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『フレンズ』シーズン2第11話では、レイチェルの母が、レイチェルの働くカフェと暮らしている部屋を訪ねてきます。バリーと結婚しなかった今の暮らしを母にどう見られるか、レイチェルは来る前から気にしています。
親からのほめ言葉は、うれしくても返し方に迷うものです。職場への感想、娘の自慢、「誇りに思う」の一言、そして自分の選択を伝える言い方を、母娘の会話から見ていきます。
「Who can tell?」職場を見た親の軽口と自慢
カフェのセントラルパークにやって来た母は、レイチェルが働く店について、こう言います。
Mrs. Green: Oh, it’s wonderful.
(まあ、素敵じゃない。)
Mrs. Green: Is it a living room? Is it a restaurant? Who can tell?
(ここはリビング? それともレストラン? 誰にも分からないわね。)
Mrs. Green: Well, I guess that’s the fun.
(まあ、そこが楽しいところなんでしょうね。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
Who can tell? は直訳すると「誰に分かるだろう」で、「さっぱり分からない」と軽く言う反語の形です。店の雰囲気をからかうようでいて、すぐに I guess that’s the fun. と「それが楽しいところなのね」と受け止め直しています。I guess は「たぶん〜なのね」と、自分の感想を控えめに添える言い方です。直前の Oh, it’s wonderful. と合わせると、ほめる・からかう・受け止め直すという3段の動きが、短い台詞の中に収まっています。
母は続けて、居合わせた仲間に娘を自慢します。
Mrs. Green: What do you think of my daughter in the apron with the big job?
(エプロン姿で大きな仕事をしてる私の娘、どう思う?)
Rachel: Oh, mom.
(もう、ママったら。)
Mrs. Green: If you didn’t pour the coffee no one would have anything to drink.
(あなたがコーヒーを注がなかったら、誰も何も飲めないのよ。)
Chandler: Believe me, sometimes that happens.
(いや、実際ときどきそうなるんだよ。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
What do you think of ~? は「〜をどう思う?」と周りに意見を求める形で、ここでは娘を見せびらかす問いかけになっています。レイチェルの Oh, mom. は、相手の言葉をやんわり止めるときの短い一言です。チャンドラーの Believe me, sometimes that happens. は、母の大げさなほめ言葉を字義どおりに受けて、店で飲み物が出てこないことがあるとからかう返しです。Believe me は「本当だって」と自分の言葉を念押しする前置きで、ここでは冗談を本当らしく聞かせる役目を担っています。
「I am just so proud of you」と言われたときの返事
母は自分の若いころと比べながら、レイチェルにこう伝えます。
Mrs. Green: This is just so exciting. You know, I never worked.
(本当にわくわくするわ。ほら、私は働いたことがないから。)
Mrs. Green: I went straight from my father’s house to the sorority house to my husband’s house.
(父の家から女子学生寮へ、そこから夫の家へ、まっすぐ移っただけだったもの。)
Mrs. Green: I am just so proud of you.
(あなたのことが本当に誇らしいわ。)
Rachel: Oh, really?
(え、ほんとに?)
Mrs. Green: Yes.
(ええ。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
straight from A to B to C は、寄り道せずに次々と移っていった経緯を一息で言う形です。sorority house は、アメリカの大学の女子学生の社交団体が使う寮を指すことが多い語です。
I am just so proud of you. の just so は気持ちの強さを押し出す言い方で、「本当に誇らしい」に近い響きになります。レイチェルの返事は Oh, really? の一言で、思いがけないほめ言葉に驚いて確かめる返し方です。母が Yes. と短く答えることで、ほめ言葉が本気であることがはっきりします。
日常の会話では、同じ場面で Thanks, Mom. That means a lot.(ありがとう、ママ。すごくうれしい)のように、お礼と気持ちを添えて返すこともできます。驚きを先に出すか、お礼を先に出すかで、受け取り方の印象が変わります。気恥ずかしいときは、レイチェルの Oh, mom. のように呼びかけだけで受け流す返し方もあり、作中の母娘のやりとりには、驚いて確かめる返し(Oh, really?)と呼びかけで受け流す返し(Oh, mom.)の両方が出てきます。
「This is just so much better for me」と今の選択を伝える
部屋に場所を移したあと、母の一言をきっかけに、レイチェルは自分の考えを話します。
Mrs. Green: You have some life here, sweetie.
(ここでなかなかの暮らしをしてるのね。)
Rachel: I know, and mom, I realize you and daddy were upset when I didn’t marry Barry and get the big house in the suburbs with all the security and everything but..
(分かってる。それでね、ママ、私がバリーと結婚しないで、郊外の大きな家とか安定とか全部手に入れなかったとき、ママとパパが動揺したのは分かってるの。でも……)
Rachel: God, this is just so much better for me, you know?
(もう、こっちのほうが私にはずっといいの、分かるでしょ?)
Mrs. Green: I do know.
(ええ、分かるわ。)
Mrs. Green: You didn’t love Barry, honey and I’ve never seen you this happy.
(あなたはバリーを愛してなかった。それに、あなたがこんなに幸せそうなのは見たことがないわ。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
I realize you were upset when ~ は、「〜のとき動揺していたのは分かっている」と相手の気持ちを先に認める前置きです。そのうえで but を挟み、This is just so much better for me. と自分の選択を伝えています。so much better は比較級を強める形で、for me を添えることで「自分にとっては」と範囲を絞った言い方になります。
母の I’ve never seen you this happy. は、「あなたがこんなに幸せそうなのは見たことがない」という意味です。this happy の this は「これほど」と程度を示す使い方で、目の前の様子と比べています。相手の気持ちを認めてから自分の考えを言う流れは、親との話し合いでも使える組み立て方です。
レイチェルの文は but.. で一度途切れ、言い直すように God, this is just so much better for me と続きます。前置きで相手の側の事情を言い切ってから、自分の側の結論へ移る順番になっています。
まとめ|ほめ言葉への返事と選択の伝え方
Who can tell? の軽口、I am just so proud of you. への Oh, really? という返事、そして I realize ~, but this is just so much better for me. という伝え方を見てきました。相手の言葉を受け止めてから自分の気持ちを返す流れが、母娘の会話にそろっています。
この母娘のやりとりを思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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