海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
本日は、ミステリーや刑事ドラマではお馴染みの、少し刺激的なフレーズをご紹介します。
『BONES -骨は語る-』シーズン1・第1話(Pilot)から、set someone up です。
物語の冒頭、グアテマラから帰国したばかりのブレナンは、なぜか空港の警備員に拘束されてしまいます。
「なぜ私が?」と困惑する彼女の前に現れたのは、不敵な笑みを浮かべたFBI捜査官のブース。
一瞬で状況を察したブレナンが、ブースに向かって鋭く放つこの一言。
二人の「一筋縄ではいかない関係」が幕を開ける名シーンです。
実際にそのシーンを見てみよう!
BOOTH: Let’s just grab your bags, click, click, clang, clang… (さあ、荷物を持って。カチッ、カチャ……)
TEMP: You set me up. You got a hold for questioning request from the FBI didn’t you? (私をハメたわね。 FBIから事情聴取の要請を受けていたんでしょう?)
AGENT: I love this book. (この本、最高だよ。)
BONES, Season 1 Episode 1 (Pilot)
自分が書いた本のファンだという警備員に足止めを食らっていたブレナン。
実はそれこそが、彼女を足止めして強引に捜査協力を取り付けようとしたブースの「罠」でした。
「ハメられた!」と気づいた瞬間のブレナンの冷ややかな表情と、それをどこ吹く風で受け流すブース。
このフレーズは、そんな二人の知的な攻防戦を象徴しています。
フレーズの意味とニュアンス
set someone up
意味:
- 「誰かをハメる」
- 「罠にかける」
- 「仕組んで追い込む」
直訳すると「誰かを設置する」ですが、会話では相手が不利な状況に陥るよう、あらかじめ仕組むという意味で使われます。
特に刑事ドラマでは、「無実の人を犯人に仕立て上げる」「意図的にトラブルに巻き込む」といった、かなり強いニュアンスで登場することが多い表現です。
ニュアンス: set someone up は、単なる偶然ではなく、意図的に準備された状況を指します。
ニュアンスは主に3つあります。
- 相手を罠にかける・だます
- 不利な立場に追い込む
- (文脈次第で)良い意味でお膳立てする
『BONES』のこの場面では、ブースがブレナンを強引に捜査へ引き込むために、周囲の人間と状況を“配置した”ことがポイント。
ブレナンが感じたのは怒りというより、「一本取られた」という冷静な認識です。
実際に使ってみよう!
I can’t believe you set me up! I looked so foolish.
(私をハメたわね!おかげで大恥をかいたわ。)
サプライズのいたずらを仕掛けられたり、面倒な役目を押し付けられたりした時に使える、少し強めの抗議です。
He claims that the police set him up.
(彼は、警察にハメられた(罠に掛かった)と主張している。)
ニュースや法廷ドラマでよく耳にする、自分の無実を訴える際の定番の言い回しです。
My sister set me up on a blind date.
(姉がブラインドデートをお膳立てしてくれたの。)
こちらはポジティブな使い方。誰かと誰かを引き合わせるという意味での「セットアップ」です。
BONES流・覚え方のコツ
『BONES』のブースは、目的のためなら手段を選ばない強引な一面を持っています。
今回の set me up は、ブレナンの知性に敬意を払いつつも、彼女をコントロール下に置こうとするブースの「FBIらしい手口」を指しています。
「空港で不意に足止めをされ、背後からニヤリと現れるブースの姿」をイメージしてみてください。
相手の意図に気づいた時の「一本取られた!」という感覚と一緒に覚えると、このフレーズの持つ鋭さが記憶に定着しますよ。
似た表現・関連表現
- Frame someone 「(無実の人に)罪をなすりつける」
set someone up よりもさらに犯罪的なニュアンスが強く、「冤罪を仕組む」という文脈で使われます。 - Trick someone into 〜 「誰かをだまして〜させる」
言葉巧みに相手を誘導して、何かをさせる時に使われる表現です。 - Arrange something 「〜を手配する、整える」
set up のポジティブな意味(お膳立て)に近い、よりフラットで丁寧な表現です。
深掘り知識:なぜ「Set up」が「ハメる」になるの?
set up という言葉の根底には「(何かを機能させるために)組み立てる、準備する」という意味があります。
例えば、テントを設営したり、パソコンの初期設定をしたりするのも set up ですよね。
それが人間関係に応用されると、「相手がその通りに動くように、あらかじめ周囲の状況を組み立てておく」=「ハメる・仕組む」という心理的な意味合いに発展したのです。
ブースがブレナンの愛読者である警備員を「配置(set up)」したのも、まさに彼女を捕まえるための「装置」を組み立てたようなもの。
英語の動詞のイメージの広がりを感じる、興味深い表現ですね。
まとめ|「SET SOMEONE UP」で心に余白を
- set someone up は「仕組んで追い込む」という意味
- 刑事ドラマでは「ハメる」「罠にかける」が基本
- 日常会話では「紹介する」「お膳立てする」意味もある
『BONES』では、このフレーズがブレナンとブースの力関係、そして知的な緊張感を一気に描き出します。
相手の策略に気づいたとき、ブレナンのように冷静に言い放つと、英語表現もぐっとドラマチックになりますよ。


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