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今回は、パトリック・ジェーンの型破りな捜査スタイルが魅力の『メンタリスト』シーズン1・第1話から、職場や組織を舞台にしたドラマでは必ずと言っていいほど登場する「go over someone’s head」をご紹介します。
天才的だけど組織のルールは無視しがちなジェーンと、彼を管理する立場のリズボンの間で火花が散る、ちょっとピリついたシーンと一緒に見ていきましょう!
実際にそのシーンを見てみよう!
Lisbon: If you ever go over my head to Minelli again, I will have you off this case. I’ll have you off the team. (二度と私を飛ばしてミネリ(局長)に直談判したら、この担当から外すわ。チームからも追い出してやるから。)
Jane: I understand. You’re upset. (わかったよ。怒ってるんだね。)The Mentalist Season1 Episode1 (Pilot)
CBI(カリフォルニア捜査局)のコンサルタントとしてチームに加わったパトリック・ジェーン。彼は正式な捜査官ではないため、本来ならチームリーダーであるリズボンの指示に従わなければなりません。しかし、ジェーンはリズボンの許可を取らずに勝手にミネリ局長と交渉してしまいます。自分の権限を無視されたリズボンが、ジェーンに強烈な警告を与える緊迫した場面です。
フレーズの意味とニュアンス
go over someone’s head には、大きく分けて2つの意味があります。
- (上司などを)飛び越えて上の人に相談する 直訳すると「誰かの頭の上を通り過ぎる」となります。組織において、本来通すべき人(直属の上司など)を無視して、さらに上の権限を持つ人に直接話を持っていく「直談判」や「越権行為」を指します。
- (話が難しすぎて)理解できない 話の内容が自分の理解力や知識のレベルを超えて、頭の上を素通りしていくイメージです。「さっぱりわからない」「話についていけない」という時に使われます。
ドラマのシーンではもちろん1の意味で使われており、「私という存在を無視して上に掛け合うなんて!」という怒りのニュアンスがたっぷり込められています。
なぜジェーンはこのフレーズを言われたのか?
ジェーンは観察力と推理力に優れた天才ですが、組織のルールを守るタイプではありません。リズボンが捜査方針を決めても、彼は自分の直感を信じて勝手に動き、時にはリズボンを通さずに上層部へ直接交渉してしまいます。
リズボンにしてみれば、部下(正確には協力者)が自分を飛び越えて勝手に動くことは、自分のリーダーシップや権限を侵害されることと同じです。そのため、「正しい手順を無視するな」「私の頭越しに勝手なことをするな」という、かなりネガティブな警告としてこの言葉が使われました。
実際に使ってみよう!
職場でのトラブル報告や、日常のちょっとした「お手上げ」状態で使えるフレーズです。
I’m sorry, I didn’t mean to go over your head, but I had to make a quick decision.
(ごめんなさい、あなたを無視するつもりはなかったんだけど、急いで決断しなきゃいけなくて。)
I tried to explain the situation to my boss, but he just went over my head to the CEO.
(上司に状況を説明しようとしたのに、彼は私を飛ばしてCEOに直接話しちゃったんだ。)
Most of the professor’s lecture went over my head.
(教授の講義のほとんどは、難しすぎて私にはさっぱりわからなかったわ。)
メンタリスト流・覚え方のコツ
『メンタリスト』のジェーンのように、組織のルール(=頭の上の見えない壁)を軽々と飛び越えていくイメージを持ってみてください!
リズボンのような上司がいる職場でこの一言を言われてしまったら、それは「あなたは私の立場を無視した」という警告です。逆に、専門家が難しい話ばかりしている時は、自分の手で頭の上を何かが通り過ぎていくジェスチャーをしながら 「It went over my head!」 と言ってみると、フレーズのニュアンスが体感として覚えられますよ。
似た表現との違い
「理解できない」という意味で使う場合、以下の表現と混同されやすいので整理しておきましょう。
- go over my head:話の内容が難解すぎて、自分の理解レベルを遥かに超えている(お手上げ状態)。
- get it:相手の言っている意味や意図を(カジュアルに)「あ、わかった」と理解する。
- make sense:論理的に筋が通っていて「なるほど、合点がいく」と理解できる。
go over my head は、ただ「わからない」だけでなく「自分のキャパを超えている」というニュアンスが強めなのが特徴です。
まとめ|「go over someone’s head」は職場要注意フレーズ
今回は『メンタリスト』から、組織内のパワーバランスを表す「go over someone’s head」をご紹介しました。
ドラマの中ではジェーンがルールを無視することで事件が解決する爽快感がありますが、現実の職場で “Don’t go over my head.” と言われたら、それは相手が本気で怒っているサインかもしれません。
意味を知るだけでなく、相手の立場を尊重するという文脈まで理解して、賢く使いこなしていきたいですね!


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