海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン11第7話より、ネイティブの日常会話でよく耳にする感情表現「a bunch of bull」をご紹介します。
「それ絶対ウソでしょ!」と思わずツッコミたくなる瞬間、ありますよね。
実際にそのシーンを見てみよう!
事件解決後、ブースとブレナンの会話シーンです。
容疑者のマジシャン、レニー・ジェイを自白に追い込んだブレナンの巧妙な手口について、ブースが笑いながらツッコミを入れています。
Booth: Come on. The frequency of luminescence? Even I knew that was a bunch of bull you fed Lenny Jay.
(おいおい。発光の周波数だって?レニー・ジェイに吹き込んだあれが完全なでたらめだってことくらい、俺にだって分かったぞ。)Brennan: In the time it takes to get a DNA sample from that lock, he could have prepared a different story.
(あの錠前からDNAサンプルを採取する時間を待っていれば、彼は別の言い訳を用意できたはずよ。)Brennan: I thought it was best to confront him when his guard was down.
(彼が油断している時に問い詰めるのが最善だと思ったの。)Booth: You tricked him. Just say it, you little devil, say it. You tricked the magician.
(彼を騙したんだろ。言っちゃえよ、この小悪魔め、認めろよ。君はマジシャンを引っかけたんだ。)Bones Season11 Episode7(The Promise in the Palace)
シーン解説と心理考察
天才法人類学者であり、常に客観的な事実と科学的根拠のみを重んじるブレナン。
そんな彼女が、容疑者から自白を引き出すために「発光の周波数(The frequency of luminescence)」というもっともらしい専門用語をでっち上げ、相手を完全に騙したという非常に痛快なシーンです。
長年の相棒であり夫でもあるブースは、彼女の口から出たでたらめにすぐさま気づき、「お前、マジシャンを引っかけたな!」と嬉しそうに指摘しています。
普段は「嘘をつくのは非論理的だ」と真面目すぎるブレナンが心理戦を見事に制したことへの驚きと、「Occasionally, a touch of deception goes a long way.(時には、ちょっとしたごまかしが役に立つこともあるわ)」と涼しい顔で応えるブレナンの成長ぶりに、長年このドラマを見てきたファンなら思わず頬が緩むはずです。
「a bunch of bull」の意味とニュアンス
a bunch of bull
意味:完全なでたらめ、嘘っぱち、ばかばかしいこと
「bull」は本来「雄牛」という意味を持つ単語ですが、スラングにおいては「bullshit(でたらめ、たわごと)」の省略形として頻繁に使われます。
「bullshit」は放送禁止用語に近いやや下品な響きがあるため、テレビドラマや公共の場、または日常的な会話の中では、このように「bull」と短縮してマイルドに表現されることが一般的です。
そこに「ひと束の、たくさんの」という意味を持つ「a bunch of」が組み合わさることで、「山のようなでたらめ=完全な嘘っぱち」という意味になります。
相手が明らかにおかしな言い訳をしている時や、到底信じられないような話を聞かされた時に、「そんなの嘘だ!」「ばかばかしい!」と感情を込めて指摘する際によく登場する、とてもネイティブらしい実用的な表現です。
【ここがポイント!】
このフレーズを使う際にぜひ知っておきたい感覚は、「相手の言葉に対する強い呆れと否定」です。
単に「それは嘘だ(That’s a lie.)」と事実を淡々と指摘するよりも、「よくもまあ、そんなでたらめを並べ立てたものだ」という感情的な反発やツッコミの要素がたっぷり含まれています。
親しい友人同士で「またそんな適当なこと言って!」と冗談めかして笑い合う時や、明らかに理不尽な言い訳に対して憤りを感じている時など、心が大きく動いた瞬間に使われることが多いのが特徴です。
実際に使ってみよう!
Don’t listen to him. Everything he just said is a bunch of bull.
(彼の言うことなんて聞かなくていいよ。今彼が言ったことは全部でたらめだから。)
相手の発言を「全く信じるに値しない」とバッサリ切り捨てる時の定番の言い回しです。
根拠のない噂話や信憑性のない情報に対して、周囲に注意を促す際にも使えます。
I bought this expensive software, but their claims about making you rich quickly were just a bunch of bull.
(この高価なソフトウェアを買ったのに、すぐに金持ちになれるという彼らの謳い文句は完全な嘘っぱちだったよ。)
誇大広告や詐欺まがいの話に騙されてしまった時の、怒りや後悔を表す文脈です。
期待を大きく裏切られた「ばかばかしい話だった」という悔しいニュアンスがよく出ていますね。
He told me he was late because of a flat tire, but I know that’s a bunch of bull.
(彼はパンクのせいで遅刻したって言ってたけど、それがでたらめだってことは分かってるんだ。)
相手の見え透いた言い訳を見破っている時に使うパターンです。
ドラマのブースのように「嘘だと分かってるぞ」と指摘するシーンでとても自然に活躍します。
『BONES』流・覚え方のコツ
普段は事実しか口にしないブレナンが、マジシャンである容疑者を引っ掛けるために真顔で「発光の周波数が…」と謎の科学用語を並べ立て、それをブースに「a bunch of bull(でたらめだ!)」と嬉しそうにツッコミを入れられるシーンを思い浮かべてみましょう。
真面目な顔をして平然と嘘をつくブレナンの姿と、それを「you little devil(この小悪魔め)」と笑うブースの声を結びつけると、フレーズの持つ「呆れつつも愛情を込めて否定する感情」が自然と定着しますよ。
似た表現・関連表現
nonsense
(無意味なこと、ばかげたこと)
「a bunch of bull」が「意図的な嘘やでたらめ」に対する怒りや呆れを含みやすいのに対し、「nonsense」は単に「論理が破綻している」「意味不明だ」という客観的な事実を指摘する際によく使われます。
make up
(でっち上げる、作り上げる)
「でたらめ」という名詞の表現ではなく、「彼がその話をでっち上げた(He made up the story.)」のように、嘘を作り上げるという「行為」そのものを表す際によく登場する実用的な句動詞です。
tall tale
(大げさな話、信じがたいほら話)
「a bunch of bull」のような強い非難のトーンは少なく、例えばおじいちゃんが子供に語るような「ちょっと盛った面白い冒険話」といった、娯楽性のある嘘や大げさな話に対して使われる表現です。
深掘り知識:動物由来の英語表現と「bull」の意外なルーツ
「bull」が「でたらめ」を意味するようになった背景には、いくつかの興味深い説があります。
一つは、皆さんもよくご存知の通り「雄牛の排泄物(bullshit)」から派生したという説です。
役に立たないもの、価値のないものというニュアンスから「でたらめな言葉」へと変化していきました。
しかし言語学的には、さらに古い時代から似たような言葉が存在していたとも言われています。
例えば、古フランス語で「詐欺」や「ペテン」を意味する「bole」や、中世英語で「嘘」や「偽り」を意味する「bull」という単語です。
これらが長い歴史の中で、動物の雄牛のイメージと混ざり合い、現在の「強い否定」を表すスラングとして定着していったと考えられています。
ちなみに、英語には動物を使った表現がたくさんあります。
例えば「bullheaded」と言えば「雄牛のように頑固な」という意味になりますし、「pigheaded(豚のように頑固な)」という似た表現もあります。
動物が持つ荒々しいイメージと、言葉の歴史的なルーツが交差して生まれた表現だと考えると、単なるスラングにも奥深さを感じられますね。
まとめ|感情を乗せた表現で会話を豊かに
今回は『BONES』の微笑ましい掛け合いから、「a bunch of bull」の意味とニュアンスをご紹介しました。
見え透いた嘘や理不尽な言い訳に対して、「そんなでたらめな!」と感情を乗せて伝えられるとても便利なフレーズです。
ブースのように、呆れつつも愛情を込めたツッコミとして使えるようになると、英語の会話がぐっと生き生きとしてきます。
海外ドラマのセリフを真似して、口に出す練習からはじめてみてください。
次回のエピソードもお楽しみに!

