海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「夕食に間に合わない」を英語でどう言う?
「make dinner」 というひと言で、予定に間に合わない状況をネイティブらしくスマートに伝えられます。「make=作る」のイメージから一歩踏み出してみましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
気になっている産婦人科医のポールとの夕食デートを楽しみにしていたカム。
ところが彼の患者が急に産気づき、病院で5時間待ち続けることに。
疲れ果てたカムが、ついに帰る決意を告げる場面です。
Cam:Oh, I should go. I don’t think we’re gonna make dinner.
(ああ、もう帰るわ。夕食には間に合わないと思うし。)Paul:She’s almost done.
(もうすぐ終わるんだ。)Cam:It’s… really late.
(もう…すごく遅い時間よ。)Paul:Right.
(そうだな。)Cam:And I’ve been waiting for five hours.
(それに、私は5時間も待っているわ。)Bones Season6 Episode12(The Sin in the Sisterhood)
シーン解説と心理考察
「もうすぐ終わるから」と引き留めるポールに対し、カムは冷静に「夕食には間に合わない」と告げます。
ここでの make dinner は「夕食を作る」ではなく、「約束していた夕食に間に合う・参加できる」という意味で使われています。
多忙なプロフェッショナル同士だからこそ生じる、大人の恋愛のすれ違い。
5時間待ちながら、それでも感情をぶつけずに静かに帰ろうとするカムの姿が切なくて、見ていてじんと来るシーンです。
「make dinner」の意味とニュアンス
make dinner
意味:夕食に間に合う、夕食(の予定)に参加できる
make といえば「作る」が真っ先に浮かびますが、ネイティブの日常会話では「特定の場所・時間にたどり着く」「予定や時間に間に合う」という意味で非常によく使われます。
今回の make dinner も、キッチンで料理をするわけではなく、事前に約束していた夕食というイベントに「間に合う・到達する」 というニュアンスです。
「I can make it.(間に合うよ・都合がつくよ)」という表現を聞いたことがあるかもしれません。
その it の部分に具体的なイベント(dinner / flight / meeting など)を直接入れた形が、今回のフレーズです。
急な仕事・交通渋滞・予定の変更など、日常のあらゆる場面で「〜に間に合わない」を伝えられる、実用性の高い表現です。
【ここがポイント!】
make を「間に合う・参加できる」という意味で使うとき、そこには「何らかの困難を乗り越えて目標に到達する」というコアイメージがあります。
たとえば、こんな対比を意識してみましょう。
・“The train arrived.”(電車がホームに入った)→ 客観的な事実
・“I made the train.”(走ってなんとか電車に乗れた)→ 努力と達成感が宿る
「たどり着けた・間に合えた」という達成感が make には宿っているのです。
カムのセリフも、単に時間が遅くなっただけでなく「これ以上待っても、約束の夕食というゴールにはたどり着けない」という諦めの気持ちが込められています。
実際に使ってみよう!
I’m stuck in a meeting. I don’t think I’ll make dinner tonight.
(会議が長引いて抜け出せないの。今夜の夕食には間に合わないと思う。)
仕事の都合でどうしても参加できない状況を伝えるリアルな表現です。「I don’t think…」とクッションを置くことで、申し訳ない気持ちが柔らかく伝わります。
We have to leave right now, or we won’t make the flight.
(今すぐ出発しないと、飛行機に間に合わないよ!)
出発時刻が迫っている緊迫した場面で大活躍します。dinner を flight に替えるだけで、さまざまな予定に応用できます。
I’m so glad you could make my wedding despite your busy schedule.
(忙しいスケジュールの中、私の結婚式に来てくれて本当に嬉しい。)
ポジティブな場面での使い方です。「時間を調整して来てくれた」という努力への感謝が自然に込められています。
『BONES』流・覚え方のコツ
コートを羽織って帰ろうとするカムの切ない表情を思い浮かべてみてください。
「夕食の約束」というゴールに向かって5時間粘ったけれど、ついに「I don’t think we’re gonna make dinner.(もうたどり着けない)」と諦める瞬間です。
「make=作る」という直訳を一旦忘れて、「困難を乗り越えてゴールに到達する」 というイメージをこのシーンとセットで記憶に刻んでみましょう。
似た表現・関連表現
make it
(間に合う・都合がつく)
make dinner が具体的な予定を明示するのに対し、こちらは文脈から何に間に合うかが分かっているときに使う包括的な表現です。日常会話では最も頻繁に登場します。
miss dinner
(夕食を逃す・参加しそこなう)
make の対義語として機能します。間に合わなかった、または参加できなかったという残念な事実をそのまま伝えるときに使われます。
show up
(姿を現す・やって来る)
make が「努力して到達するプロセス」を含むのに対し、こちらは単にその場に現れたという事実にフォーカスします。
深掘り知識:なぜネイティブは「arrive」を使わないの?
「間に合う・到着する」という意味では、学校英語で arrive や attend(出席する) を習いますよね。
しかしネイティブのカジュアルな会話では、圧倒的に make が好まれます。
その理由は言葉の「温度感」の違いにあります。
arrive や attend は客観的で少し硬い響きを持ちます。
・“The train arrived on time.”(電車が定刻通りに着いた)→ 時刻表通りの事実
・“I attended the meeting.”(会議に出席した)→ 公式な記録のような響き
一方で make には、努力や体温が滲み出ています。
・“I made the train.”(走ってなんとか乗れた)→ 必死さと達成感
・“I made the meeting.”(なんとか間に合った)→ スケジュールをやり繰りした感覚
単語ひとつ選び取るだけで、状況の切実さや相手への思いやりが伝わるのが英語の面白さです。
まとめ|「間に合う」を使いこなして大人の余裕を
make dinner は、「作る」という基本の意味から一歩踏み出したところに、ネイティブのリアルな時間感覚が詰まっている表現です。
日常のちょっとした遅刻の連絡から、大切なイベントへの参加まで、幅広く使えるのが魅力です。
dinner の部分を flight や meeting に替えるだけで応用が広がるこの表現、次に予定が重なってしまいそうなとき I can’t make it. が自然と口をついて出るようになったとき、英会話の新しい扉がひとつ開きます。

