海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES -骨は語る-』S03E10では、森の泥泉から見つかった遺体が、硫黄に覆われた異様な姿で捜査を始めさせます。ブースやレニーが決まり文句をそのまま武器のように使いこなす一方で、ブレナンは同じ言い回しを字義どおりに読み替えてしまいます。表現を自在に使う人と、その中身を分解して受け止め直す人の落差が印象的な回です。
あらすじ(ネタバレなし)
森の熱い泥泉で発見された遺体は、長い時間を経たように見えました。硫黄による骨の変化を調べるうちに、被害者の身元と事件の背景が少しずつ明らかになります。事件の捜査と並行して、ブースとブレナンは仕事の外で過ごす時間を意識するようになり、スイーツは二人の距離を心理学の言葉で読み取ろうとします。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. the hell ~
相手から「〜できないだろう」と否定されたとき、その否定を打ち消して強く言い返す形です。
Tim: The hell I don’t!
(そんなわけないだろ!)
短い反論でも、hell が入ることで感情の強さが加わります。→ 詳しく読む
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
2. swear ~ to secrecy
「〜に秘密を守ると誓わせる」という意味です。秘密を他人へ漏らさないよう約束させる場面で使います。
Tim: A friend of mine told me about this place and swore me to secrecy.
(友人がこの場所を教えてくれて、秘密を守るよう誓わせた。)
秘密の出どころだけでなく、誰に守らせたのかまで一語で表せる表現です。→ 詳しく読む
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
3. bring it on
「かかってこい」「受けて立つ」という意味です。挑戦や勝負を恐れず受け入れる姿勢を表します。
Booth: Bring it on, Sweets.
(かかってこい、スイーツ。)
分析を続けるスイーツに向けて、挑発を正面から受けて立つと宣言する一言で、相手の分析を茶化しつつ余裕を見せる言い方です。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
4. get lost
「消え失せろ」「あっちへ行け」という意味です。相手を強く追い払うときに使います。
Lenny: Get lost, Garth.
(消え失せろ、ガース。)
被害者を悪く言った取材記者に対する苛立ちを、遠回しな言い方をせず短い命令形でそのままぶつけています。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
5. cut to the chase
「本題に入る」「単刀直入に言う」という意味です。前置きを省いて要点へ進むよう促します。
Booth: Let’s just cut to the chase, there, okay, Mr. Wizard?
(単刀直入に頼むよ、博士さん。)
電話越しの科学的な説明を遮り、結論だけを急かす場面で使われ、専門家との会話の主導権を握ろうとする言い方です。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
6. double-edged sword
「諸刃の剣」という意味です。利点と欠点を同時に持つ物事を表す比喩です。
Sweets: Sometimes you hate when I talk, so it’s a double-edged sword.
(僕が話すのを嫌がるときもあるから、諸刃の剣なんですよ。)
ブースから「君は黙っていろ」と求められたことを受けて、話しても黙っても文句を言われる自分の立場を一つの比喩でまとめています。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
7. take it easy
「気楽にやる」「無理をしない」という意味です。相手に落ち着いて行動するよう促します。
Lenny: Take it easy, a couple times around, before you blast off, okay?
(まずは何周か軽く流してから本気を出せ、いいな?)
息子にバイクの練習を任せる父親の言葉で、心配を隠しながら短い指示に気持ちを込めています。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
8. can we please just move on
「もう次に進んでもいいですか」という意味です。話題を切り上げたいときに使います。
Sweets: Can we please just move on?
(もう次の話に進んでもいいですか?)
恋人との言い合いに巻き込まれ、専門家としての立場を保てなくなったスイーツが、その場を収めようとして口にする言葉です。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
9. have a heart
「情けをかけてくれ」「大目に見てくれ」という意味です。相手に同情や寛容さを求めるときに使います。
Tim: Come on, man, have a heart!
(勘弁してくれよ、少しは大目に見てくれ!)
国立公園への無断侵入を追及されたティムが、恋愛がらみの事情を理由に大目に見てほしいと頼み込む場面です。
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
10. cold as a fish
「冷淡な」「感情がない」という意味です。魚の冷たさを、人の態度にたとえています。
Sweets: There’s a reason people say cold as a fish.
(人を魚のように冷たいと言うのには理由がある。)
as 〜 as の比較を使った比喩で、人物の反応の薄さを印象づけます。→ 詳しく読む
BONES Season3 Episode10 (The Man in the Mud)
このエピソードの英語学習ポイント
bring it on、cut to the chase、take it easy は、状況を一言で動かす決まり文句です。スイーツの挑発に対してブースが Bring it on と言い返す場面、ホッジンスの電話越しの説明を Let’s just cut to the chase と遮る場面、レニーが息子にバイクの練習をさせながら Take it easy と声をかける場面は、いずれも比喩の意味を体で理解している話し手の余裕を示しています。一方でブレナンは、遺体の状態を Serious as a gas attack と表現し、ブースに Heart attack, Bones. Serious as a heart attack. と訂正されます。決まり文句の一部を字義に沿った別の語へ組み替えてしまう癖が、この回を通してブレナンの英語の特徴になっています。
比喩を使いこなす側と、それを分解してしまう側が並んでいる場面に注目すると、字幕の意味を追うだけでは見えない声の余裕の差が聞こえてきます。決まり文句は単語の意味を覚えるだけでなく、話し手がどれだけ体に馴染ませているかによって、英文の響き方が変わります。
double-edged sword、can we please just move on、cold as a fish は、いずれもスイーツが自分の立場を保とうとして使う比喩です。ブースから黙っているよう求められた直後に Sometimes you hate when I talk, so it’s a double-edged sword と切り返す場面、恋人のエイプリルとの言い合いに巻き込まれて Can we please just move on と話題を打ち切ろうとする場面、そして別れた後に There’s a reason people say cold as a fish と魚の冷たさを持ち出す場面は、状況こそ違いますが、心理学的な言い回しで自分の内面から距離を取ろうとする話し方が共通しています。専門家としての立場と、私生活で揺れる本音が、一つの言葉づかいの中でせめぎ合っている様子が見えてきます。
get lost と have a heart は、感情がそのまま言葉に出る場面の表現です。レニーがガースに Get lost, Garth. と言い放つ場面と、ティムがブースに Come on, man, have a heart! と頼み込む場面では、立場も相手との関係もまったく異なりますが、遠回しな言い方を選ばず、要求をそのまま短い命令や懇願として口にしている点が共通しています。捜査の場面でも私的な場面でも、感情の高さは文の長さではなく、選ばれる言い回しの強さに表れます。
英語字幕を目で追うだけでなく、体に馴染んだ言葉をそのまま使う人と、その一部を言い換えてしまう人の声の調子を聞き比べると、この回の会話の温度差がつかみやすくなります。次にこのエピソードを見るときは、誰が決まり文句を武器のように使い、誰がその比喩を分解してしまうのかを意識してみると、同じ場面でも新しい発見があります。
キャラクター別|英語の特徴
ブレナン|比喩を分解して字義で組み立て直す
ブレナンは硫黄、骨の損傷、遺体の状態を数値や専門語で説明します。相手が驚いても、必要な調査手順を直接依頼するため、説明の文には条件や根拠が多く含まれます。
同時に、ブレナンは決まり文句をそのまま受け取らず、構成要素を組み替えて字義に沿った言葉を選ぶ癖があります。遺体の状態をブースに尋ねられた場面では、serious as a heart attack という言い回しの一部を別の語に置き換え、次のように答えます。
Brennan: Serious as a gas attack.
(ガス攻撃並みに深刻だわ。)
ブースはすぐに Heart attack, Bones. Serious as a heart attack. と訂正しますが、この言い間違いは、慣用句を装飾ではなく成分の入れ替え可能な組み合わせとして扱っていることを示しています。cold as a fish や double-edged sword のように決まり文句を状況判断の道具として使う周囲の人物と対照的に、ブレナンの英語はその内側にある論理を確かめようとする形で表れます。
ブース|短い命令形で場を動かす
ブースは、相手の話を最後まで聞かず、bring it on や cut to the chase のような短い決まり文句で会話の流れを自分の側へ引き寄せます。スイーツの挑発を正面から受けて立つと返す一言と、ホッジンスの説明を電話越しに遮って急かす一言は、相手も状況も違いますが、話を長引かせず自分のペースへ戻す点で共通しています。
Booth: Bring it on, Sweets.
(かかってこい、スイーツ。)
事件の捜査でも私生活でも、ブースは説明よりも行動を先に置く話し方をします。決まり文句の比喩的な意味をそのまま行動の合図として使えるところが、字義にとどまるブレナンとの落差を際立たせます。
スイーツ|心理学の語彙で自分を守る
スイーツは、ブレナンとブースの関係を分析する側でありながら、自分の恋愛が揺らぎ始めると同じ分析的な語彙で自分を守ろうとします。ブースから黙っているよう求められたときは、話しても黙っても文句を言われる自分の立場を一つの比喩でまとめ、恋人との言い合いに巻き込まれたときは、その場を収めようと話題を打ち切ります。
Sweets: Can we please just move on?
(もう次の話に進んでもいいですか?)
しかし、エイプリルに去られた後は平静を装いきれません。魚は感覚を持たないと説明したうえで cold as a fish の由来へ話を広げ、最後は自分は犬派だと言い添える一連の発言には、専門家の語彙を保ちながら本音がにじみ出る様子が表れています。相手を読み解く側の言葉づかいと、自分が分析されたくないときに漏れる本音が、同じ話し手の中に同居している点が、この人物の特徴です。
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