめる形です。文は平叙文の語順のまま、疑問符の付いた問いの形になっています。
- A: I’m thinking of quitting my job.
(仕事を辞めようかと思ってる。) - B: Quitting your job? You just started!
(仕事を辞める? 始めたばかりじゃない!)
「end of story」と「here and there」を言い返しに使う
その後、2人だけの会話で、ジョージは「買えない」と話を打ち切ろうとします。
George Sr.: Well, it doesn’t matter. We can’t afford it, end of story.
(とにかく関係ない。うちには買えない、話は終わりだ。)Mary: Not exactly end of story.
(話は終わりってわけでもないのよ。)George Sr.: What’s that mean?
(どういう意味だ?)Young Sheldon Season1 Episode12(A Computer, a Plastic Pony, and a Case of Beer)
end of story は「話はそれで終わり」と議論を打ち切る決めぜりふです。メアリーはこれに Not exactly を付けて返し、「そうとも言い切れない」と相手の言葉を借りたまま打ち消しました。ジョージの What’s that mean? は、意味をそのまま問う短い聞き返しです。
メアリーがお金を取り分けてきたと明かすと、ジョージは出どころを尋ねます。
George Sr.: Money from what?
(何の金だ?)Mary: You know, here and there.
(ほら、あちこちからよ。)Young Sheldon Season1 Episode12(A Computer, a Plastic Pony, and a Case of Beer)
here and there は「あちこちで、ちょこちょこと」という意味で、出どころをぼかして答える言い方です。メアリーがいくつかの収入源を挙げたあと、ジョージはこの語を引用符でくくるように使い、this “here and there” money と額を問いただしました。相手の言葉をわざと借りて返すことで、ぼかした答えに納得していない気持ちがにじみます。
前の場面の Get a job? が語をそのまま返す問い返しだったのに対し、ここでは相手の語を自分の文の中に取り込んで使っています。どちらも、相手の言葉を手がかりに話を押し返す点が共通点です。
- A: The meeting is over. End of story.
(会議は終わり。以上。) - B: Not exactly end of story. We still need a decision.
(以上とはいかないよ。まだ結論が出てないんだから。)
「None of my business?」と「Just so I’m clear」で問いただす
額を尋ねられたメアリーは、答えを断ります。ここで、この回を代表する問い返しが出てきます。
George Sr.: And just how much of this “here and there” money you got saved up?
(で、その「あちこちから」の金は、いったいいくら貯めてあるんだ?)Mary: Well, seeing as it’s my money, I don’t think that’s any of your business.
(そうね、私のお金なんだから、あなたには関係ないと思うけど。)George Sr.: None of my business? You see every nickel I make, and you got secret money?
(俺には関係ない? 俺の稼ぎは5セント玉1枚まで見てるくせに、自分は内緒の金を持ってるのか?)Mary: It’s not secret. I just told you.
(内緒じゃないわ。今話したでしょ。)George Sr.: Where you hiding it?
(どこに隠してる?)Mary: Well, now you’re headed into secret territory.
(あら、そこから先は内緒の領域よ。)Young Sheldon Season1 Episode12(A Computer, a Plastic Pony, and a Case of Beer)
メアリーの I don’t think that’s any of your business. を受けて、ジョージは your を my に置き換え、None of my business? と返しました。笑いをもらしながらのこの問い返しは、「俺に関係ないだと?」とあきれる気持ちを表しています。すぐ後に理由を続けているのは、Get a job? の場面と同じ組み立てです。
メアリーの secret territory は、secret という語を受けて「そこから先は内緒の領域」とかわす言い方です。続けてジョージは、皮肉を込めて念を押します。
George Sr.: Oh, okay. Just so I’m clear, my money’s our money, but your money’s your money.
(ああ、そうかい。念のため確認しとくが、俺の金は2人の金で、お前の金はお前の金ってわけだな。)Mary: That’s right.
(そのとおりよ。)Young Sheldon Season1 Episode12(A Computer, a Plastic Pony, and a Case of Beer)
Just so I’m clear は「はっきりさせておくと」と相手の言い分を要約して確かめる前置きです。ここでは要約そのものが皮肉になっていますが、メアリーは That’s right. とあっさり認めました。それを受け流して平然と肯定する返し方が、言い合いの場面をかえって笑いに変えています。
なお、business は「仕事」のほかに「関わるべき事柄」という意味でも使われ、none of one’s business で「〜の知ったことではない」となります。
- A: How much did you pay for that?
(それ、いくらしたの?) - B: That’s none of your business.
(あなたには関係ないでしょ。) - A: None of my business? I lent you the money!
(関係ない? お金を貸したのは私だよ!)
| 表現 | 働き |
|---|---|
| Get a job? | 相手の語をくり返して驚く |
| You want ~ to …? | 言い分を言い換えて確かめる |
| Not exactly end of story. | 相手の語を借りて打ち消す |
| None of my business? | your を my に置き換えて問い返す |
| Just so I’m clear, ~ | 要約して念を押す |
まとめ|くり返すだけで気持ちが伝わる問い返し
Get a job? や None of my business? のように相手の言葉をくり返すと、驚きや反発がそのまま伝わります。Just so I’m clear で要約する形や、相手の語を借りて言い返す形も合わせて知っておくと、言い合いの場面の英語がぐっと聞き取りやすくなります。
次回も『ヤングシェルドン』の会話から、英語表現を一緒に見つけていきましょう。


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