海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
本日は、相手のプライベートな問題や、自分の権限を超えた事柄に対して「私が口を出すことではない」と一線を引く、非常に控えめで知的な表現をご紹介します。
『BONES -骨は語る-』シーズン1・第2話「車の中の遺体(The Man in the S.U.V.)」から、it’s not my place です。
爆発事故で亡くなったハミードの兄、ファリードに聞き込みを行うブース。家族間に何かトラブルがなかったかを探ろうとしますが、ファリードは口を閉ざします。
身内のデリケートな問題に対し、彼が放った「沈黙の理由」に注目してみましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
BOOTH: Sahar mentioned that there was some…uh… family problems? (サハールが、その……家族に何か問題があったと言っていたんだが?)
FARID: Yes. (ああ。)
BOOTH: I can understand how, uh, delicate it can be. (それがどれほど繊細な問題かは理解できるよ。)
FARID: Did she tell you anymore then that? (彼女はそれ以上のことを話したのか?)
BOOTH: No, but I mean, if you have any other information that could help us in the investigation? (いや。だが、捜査の助けになるような情報が何かあればと思ってね。)
FARID: It’s not my place. (私が口を出すべきことではない。)
BOOTH: We’re just trying to find out who killed your brother. (我々はただ、君の弟を殺した犯人を見つけたいだけなんだ。)
BONES, Season 1 Episode 2 (The Man in the S.U.V.)
家族の秘密や内情を知っていながらも、「それは私が話すべきことではない」「自分の役割ではない」と一線を引くファリード。
it’s not my place という言葉には、相手への配慮や、あるいは自分と問題との間の明確な「境界線」を守ろうとする意志が込められています。
フレーズの意味とニュアンス
it’s not my place
意味:
- 「私が口を出すことではない」
- 「私が言うべき立場にない」
- 「私の出る幕ではない」
ある事柄について意見を言ったり、情報を明かしたりすることが、自分の役割や権限、あるいは立場(place)にふさわしくないと感じる時に使われる表現です。
ニュアンス: it’s not my place は、単に「知らない」のではなく、以下のようなニュアンスを含みます。
- 謙虚・遠慮:差し出がましいことは言いたくないという控えめな態度。
- 責任の回避:自分に決定権や発言権がないことを強調する。
- プライバシーの尊重:当事者以外の人間が他人の秘密を語るべきではないという倫理観。
『BONES』のこの場面では、ファリードが家族の不名誉な部分、あるいは極めて個人的な確執について「第三者である私からは話せない」と、情報の拒絶をこのフレーズで表現しています。
実際に使ってみよう!
I have an opinion on their marriage, but it’s not my place to say anything.
(彼らの結婚生活について思うことはあるけれど、私が口を出すことじゃないわ。)
友人の家庭事情などに口を挟みたいけれど、ぐっと堪えるときの知的な表現です。
It’s not my place to criticize her work; you should talk to her manager.
(彼女の仕事を批判するのは私の立場ではありません。マネージャーに話すべきです。)
仕事上で、自分の管轄外のことに対して安易なコメントを避ける際に非常に便利な言い回しです。
I know why they broke up, but it’s not my place to tell you.
(なぜ彼らが別れたか知っているけど、私があなたに話すべきことじゃないわ。)
共通の知人の秘密を聞かれたとき、相手のプライバシーを守りつつスマートに断る方法です。
BONES流・覚え方のコツ
ドラマの中のファリードは、弟を失った悲しみの中にありながら、家族としての「誇り」や「序列」を重んじています。
place(場所・立場)という言葉には、そのコミュニティの中での「自分の立ち位置」という意味が含まれています。
「そこは私の立ち入っていい領域(場所)ではない」という心理的な境界線をイメージしてみてください。
「土足で踏み込まない」というマナーを感じさせるフレーズとして覚えると、大人な英語表現として身につきますよ。
似た表現・関連表現
- None of my business 「私には関係ない」「余計なお世話だ」
it’s not my place よりも突き放した言い方で、自分には関わりがないことを強調します。 - Not my call 「私が決めることではない」
判断や決定を下す権限が自分にはないことを伝えるビジネスライクな表現です。 - Stay in my lane 「自分の領域を守る(余計なことに首を突っ込まない)」
最近よく使われるスラング寄りの表現で、自分の本分を全うし、他人のことに干渉しない姿勢を指します。
深掘り知識:ファリードが守ろうとしたもの
今回のシーンで、ブースは「弟を殺した犯人を見つけたい」という正義を盾に質問を重ねますが、ファリードにとっての正義は、FBIに協力することよりも「家族の尊厳を守る」ことにあったのかもしれません。
It’s not my place. という一言は、時に「これ以上踏み込んでくるな」という拒絶のサインにもなります。
言葉の意味以上に、その裏にある**「沈黙することで守りたいもの」**があるという文脈。こうした心の機微を読み取れるようになると、海外ドラマの鑑賞も、そして実際のコミュニケーションもさらに深まりますね。
まとめ|「It’s not my place」でスマートに一線を引く
- it’s not my place は「私が口を出すべきではない」という意味
- 自分の立場や権限をわきまえ、控えめな態度を示すときに使われる
- 他人のプライバシーを守ったり、余計なトラブルを避けたりするのに有効
『BONES』では、このフレーズが事件に関わる人物たちの複雑な背景や、家族の絆の裏表を描き出すスパイスとなっています。
皆さんも、もし「これは自分が言うべきじゃないな」と感じる場面に遭遇したら、このフレーズを使ってスマートに境界線を引いてみてくださいね。


コメント