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今回は『BONES』シーズン8第9話から、ネイティブが日常やビジネスでよく使う「take a stab」を解説します。
「刺す」という物騒な直訳とは全く異なる、気軽で便利なフレーズですよ。
実際にそのシーンを見てみよう!
身元不明の頭蓋骨について、性別だけでも推測してほしいと頼むブース。
確証がないまま断言することを嫌がるブレナンに対し、ブースが軽く背中を押そうとする場面です。
Brennan: I am uncomfortable defining sex with just a skull, but…
(頭蓋骨だけで性別を断定するのは気が進まないわ、でも…)Booth: Come on. Take a stab. I won’t write anything down, I promise. It’s between me and you.
(頼むよ。当ててみてくれ。何も書き留めないって約束する。ここだけの話だ。)Hodgins: You don’t want to take a stab in front of me?
(俺の前で当てずっぽうを言うのが嫌なのか?)Brennan: I feel inhibited by my desire not to embarrass myself in front of another scientist.
(他の科学者の前で恥をかきたくないという思いから、躊躇してしまうの。)BONES Season8 Episode9(The Ghost in the Machine)
シーン解説と心理考察
科学的根拠を何よりも重んじるブレナンにとって、証拠が不十分な段階で「単なる推測」を口にすることは、プロとしての一線を超えるような感覚なのかもしれません。
さらに今回は同僚の科学者であるホッジンズが同席しているため、プライドがより一層邪魔をしています。
ブースはこのやり取りの後、ホッジンズを「Take a hike, bug boy.(あっちへ行け)」とその場から追い払い、ブレナンと二人きりにします。
「公式記録には残さない、ここだけの秘密にするから」と言って安心感を与えつつ、障害まで取り除くブースの手際の良さは、長年のパートナーならではの気遣いですね。
「take a stab」の意味とニュアンス
take a stab
意味:当てずっぽうで答える、推測してみる、試しにやってみる
「stab」には本来「(刃物で)突く、刺す」という意味があります。
そこから転じて、「的があるかどうかも分からない暗闇に向かって、とりあえずナイフを突き出してみる」というイメージが生まれました。
現在では確証がなくても「とりあえず推測してみる」「試しに挑戦してみる」という軽いニュアンスで、日常会話に幅広く使われています。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心は、「間違っていても、失敗しても構わない」という心理的なハードルの低さにあります。
自信満々に答える時や、絶対に失敗できない場面には使いません。
「自信はないけれど、とりあえず言ってみるよ」という、少し言い訳を含んだポジティブな勢いがある表現です。
相手に「間違ってもいいから当ててみて」と促す時にも、プレッシャーを与えない気遣いある一言になります。
実際に使ってみよう!
I don’t have the exact data right now, but let me take a stab at the sales forecast.
(正確なデータは手元にありませんが、売上予測を立ててみましょう。)
ビジネス会議で、確実な数字はないものの自分の見立てをとりあえず示したい時に使える便利な表現です。「take a stab at 〜」の形が定番です。
Are you still struggling with that math problem? Let me take a stab.
(まだその数学の問題で悩んでるの? 私にちょっとやらせてみて。)
相手が手こずっている時に「試しに自分にも挑戦させて」と申し出る、カジュアルな表現です。正解できるかは分からないけれど、という控えめなニュアンスが自然に出ます。
Go ahead and take a stab. There’s no right or wrong answer.
(遠慮せずに推測してみて。正解も不正解もないんだから。)
クイズやブレインストーミングで相手の発言を促す一言です。ブースがブレナンに言ったように、相手のプレッシャーをそっと取り除く効果があります。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズを「あっちへ行け」と追い払い、ブレナンと二人きりになったブースが、ニヤッとしながら「さあ、もう誰も見てないよ。刺してみてくれ」と促す場面を思い浮かべてみてください。
「完璧な的(証拠)がなくても、とりあえずナイフ(直感)を一突きしてみる」というのがこのフレーズのコアイメージです。
論理派のブレナンが、信頼するブースの前でだけ直感を「突き出せる」——そのシーンごと記憶すると、フレーズの持つ「気軽さ」がすっと腑に落ちますよ。
似た表現・関連表現
give it a try
(試しにやってみる)
行動を起こすことに焦点を当てた、最も一般的で幅広い場面に使える表現です。推測するというよりは、挑戦するニュアンスが強くなります。
take a guess
(推測する、当ててみる)
「take a stab」とほぼ同じ意味で使われますが、「思考・推測」という頭の働きをシンプルに表す、より直接的な表現です。
take a shot
(挑戦する、やってみる)
銃で「撃つ(shot)」から来ており、ダメ元でトライしてみるという、より勢いと思い切りの良さが込められています。
深掘り知識:「a stab in the dark」というイディオム
今回の表現から派生した面白いイディオムに「a stab in the dark」があります。
直訳すると「暗闇の中での一突き」で、「全くの当てずっぽう」「根拠のない推測」を意味します。
「It was just a stab in the dark, but I was right.(ただの当てずっぽうだったけど、当たっていたよ)」のように使います。
暗闇でナイフを振っても何かに当たる確率が極めて低いのと同じで、「根拠や情報が全くない状態」を強調したい時にぴったりです。
「take a stab」よりさらに「情報不足感」を伝えられる、知っておくと会話の幅が広がる表現です。
まとめ|気軽な推測で会話のキャッチボールを弾ませよう
今回は『BONES』のシーンから「take a stab」の意味やニュアンス、使い方を解説しました。
直訳のイメージとは裏腹に、日常会話で「とりあえずやってみる!」という前向きな気持ちを表すのにぴったりの表現です。
完璧主義のブレナンでさえ、信頼できる相手の前では「take a stab」できる——英語学習も同じで、間違いを恐れない一突きが上達を引き寄せます。
ホッジンズを追い払ったブースの気遣いを思い出しながら、気軽に言葉を突き出してみましょう。


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