「set someone up」の意味と使い方|『BONES』S01E01で学ぶ英会話

set someone up

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

仕組まれた状況に気づいた瞬間、「これ、ハメられたな」と相手の意図を見抜いてしまうことが、ミステリーや刑事ドラマには時々あります。

そんなときにぴたりとはまる「set someone up」を、法医学サスペンス『BONES』シーズン1第1話「墓地の眠れぬ魂」の序盤、取調室でブレナンがブースの仕掛けに気づくシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「set someone up」の意味とニュアンス

set someone up
意味:(人を)ハメる / 罠にかける / 仕組んで追い込む

set up はもともと「(何かを機能させるために)組み立てる・準備する・設定する」という意味の句動詞だが、あいだに人を挟んで set someone up とすると、「その人が不利になるように、あらかじめ状況を仕組む」=「ハメる」という意味で使われることが多い。単なる偶然ではなく、意図的に準備された状況を指すのがポイントである。

刑事ドラマでは、「無実の人を犯人に仕立て上げる」「意図的にトラブルに巻き込む」といった、かなり強いニュアンスで登場する。ただし set someone up は文脈によって表情を変える表現でもあり、「(恋愛相手を)紹介する・引き合わせる」「(人のために)お膳立てする」というポジティブな意味になることもある。どの意味になるかは、前後の状況と話し手のトーンで決まる。

【ここがポイント!】

  • 核は「人が不利になるよう状況を仕組む」=「ハメる・罠にかける」
  • 偶然ではなく、意図的に準備された状況を指すのが効きどころ
  • 文脈次第で「紹介する」「お膳立てする」とプラスにも転ぶ、表情豊かな表現

『BONES』S01E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

物語の冒頭、グアテマラから帰国したばかりのブレナンは、自分の著書のファンだという空港の警備員に足止めされ、拘束されてしまいます。困惑する彼女の前に、不敵な笑みを浮かべたFBI捜査官ブースが現れる。一瞬で状況を察したブレナンが、鋭く言い放つのがこの一言です。

Booth: Let’s just grab your bags, click, click, clang, clang…
(さあ、荷物を持って。カチッ、カチャ……。)

Brennan: You set me up. You got a hold for questioning request from the FBI didn’t you?
(私をハメたわね。FBIから事情聴取の要請を受けていたんでしょう?)

Agent: I love this book.
(この本、最高だよ。)

Bones Season1 Episode1 (Pilot/墓地の眠れぬ魂)

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シーン解説と心理考察

ブレナンの「You set me up」には、状況を一気に読み解いた鋭さがにじみます。拘束、足止め、そしてブースの登場——ばらばらに見えた出来事が、ブースの段取りだったと一本につながる。その推理の速さが、彼女の人物像を最初の数分で見せています。

set someone up が「ハメる」の意味で使われるのは、相手の作為を見抜いて非難する文脈だからです。ブレナンが感じているのは、怒りというより「一本取られた」という冷静な認識。感情より事実を重んじる彼女らしい受け止め方が、この一言に表れています。警備員の「この本、最高だよ」というとぼけた返しが、足止めの仕組まれた事情をそっと裏づける一言として響きます。二人の一筋縄ではいかない関係が幕を開ける、知的な攻防の場面と言えます。

『BONES』流・覚え方のコツ

『BONES』のブースは、目的のためなら手段を選ばない強引な一面を持っている。今回の set me up は、ブレナンの知性に敬意を払いつつも、彼女を自分の側に置こうとするブースの「FBIらしい手口」を指している。

空港で不意に足止めをされ、背後からニヤリと現れるブースの姿を思い浮かべてみるとよい。舞台の書き割りを先に組み立てておく裏方のように、ブースは「彼女のファンの警備員」という装置をあらかじめ配置していた。相手の意図に気づいたときの「一本取られた!」という感覚と一緒に覚えると、このフレーズの持つ鋭さが記憶に定着する。組み立てる対象が人になった瞬間、それが罠になる——その絵で押さえておきたい。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「set someone up」

「ハメる」だけでなく、文脈で意味が変わるのがこの表現の面白さです。3つの例文で、その幅を体感していきましょう。

I can’t believe you set me up! I looked so foolish.
(私をハメたわね! おかげで大恥をかいたわ。)
いたずらを仕掛けられたり、面倒な役目を押し付けられたりしたときの、少し強めの抗議です。

He claims that the police set him up.
(彼は、警察にハメられたと主張している。)
ニュースや法廷ドラマでよく耳にする、自分の無実を訴える言い回しです。受け身の set him up で「ハメられた」と表現されています。

A: How did you two meet?
B: My sister set me up on a blind date.
(A:二人はどうやって出会ったの?)
(B:姉がブラインドデートをお膳立てしてくれたの。)
こちらはポジティブな使い方です。同じ set someone up でも、出会いを問う質問への答えに置かれると、「ハメる」とは正反対の「引き合わせる」意味にきれいに転びます。

あわせて覚えたい関連表現

frame someone
(無実の人に罪をなすりつける)
set someone up よりさらに犯罪的なニュアンスが強く、「冤罪を仕組む」という文脈で使われます。証拠の捏造などを含む、より重い行為を指します。

trick someone into …
(だまして〜させる)
言葉巧みに相手を誘導して、何かをさせるときの表現です。set someone up が「状況を仕組む」のに対し、こちらは「言葉でだます」点に焦点があります。

arrange something
(〜を手配する / 整える)
set up のポジティブな意味(お膳立て)に近い、よりフラットで丁寧な言い方です。罠のニュアンスはなく、純粋に「段取りを整える」ことを表します。

Note|なぜ「set up」が「ハメる」になるのか

「set someone up」を初めて見たとき、「テントを set up する」のような素朴な使い方を知っていると、「ハメる」という物騒な意味がなぜそこから出てくるのか、不思議に感じるかもしれません。なぜ set up が「ハメる」になるのか——その道筋をたどると、英語の動詞が持つイメージの広がりが見えてきます。

set up の根っこには、「(何かを機能させるために)組み立てる・準備する」という意味があります。テントを設営するのも、パソコンの初期設定をするのも、会社を立ち上げるのも set up です。共通しているのは、「あるものがうまく働くように、前もって全体を組み立てておく」という動作です。この「前もって組み立てておく」という核が、人間関係に応用されると意味が一歩進みます。「相手がこちらの思いどおりに動くよう、あらかじめ周囲の状況を組み立てておく」——つまり「ハメる・仕組む」という心理的な意味合いに発展するわけです。組み立てる対象が、物から人へ移ったとき、中立的だった set up に「意図的に追い込む」という色がつきます。そして、その組み立ての目的が「相手を陥れること」なら「ハメる」に、「相手によい出会いを用意すること」なら「紹介する」になります。同じ「組み立てる」手つきが、目的によって正反対の意味に振れるのが面白いところです。

ブースがブレナンの愛読者である警備員を「配置(set up)」したのも、まさに彼女を足止めするための「装置」を組み立てたようなものでした。テントを張るのも、人をハメるのも、根っこには同じ「組み立てる」イメージがある——そう捉えると、この表現の成り立ちがすっと腑に落ちます。

ひとつの動詞のイメージが、物から人へと広がっていくのですね。

まとめ|「組み立てる」が人に向かうと「ハメる」

「set someone up」は、誰かが不利になるように状況を仕組む「ハメる・罠にかける」を中心に持ちながら、文脈次第で「紹介する」「お膳立てする」とプラスにも転ぶ、表情豊かな表現である。土台にある set up の「組み立てる・準備する」という核が、人間関係に応用されて意味を広げている。

刑事ドラマでは「ハメる」、日常会話では「お膳立てする」——意味を一つに固定せず、前後の状況と話し手のトーンから読み取る姿勢が身につくと、英語の会話がぐっと立体的に見えてくる。

舞台のセットを先に組んでおく裏方の手つきを思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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