「Try the PGA」に見る、アメリカ捜査機関の管轄文化|『BONES』S01E14で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「Try the PGA」に見る、アメリカ捜査機関の管轄文化|『BONES』S01E14で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

法医学サスペンス『BONES』シーズン1第14話は、ゴルフ場での飛行機事故現場に、FAA・NTSB・地元警察が入り乱れて集まる場面から始まります。今回は、この「誰の担当なのか」というやりとりを起点に、アメリカの捜査機関がどう管轄を分け合っているのかを見ていきます。

会話の端々に出てくる管轄をめぐるジョークから、その感覚をたどってみましょう。

目次

墜落現場に集まる頭文字たち

事件現場に到着したブレナンとザックは、これから会うことになる関係者をこう説明します。

BRENNAN: Plane crashes don’t belong to the FBI.

(飛行機事故はFBIの担当じゃないの。)

BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)

FAA(連邦航空局)、NTSB(国家運輸安全委員会)、地元警察と、頭文字だけの組織名が次々に登場する冒頭は、アメリカの捜査体制が単一の警察機関だけで成り立っていないことを端的に示しています。ブレナンの一言は、FBIが万能の捜査機関ではなく、事故の種類によって担当する省庁が変わるという前提をさりげなく伝えている場面です。

「Try the PGA」に滲む管轄ジョーク

物語が進み、白骨遺体がゴルフ場で発見された事件へと切り替わると、今度はFBI捜査官のブースが管轄外だとこぼします。

BOOTH: Well FBI doesn’t have jurisdiction at a golf course.

(まあ、FBIにはゴルフ場の管轄権がないんだよ。)

BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)

ブレナンに「じゃあ誰の担当なの」と聞き返されたブースは、こう軽口で返します。

BOOTH: I don’t know. Try the PGA.

(さあな。PGA(全米プロゴルフ協会)にでも聞いてくれ。)

BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)

PGA はゴルフの競技団体であり、当然ながら事件の捜査権など持っていません。ブースのこの一言は、jurisdiction(管轄権)という言葉そのものが持つ堅さを、あえてゴルフ団体に振ることでからかう軽口です。管轄がどこにあるか分からないという状況そのものが、冗談のネタになるほど日常的な話題として扱われている場面といえます。

ジェシー・ケインが語る「たらい回し」の実情

行方不明者の捜索を専門にするジェシー・ケインは、自分の専門分野をこう説明します。

JESSE: I’ve done some writing on missing person laws and investigative techniques, inner agency cooperation, jurisdictional dispute, that kind of thing.

(行方不明者に関する法律や捜査技術について書いてきました。省庁間の協力や管轄をめぐる争い、そういったことです。)

BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)

さらにジェシーは、自分の父親の失踪事件がどう扱われたかを振り返り、こう語ります。

JESSE: The investigation was bungled. The city police didn’t have the manpower, the state troopers said it was a federal matter, and you guys suggested a private investigator.

(捜査はしくじられました。市警察には人手が足りず、州警察は連邦の管轄だと言い、あなたたちは民間の調査員を雇えと言ったんです。)

BONES Season1 Episode14 (The Man on the Fairway)

city police(市警察)、state troopers(州警察)、federal matter(連邦の案件)と、ジェシーの説明には3つの層の捜査機関が登場します。アメリカでは、FBIのような連邦機関は主に州境をまたぐ事件や連邦法に関わる事件を扱うとされ、地元警察の捜査をそのまま引き継ぐわけではありません。地方警察・州警察・FBIの間に上下関係はなく、それぞれが自分の管轄を持ちながら協力し合う仕組みになっています(実際の運用は州や時代によって幅があるため、この場面はあくまで一例として見るのが安全です)。ジェシーの父親の捜索がどの機関からも「うちの担当ではない」とされ続けた経緯は、この管轄の分かれ方が生む隙間をそのまま描いている場面です。

まとめ|管轄という見えない境界線

FAA・NTSBが並ぶ事故現場のジョークから、Try the PGA という軽口、そしてジェシーが語るたらい回しの経験まで、このエピソードには「誰の担当か」をめぐるやりとりが繰り返し登場します。アメリカの捜査機関が連邦・州・地方で役割を分け合っている感覚が、こうした会話の端々から伝わってきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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