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『フレンズ』シーズン3第4話では、フィービーが俳優のジョーイのエージェント役を引き受け、オーディションの結果を本人に伝える立場になります。届くのは、残念な知らせばかりです。
不合格や断りの連絡は、伝える側も聞く側も言葉に迷うものです。結果を伝える一言、受け止める一言、そして助けてくれた相手に区切りをつける言い方を、二人のやりとりから見ていきます。
「I mean, you didn’t get it」結果を伝える側と受け止める側
この回の始まりで、フィービーはジョーイへの伝言を伝え忘れ、オーディションを逃させてしまいます。そこでフィービーはエージェントのふりをして電話をかけ、オーディションを取り付けます。ジョーイに頼まれて、さらにいくつかのオーディションも引き受けることになります。
モニカとレイチェルの部屋の前の廊下で、受けたテレビ映画の件で何か連絡はあったかとジョーイに聞かれ、フィービーはこう答えます。
Phoebe: Yes. They called. You didn’t get it. Okay? I mean, you didn’t get it. I’m sorry. I’m sorry.
(うん。電話があったの。落ちたわ。いい? つまり、ダメだったってこと。ごめんね。ごめん。)
Joey: That’s okay. These things happen.
(いいって。こういうこともあるさ。)
Friends Season3 Episode4(The One with the Metaphorical Tunnel)
You didn’t get it. の get は「(役や仕事を)手に入れる」で、オーディションや面接の結果を伝えるときの「落ちた」にあたります。フィービーは一度言ったあと I mean, で言い直し、I’m sorry. を重ねています。ここでの I’m sorry は謝罪というより、「残念だったね」と相手を気づかう言い方として読めます。
受け止める側のジョーイは That’s okay. と These things happen. で返します。These things happen. は「こういうこともある」と、起きたことを仕方のないものとして受け流す一言です。
このあとフィービーはエージェント役をやめると言い出し、ジョーイが引き止めます。厳しい評を聞かされたジョーイは、自分のエージェントのエステルについてこう話します。
Joey: You know, Estelle just says stuff like “They went another way,” but this– I can use this.
(ほら、エステルは「今回は別の方向でいくことになった」みたいなことしか言わないけど、これは……これは使えるんだよ。)
Friends Season3 Episode4(The One with the Metaphorical Tunnel)
They went another way. は、選ばれなかった理由を具体的に言わずに不採用を伝える言い方として、ジョーイが挙げています。理由がはっきりした評のほうが直すところが分かる、という受け止め方とも読めます。
「Okay, shoot」ダメ出しを聞くときの促し方
カフェのセントラルパークで、フィービーは新しく届いた結果をジョーイに伝えます。
Phoebe: Okay, so we got some more good rejections– lots of stuff to work on.
(じゃあ、またいい不合格がいくつか来たわよ。直すところがたくさん。)
Joey: Oh. Okay, shoot.
(おう。よし、言ってくれ。)
Phoebe: Okay. Um, oh, the zoo commercial.
(えっと。あ、動物園のCMね。)
Joey: I didn’t get it?
(落ちたのか?)
Phoebe: No. They said that you “weren’t believable as a human being.” So, you can work on that.
(うん。「人間として説得力がない」って。だから、そこを直せばいいのよ。)
Friends Season3 Episode4(The One with the Metaphorical Tunnel)
rejection は「不採用」「断り」を表す名詞です。フィービーは good rejections と、本来うれしくない知らせに good を付けて、直す材料になる不採用だという言い方をしています。lots of stuff to work on の work on ~ は「〜に取り組む」「〜を直していく」という句動詞で、you can work on that でも同じ形がくり返されます。
ジョーイの Okay, shoot. の shoot は「撃て」ではなく、「どうぞ言って」と相手に話を促す、くだけた言い方です。聞きにくい内容を、自分から受け止める姿勢を見せる一言です。
注目したいのは I didn’t get it? への返事です。否定の形で聞かれた質問に、フィービーは No. と答えています。英語では答えの中身が否定なら No を使うため、日本語の「うん、落ちた」がここでは No になります。否定の疑問文への答え方は、日本語の感覚とずれやすい部分です。
「I really appreciate this」感謝を伝えてから区切りをつける
さらに別の評を聞いたあと、ジョーイはこう切り出します。
Joey: Look, that’s okay. No, no, no. Really. Look, um, I really appreciate this, Pheebs but… I think I’m going to have to go back to Estelle.
(なあ、いいんだ。いやいや、ほんとに。なあ、その、すごく感謝してるよ、フィービー。でも……俺はエステルのところに戻らなきゃと思う。)
Friends Season3 Episode4(The One with the Metaphorical Tunnel)
I really appreciate this, but… は、相手のしてくれたことへの感謝を先に置き、そのあとに言いにくい話を続ける組み立てです。appreciate は「ありがたく思う」で、目的語に this を取って、相手の手助けそのものへのお礼になっています。I think I’m going to have to ~ は「〜しなきゃいけないと思う」と、決めたことを少しやわらげて伝える形です。I think と have to を重ねることで、言い切りの強さを抑えています。
フィービーは理解を示しますが、その直後、評の中身は作り話だったのではないかと問われ、こう答えます。
Phoebe: Ooh, you caught me. I am so busted.
(あら、ばれちゃった。完全にばれたわ。)
Friends Season3 Episode4(The One with the Metaphorical Tunnel)
You caught me. は「見破られた」、I’m busted. は「ばれた」と、隠していたことを認めるくだけた言い方です。so を入れた so busted で、言い逃れのできない状態を表しています。
まとめ|残念な知らせをやりとりする英語
結果を伝える You didn’t get it.、受け止める These things happen.、評を促す Okay, shoot.、直す点を表す work on、お礼を先に置く I really appreciate this, but… を見てきました。否定の疑問文への No の使い方も、あわせて押さえておくと安心です。
フィービーとジョーイのやりとりを観ていると、気まずい知らせを和らげる英語が見えてきます。
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