海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『モダンファミリー』シーズン1第4話では、ジェイとグロリアの結婚式が回想として描かれ、ジェイの元妻ディーディーがスピーチを始める場面が登場します。今回はこの場面から、英語圏の結婚式で行われるトースト(乾杯のスピーチ)という慣習と、その中で使われる定型句を見ていきます。式の中でどんな言葉とともにこの時間が始まり、どう締めくくられていくのか、順に見ていきましょう。
“make a toast”という結婚式の儀式
回想の中で、ディーディーはこう切り出します。
Dede: I would like to make a toast.
(乾杯の挨拶をさせてもらいたいの。)Haley: Yeah, nana got totally wasted.
(そう、おばあちゃん完全にできあがってたよね。)Haley: Uh, it was really funny.
(すごく面白かったんだけど。)Haley: Then it was gross.
(それから、ちょっとひどくなって。)Dede: To the bride and the groom, my ex. 35 years we were together.
(新郎新婦に。新郎は私の元夫。35年間、一緒にいたのよ。)Modern Family Season1 Episode4 (The Incident)
make a toast は、結婚披露宴などで新郎新婦の門出を祝って行うスピーチと乾杯を指す言い方です。英語圏の結婚式では、こうした形で祝いの言葉を述べる時間が設けられることが多く、誰がこの役目を務めるかは式や家庭によって異なります。劇中の場面では、新郎ジェイの元妻であるディーディーがトーストを切り出しています。
ヘイリーの相槌にある totally wasted は、言葉どおりに訳すと「すっかりできあがっていた」という状態を指す表現です。回想として語られる場面のひとこまであり、当時の場の雰囲気を伝える一言として使われています。
toast という単語には「乾杯」という意味と「トースト(焼いたパン)」という意味があります。祝いの言葉と乾杯をセットで指す make a toast のほかに、同じ意味で propose a toast という言い方も使われます。propose には「提案する」という意味があり、乾杯の音頭を「言い出す」というニュアンスが加わります。
結婚式でこの役目を務める人を指す言葉には、best man(新郎の付添人)や maid of honor(新婦の付添人)があります。この場面のディーディーはそのどちらでもなく、新郎の元妻という立場からトーストを切り出しています。
make a toast と近い言い方に raise a glass to 〜(〜に向けてグラスを掲げる)があります。make a toast がスピーチと乾杯をまとめて指す言い方であるのに対し、raise a glass to 〜 はグラスを持ち上げる動作そのものに焦点を当てた言い方です。どちらも、祝いの対象に向けて言葉と動作を合わせて示すという点は共通しています。
“To the bride and the groom”という乾杯の定型句
ディーディーがスピーチの本題に入るときに使うのが、To the bride and the groom という言い方です。To 〜 の形で始める乾杯の呼びかけは、英語圏のスピーチで広く使われる型のひとつで、グラスを掲げながら祝福の対象を示す役割を持っています。ここでのディーディーは、bride and the groom(新婦と新郎)に呼びかけたうえで、自分が新郎の元妻であることを my ex と言い添え、35 years we were together. と2人で過ごした年月に触れています。
トーストの中でどこまで個人的な事情に触れるかは、話し手やその場の関係性によって異なります。この場面のディーディーは、新郎新婦に呼びかけた直後に、自分と新郎が共に過ごした35年という年月を持ち出しています。
To the bride and the groom のように To 〜 で始める乾杯の呼びかけは、対象を替えれば幅広く応用できる型でもあります。To the happy couple(幸せな2人に)や To many more years together(これからも長く共に)のように、祝う相手や願いの内容に応じて中身を入れ替えることができます。グラスを掲げながら短く言い切る形が基本で、長い前置きを挟まずに祝福の言葉を届けるのがこの型の特徴です。
トーストの締めくくり方は話し手によってさまざまで、感傷的な言葉で終える場合もあれば、軽い言葉を挟んで締めくくる場合もあります。このトーストのあと、家族の間の空気は和やかなままではなくなっていきます。
まとめ|祝いの言葉を形にするトーストという慣習
make a toast という一言をきっかけに始まるスピーチと、To the bride and the groom という乾杯の定型句。結婚式でこうした言葉が交わされる背景には、新郎新婦の門出を祝う場を言葉と乾杯の形で作るという慣習があります。propose a toast という言い換えや、To 〜 の型を使った呼びかけのバリエーションも含め、式によって細部は異なるものの、祝福を言葉にして届けるという役割は共通しています。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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