「Ten-four」の世界 ― FBI無線交信に見る英語表現|『BONES』S01E16で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「Ten-four」の世界 ― FBI無線交信に見る英語表現|『BONES』S01E16で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン1第16話では、地下トンネルの奥深くで、ブースとブレナンがFBI戦術班と無線を使いながら金庫室へ近づいていく場面が描かれています。今回はそこで飛び交う無線交信の英語表現を拾ってみます。

短い符丁のやりとりの中に、位置を伝え、指示を出し、了解を返すという、無線ならではの英語の型が詰まっている場面です。

目次

位置を尋ねる無線用語 ― “What’s your 20″と”What’s your six”

戦術班に先に行かせ、自分たちは様子を見ると言うブースが、無線で位置を確認します。

BOOTH: No, you don’t, okay. We’re going to have six highly-trained FBI Tac Team members do the dirty work. We’re just going to watch. What’s your 20, Tac Team Three?
(いや、必要ない。今回は精鋭のFBI戦術班6人に汚れ仕事をやらせるんだ。俺たちは見てるだけだぜ。お前らの現在地は?、タックチーム3)

BONES Season1 Episode16 (Woman in the Tunnel)

What’s your 20は「今どこにいる?」と居場所を尋ねる無線表現です。20という数字は、1930年代に米国の警察無線で整備された符丁「10-code」のうち、位置確認を意味する10-20に由来するとされ、のちにトラック無線(CB無線)にも広がり定着しました。

トンネルの奥で不審な気配を感じたブースは、今度は自分の背後を戦術班に尋ねます。

BOOTH: Easy. Watch yourself. Wow. What do we got here? Tac Team Three, this is Booth. What’s your six?
(慌てるな。気をつけろ。うわ、何だこれは?タックチーム3、こちらブース。お前らの背後は?)

BONES Season1 Episode16 (Woman in the Tunnel)

What’s your sixは「背後は大丈夫か」と確認する表現です。自分を時計の中心に見立て、正面を12時、真後ろを6時とする方角の伝え方は、第一次世界大戦時の戦闘機パイロットが視界の届きにくい後方を指すために使い始めたのが起源とされ、”watch my six”(背後を頼む)という言い方とあわせて軍事・警察無線の定番になりました。

了解を示す無線用語 ― “Ten-four”

戦術班からの応答を受けたブースが、短く返す言葉が印象的です。

BOOTH: Ten-four, Tac Team Three.
(了解、タックチーム3)

BONES Season1 Episode16 (Woman in the Tunnel)

Ten-four(10-4)は「了解した、受信した」を意味する無線用語で、先ほどの10-20と同じ10-code の一つです。1937年に米国の警察通信の標準化団体が整備したのが始まりとされ、のちに映画やCB無線文化を通じて一般にも広く知られるようになりました。ブレナンが戦術班のことを「tick-tock team」と言い間違え、ブースがすかさず訂正する場面もあり、無線の符丁が誰にでもすぐ馴染むわけではないことも垣間見えます。

指示を出す無線用語 ― “Re-orient”と”reconnoiter”

戦術班に指示を出すブースの言葉には、動作を端的に伝える動詞が並びます。

BOOTH: I realize that, Bones. Re-orient, Tac Team Three.
(分かってる、ボーンズ。方向を立て直せ、タックチーム3)

BONES Season1 Episode16 (Woman in the Tunnel)

re-orientは「向きや位置を立て直す」という意味の動詞で、orient(方向づける)にre-(再び)がついた形です。状況が変わった時に立ち位置を調整し直す、という無線らしい指示の出し方です。

戦術班の到着を待つあいだ、ブースはブレナンにこう告げます。

BOOTH: We just, uh, we reconnoiter. In.
(俺たちはただ、その、偵察するんだ。中へ)

BONES Season1 Episode16 (Woman in the Tunnel)

reconnoiterは「偵察する、様子を探る」という意味の動詞で、フランス語由来の軍事・警察用語として英語に取り入れられた語です。日常会話にはあまり出てこない硬さがあり、緊迫した現場の空気を伝える言葉選びになっています。

表現 意味
What’s your 20? 今どこにいる?
What’s your six? 背後は大丈夫か?
Ten-four 了解した
Re-orient 位置・向きを立て直せ
reconnoiter 偵察する

まとめ|符丁が伝える、無線交信のリズム

What’s your 20、What’s your six、Ten-four、そしてre-orientとreconnoiter。地下トンネルで飛び交う無線交信の中に、位置を伝え、了解を返し、指示を出す英語表現がテンポよく詰まっているのが分かります。

短い符丁のやりとりを聞き分けられるようになると、捜査シーンの緊迫感がより鮮明に伝わってきます。

同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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