アメリカの学校のホールパスと居残りとは|『ヤングシェルドン』S01E13で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: アメリカの学校のホールパスと居残りとは|『ヤングシェルドン』S01E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第13話は、シェルドンが許可なく教室を出たことから、居残り、さらに停学へと話が進んでいく回です。日本の学校ではあまりなじみのない学校の仕組みが、家族や先生の会話の中に次々と出てきます。

この記事では、作中に登場するホールパス、居残り、停学という三つの言葉を手がかりに、アメリカの学校の決まりごとをのぞいてみます。

目次

ホールパスは教室を出るための許可証

話の発端は授業中の教室です。席を立ったシェルドンに、マッケルロイ先生は自分は病気ではないと言って、席に戻るよう求めます。

Ms. MacElroy: I’m not sick. Get back in your seat.
(私は病気じゃありません。席に戻りなさい。)

Sheldon: No, thank you.
(いえ、結構です。)

Ms. MacElroy: You know the rules. You can’t leave without a hall pass.
(決まりは分かっているでしょう。ホールパスなしで教室を出てはいけません。)

Sheldon: May I have a hall pass?
(ホールパスをもらえますか?)

Ms. MacElroy: No, you may not. Now get back in your seat.
(いいえ、あげられません。さあ、席に戻りなさい。)

Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)

hall pass は、授業中に廊下(hall)へ出ることを認める許可証を指します。アメリカの学校では、授業中に生徒が教室の外にいるときは、先生の許可を示すものを持つ決まりになっていることが多いと言われます。形は学校によってさまざまです。

先生の You know the rules. は「決まりは知っているはず」と前置きして、規則を持ち出すときの言い方です。Get back in your seat. の get back は「元の場所に戻る」で、席に着き直すよう命じる定番の形になります。

これに対するシェルドンの No, thank you. は、本来は申し出を丁寧に断るときの言葉です。先生の指示を、まるで勧められたものを断るように返しているところに、この場面のおかしみがあります。

続く May I have ~? は許可を求める丁寧な形で、先生も同じ may を使って No, you may not. と断りました。結局シェルドンは許可のないまま教室を出たことを、のちに自分で説明しています。

  • A: May I have a hall pass? I need to take this to the office.
    (ホールパスをもらえますか? これを事務室に届けたいんです。)
  • B: Sure. Come back as soon as you can.
    (いいですよ。できるだけ早く戻ってきてね。)

居残り(detention)はどんな時間か

教室を出たことへの処分として、校長から数日間の detention が示されます。detention は放課後などに学校に残されて過ごす処分を指すことが多い言葉で、日本語の「居残り」に近いものです。家族の会話では、その中身について見方が分かれます。

Mary: And now he’s in danger of being mugged by a roomful of hoodlums.
(それに今度は、不良だらけの部屋でお金を巻き上げられる危険があるのよ。)

George Sr.: He’s not getting mugged. It’s half a dozen kids doing homework while a teacher watches ‘em.
(巻き上げられたりしないさ。先生が見てる前で、6人くらいの子どもが宿題をするだけだ。)

Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)

mug は「人を襲って金品を奪う」、hoodlum は「ならず者」「不良」を指す語で、母メアリーの心配はかなり大げさな言い方です。父ジョージはその言葉を He’s not getting mugged. とそのまま打ち消し、「先生の見ている前で宿題をするだけ」と居残りの実態を説明しました。half a dozen は「半ダース」、つまり6人ほどという意味です。

シェルドン自身は、居残りについて兄ジョージーと話す中で、まったく別の居残りを想像していたことが分かります。

Sheldon: I thought we were gonna spend the time regretting our actions and thinking about how we could be better in the future.
(僕たちは、その時間を自分の行いを反省して、これからどうすればもっと良くなれるかを考えて過ごすんだと思ってた。)

Georgie: Well, you thought wrong. Get lost.
(なら、思い違いだな。あっち行け。)

Sheldon: You’re both mean and nice to me. It’s confusing.
(兄さんは僕に意地悪でもあるし優しくもある。わけが分からないよ。)

Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)

regret one’s actions は「自分の行いを悔やむ」という意味で、シェルドンは居残りを、反省と自分を見つめ直す時間だと考えていました。その想像と、兄の you thought wrong(思い違いだ)や Get lost.(あっち行け)という突き放した返事が対照的です。居残りの過ごし方は学校によって異なり、決まった形があるわけではない点も押さえておきたいところです。

居残りの部屋のルールと、停学・記録

居残りの部屋では、担当のギヴンズ先生が決まりを伝えます。シェルドンに気づいた先生は、ここにいる理由を尋ねました。

Mr. Givens: One hour, no talking, no horseplay.
(1時間、私語禁止、ふざけるのも禁止だ。)

Mr. Givens: Sheldon?
(シェルドン?)

Sheldon: Hello, Mr. Givens.
(こんにちは、ギヴンズ先生。)

Mr. Givens: Why are you here?
(どうしてここに?)

Sheldon: I didn’t want to catch a cold from Ms. MacElroy, so I left her classroom without a hall pass.
(マッケルロイ先生から風邪をうつされたくなかったので、ホールパスなしで先生の教室を出たんです。)

Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)

no talking, no horseplay のように「no + 名詞・動名詞」を並べる形は、禁止事項を短く示す掲示や指示で使われます。horseplay は「悪ふざけ」のことです。1時間という長さも、先生の言葉で示されています。

その後、家族の会話でシェルドンの停学が明らかになります。

Meemaw: How long is he suspended for?
(停学はどれくらいなの?)

George Sr.: A week.
(1週間だ。)

Mary: And it goes on his permanent record.
(しかも、それが記録に残るのよ。)

Meemaw: Well, that’s no big deal. I had all kinds of stuff on my permanent high school record.
(あら、大したことないわよ。私なんか高校の記録にいろんなことが残ってたもの。)

Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)

suspend は「一時的に止める」という意味の動詞で、学校の文脈では「停学にする」を表します。permanent record は学校が保管する生徒の記録のことで、処分がそこに書き込まれることをメアリーは気にしています。記録の扱いは学校や地域によって異なるため、一律には言えません。

ミーモーは How long is he suspended for? と期間を尋ねています。前置詞 for が文末に残る形で、「どのくらいの期間〜なのか」を聞くときの基本の語順です。記録の話にも that’s no big deal と返し、自分の高校時代を引き合いに出してメアリーの心配を受け流しました。

  • A: How long are you staying for?
    (どのくらい滞在するの?)
  • B: Just a week. It’s no big deal.
    (1週間だけ。大したことじゃないよ。)
英語 意味
hall pass 授業中に教室を出るための許可証
detention 放課後などに残される処分(居残り)
suspension 停学(動詞は suspend)
permanent record 学校が保管する生徒の記録

まとめ|ホールパスから停学までの流れ

hall pass を持たずに教室を出たことが、detention、そして suspension と permanent record の話へとつながっていく回です。居残りの中身をめぐる家族の見方の違いからも、アメリカの学校の決まりごとの一端が見えてきます。

シェルドンの学校生活を追いながら、『ヤングシェルドン』の英語を次回も拾っていきましょう。



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