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今回は『BONES』シーズン8第14話のセリフから、少しユーモアを交えながら「全力でぶつかってみる」という姿勢を表すフレーズ「give it the old college try」をご紹介します。
見込みが薄くても、ダメ元で一生懸命やってみる——そんな場面で使えると会話がぐっと豊かになります。
実際にそのシーンを見てみよう!
実習生のウェンデルが、発見された骨の損傷を次々と分析していくシーンです。
明日が29歳の誕生日だと話していたウェンデルに、ホッジンズが少しふざけたトーンで声をかけます。
Wendell: There’s a fracture to the left nasal bone and three missing front teeth.
(左の鼻骨に骨折があり、前歯が3本欠損しています。)Hodgins: Wow, giving it the old college try on the brilliance. I admire your pluck.
(おや、優秀さをアピールしようと全力で頑張ってるね。その気迫、称賛するよ。)Wendell: Taken as a whole, the antemortem injuries are consistent with domestic abuse.
(全体的に見て、生前の傷はドメスティック・バイオレンスと一致します。)Saroyan: Dr. Hodgins is just complimenting you on your fine work.
(ホッジンズ博士はあなたの素晴らしい仕事を褒めているだけよ。)BONES Season8 Episode14(The Doll in the Derby)
シーン解説と心理考察
明日が29歳の誕生日というウェンデル。
エピソードの中で「大した節目じゃない」とクールに言い放ちながらも、ラボでは真剣に骨格分析を続けます。
そんなウェンデルの真面目な仕事ぶりを見て、ホッジンズがユーモアを交えて「優秀さを全力でアピールしているね」と声をかけます。
真剣に分析しているウェンデルには、それがからかいなのか褒め言葉なのかピンと来なかったのか、そのまま分析を続けます。
すかさずカムが「彼はあなたの素晴らしい仕事を褒めているのよ」とフォローを入れる、ほほえましい一幕です。
ホッジンズらしい大人の余裕とユーモアが、シリアスな捜査の場に小さな温かさを添えています。
「give it the old college try」の意味とニュアンス
give it the old college try
意味:(見込みが薄くても)全力でやってみる、ダメ元で挑戦する、ベストを尽くす
直訳すると「古き良き大学のトライをする」となります。
1930年代頃のアメリカの大学スポーツ、特にフットボールや野球において、劣勢に立たされたチームに「最後まで諦めずに全力でぶつかれ!」と応援する際のスローガンから生まれた表現です。
現代ではスポーツに限らず、「結果はどうあれ、とにかく全力でぶつかってみる」「玉砕覚悟で一生懸命やる」というポジティブなニュアンスで使われます。
【ここがポイント!】
このフレーズのコアイメージは「大学スポーツ選手のような、損得抜きの純粋な情熱とガッツ」です。
“old”(古き良き)という言葉が入っているように、少し懐かしみのある語感を持つ表現です。
現代のネイティブがこのフレーズを使う時は、「あえて古めかしい言い回しを使うことでユーモアを出す」という意図が含まれることが多く、笑いや親しみを込めた言い方として定着しています。
真顔で使うこともできますが、少し茶目っ気を出したい場面でこそ光るフレーズです。
実際に使ってみよう!
I probably won’t get the job, but I’ll give it the old college try.
(たぶん採用されないだろうけど、ダメ元で全力でやってみるよ。)
合格する見込みが薄くても「結果はともかくベストを尽くす」という決意を語る時の定番の形です。
The opponent team is much stronger, but let’s give it the old college try!
(相手チームの方がずっと強いけれど、当たって砕けろで全力でぶつかろう!)
劣勢な状況でもチームの士気を高め、前向きなチャレンジを促す時に効果的なフレーズです。
I know nothing about fixing cars, but I’ll give it the old college try.
(車の修理なんて全く分からないけど、とにかく一生懸命やってみるよ。)
未経験のことや全く自信がないことに対して、ハードルの高さを認めつつも挑戦する姿勢を示すことができます。
『BONES』流・覚え方のコツ
真面目に骨格分析を続けるウェンデルを見て、ホッジンズがあえて「大学スポーツのノリ」に例えてユーモアたっぷりに褒める——このシーンを思い浮かべてみてください。
“old”(古き良き)という言葉が入ったこのフレーズは、少し大げさで懐かしい熱量を意図的に出すためのものです。
「ダメ元でもガッツを見せる、純粋な挑戦の姿勢」と「あえて古風な言い回しでユーモアを出す」——この二つのニュアンスをセットで覚えておくと、使いどころがぐっと見えやすくなります。
似た表現・関連表現
give it one’s best shot
(ベストを尽くす、全力でやってみる)
“give it the old college try” と同じく「全力で挑戦する」という意味ですが、こちらの方がより一般的で現代的な表現です。日常会話で最も頻繁に使われます。
go all out
(全力を尽くす、一切の手加減をしない)
持てるリソースを「すべて出し切る」というニュアンスが強い表現です。イベントやパーティーを盛大に行う際などにもよく使われます。
a long shot
(成功の見込みが薄いこと、大穴)
的から遠く離れた場所から撃つ(long shot)ことから生まれた表現です。”It’s a long shot, but…”(見込みは薄いけれど…)と前置きをして挑戦を宣言する際によく使われます。
深掘り知識:スポーツから生まれた英語の慣用表現たち
“give it the old college try” のように、アメリカのスポーツ文化(特に野球やフットボール)から日常会話に定着したイディオムは数多く存在します。
例えば “step up to the plate”(打席に立つ=責任を引き受ける、行動を起こす)や、”drop the ball”(ボールを落とす=ミスをする、責任を果たすのを怠る)などは、ビジネスシーンでも毎日のように耳にする定番フレーズです。
また、”touch base”(塁に触れる=連絡を取る、状況を確認する)という表現も、社内での進捗確認などで非常によく使われます。
アメリカ社会におけるスポーツの影響力の大きさが、言葉の端々から感じられますね。
こうした文化的背景を知ると、一見難しそうなイディオムも具体的なイメージとともに頭に入ってきやすくなります。
まとめ|見込みが薄くても全力でぶつかってみよう!
今回は『BONES』のセリフから、少し難易度の高い課題にも果敢に挑戦する「give it the old college try」をご紹介しました。
成功が約束されていなくても「とにかく全力でやってみる」という姿勢を、古風でユーモラスな言い回しで表現できるこのフレーズ。
ガチで使うこともできれば、ホッジンズのように笑いを込めて使うこともできる、懐の深い表現です。
「大学スポーツ選手のガッツ」というイメージとともに、記憶の引き出しにしまっておいてください。


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