「it’s a princess theme party」に見る、アメリカの子どものテーマ付き誕生日パーティーの文化|『モダンファミリー』S02E15で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「it's a princess theme party」に見る、アメリカの子どものテーマ付き誕生日パーティーの文化|『モダンファミリー』S02E15で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第15話の舞台になるのは、リリーの誕生日パーティーです。このパーティーにはプリンセスというテーマがあり、当日はプリンセス役の出演者もやって来ます。テーマを決めて開く子どものパーティーと、呼ばれた出演者の振る舞いが、会話の端々に表れている回です。

今回はこのパーティーを入り口に、テーマ付きの誕生日パーティーと、キャラクター役の出演者をめぐる文化を見ていきます。

目次

パーティーに「テーマ」を決める習慣

パーティーの前、キャメロンが演じるピエロを出すかどうかで話し合う中、ミッチェルはこう言います。

Mitchell: Well, also it’s a princess theme party.
(それに、プリンセスがテーマのパーティーなんだ。)

Mitchell: So, I guess you just don’t respect party themes.
(つまり、君はパーティーのテーマを尊重しないってことだね。)

Modern Family Season2 Episode15 (Princess Party)

theme party は、あらかじめ決めたテーマに沿って飾りや衣装、ケーキなどをそろえるパーティーを指します。アメリカでは、子どもの誕生日にプリンセスやスーパーヒーロー、恐竜といったテーマを選ぶ家庭も多いと言われます。ミッチェルがピエロの出演に反対する理由として「テーマに合わない」ことを挙げているのも、テーマが会全体の方向を決めるものとして扱われていることを示しています。

どこまでテーマに合わせるかは、地域や家庭によって大きく異なります。紙皿やナプキンを色でそろえる程度の場合もあれば、衣装や出し物まで統一する場合もあるようです。

プリンセスのテーマでは、ティアラやドレス風の衣装を用意したり、ピンクや紫を基調に飾り付けたりする例がよく見られます。テーマが決まっていると、準備する側は飾りや食べ物を選びやすく、集まった子どもたちも仮装で参加しやすくなる点が利点として挙げられます。

パーティーの終盤、騒ぎのあとの2人の会話です。

Mitchell: So much for keeping it all about Lily.
(リリーを主役にするはずが、これだよ。)

Cameron: Well, yeah, and I certainly didn’t help by berating that perfectly sweet journeyman princess like I did.
(まあね、それに僕があの感じのいい雇われプリンセスをあんなふうに叱りつけたのも、よくなかったよ。)

Mitchell: God, look at this place.
(ああ、この有様を見てよ。)

Mitchell: Everybody’s traumatized.
(みんなショックを受けてる。)

Mitchell: We need somebody to pump some life back into this party.
(誰かにこのパーティーを盛り返してもらわないと。)

Cameron: I got this.
(僕に任せて。)

Cameron: I’ll go in and turn on some music, bring out the cupcakes, pump up the bubble machine.
(中に入って音楽をかけて、カップケーキを出して、バブルマシンを動かすよ。)

Modern Family Season2 Episode15 (Princess Party)

キャメロンが挙げた音楽、カップケーキ、バブルマシンは、子ども向けのパーティーでよく見かける盛り上げの定番と言えます。切り分けずに1人1個ずつ配れるカップケーキは、子どもの集まりで選ばれることが多いと言われています。

ミッチェルの So much for ~ は「〜のはずが台無しだ」と当てが外れたことを嘆く言い方で、パーティーの前に口にしていた「主役はリリー」という方針が崩れたことを短く表しています。pump some life back into ~ は「〜に活気を取り戻す」という意味で、沈んだ場を盛り返すときに使われます。

キャラクター役の出演者と「役を崩さない」約束

パーティー当日には、プリンセス役の出演者が来ています。キャメロンが支払いについて尋ねる場面です。

Princess: There’s the birthday girl.
(あら、誕生日の女の子がいたわ。)

Cameron: Glitter? That’ll settle in her lungs.
(ラメ? 肺にたまっちゃうよ。)

Cameron: So I wanted to ask what method of payment you prefer? Cash, credit card, check?
(それで、支払い方法はどれがいいか聞きたかったんだ。現金、クレジットカード、小切手?)

Princess: Why, princesses don’t get paid, except maybe in laughter and sparkles.
(まあ、プリンセスはお金なんてもらわないの。もらうとしたら笑い声ときらめきくらいね。)

Cameron: That’s nice.
(それはいいね。)

Cameron: But I really need to know.
(でも、本当に知りたいんだ。)

Modern Family Season2 Episode15 (Princess Party)

アメリカでは、プリンセスやヒーローなどに扮した出演者をパーティーに派遣するサービスがあります。子どもの誕生日に呼ぶかどうか、料金や内容は、家庭や業者、地域によってさまざまです。この場面のプリンセス役は、支払いの話を振られても、最初はプリンセスとしての返事を崩していません。返事の頭の Why, は驚きや軽い感嘆を表す古風な響きの間投詞で、役柄らしい話し方の一部になっています。

派遣される出演者は、決められた時間の中で子どもたちと写真を撮ったり、簡単なゲームをしたりすることが多く、料金のやり取りは、子どもたちのいない所で保護者と業者の間で済ませる形が一般的とされています。

キャメロンは支払い方法を重ねて尋ねます。続くやり取りでは、プリンセス役の返事の調子が変わるところが流れをつかむ手がかりになります。

Cameron: Miss, seriously, if you wanna get paid, I need
(ねえ、真面目な話、支払いを受けたいなら、僕には……)

Princess: Fine.
(分かったわよ。)

Princess: You can make the check out to Party Stars, Incorporated.
(小切手の宛名は「パーティー・スターズ社」でお願い。)

Cameron: Never break character! Never ever!
(絶対に役を崩しちゃだめ! 何があっても!)

Modern Family Season2 Episode15 (Princess Party)

break character は、役を演じている人が素に戻ることを指す言い方で、演劇や撮影の現場でも使われます。反対に、役のままでいることは stay in character と言います。子どもの前ではキャラクターの夢を壊さないよう役を保つことが、こうした出演者の心得として語られることが多いようです。撮影の現場で俳優が思わず笑ってしまい、演技が止まることも break character と表現されます。

支払い方法を聞き続けたのはキャメロン自身なのに、宛名を答えた相手に「役を崩すな」と言う流れになっているのが、この場面の面白いところです。

まとめ|テーマと出演者でつくる子どものパーティー

princess theme party のようにテーマを決めて飾りや出し物をそろえる習慣と、break character しないことを求められるキャラクター役の出演者。リリーのパーティーからは、子どもの誕生日を演出する工夫の一端が見えてきます。

パーティーの場面を観返すときは、テーマに合わせた飾りや出し物にも目を向けると、アメリカの誕生日の雰囲気がより伝わってきます。

同じエピソードのほかのコラムでは、このパーティーをめぐる家族の会話を英語表現の面から扱っています。

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