海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、物事の進行が思い通りに進まないときに役立つ、ネイティブならではの表現をご紹介します。
ビジネスから日常トラブルまで幅広く使えるので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
森の中で光る骨が見つかり、ブレナンとブースが現場へ駆けつけたシーンです。
放射性物質の疑いがあるため、ブレナンはジェファソニアン研究所のラボとビデオ通話を繋ぐよう要求しますが、現場の設営は天候のせいで難航しています。
Major: Dr. Brennan’s gonna need a… video link up to the Jeffersonian.
(ブレナン博士には、ジェファソニアンとのビデオ回線が必要だ。)Homeland Security Agent: As soon as possible. The rain’s really slowed things up.
(できるだけ早く繋ぎます。雨のせいで作業がかなり遅れてしまっていて。)Booth: Okay, thanks!
(わかった、ありがとう!)
BONES Season2 Episode20 (The Glowing Bones in the Old Stone House)
シーン解説と心理考察
一刻も早く遺体の身元確認を進めたい緊迫した状況ですが、自然の力には逆らえません。
国土安全保障省の捜査官は、急ぐよう求められつつも「悪天候という不可抗力によって物理的に進行が妨げられている」という事実を、焦りと少しの言い訳を交えながら伝えています。
ブースも状況を理解し、手短に感謝を述べて現場の空気を引き締めていますね。
フレーズの意味とニュアンス
slow up
意味:〜を遅らせる、停滞させる、進行が鈍る
「slow up」は、計画や作業、物事の進行が何かの要因によって滞ってしまう状態を表します。
単に速度が落ちるだけでなく、「本来進むべきスムーズな流れが行き詰まっている」というニュアンスが含まれており、スケジュールやプロジェクトの進捗について語る際によく使われる表現です。
【ここがポイント!】
よく似た表現に「slow down」がありますが、ネイティブはこの2つを感覚的に使い分けています。
「slow down」が車のスピードなど「物理的な速度が落ちる」ことに焦点が当たるのに対し、「slow up」は「進行や発達が妨げられて停滞する」という状況全体の滞りに焦点が当たります。
今回のドラマのシーンでも、雨によって作業の進捗全体が滞っているため「slow up」が自然に選ばれているんですね。
実際に使ってみよう!
The unexpected system error slowed up the entire project.
(予期せぬシステムエラーが、プロジェクト全体の進行を遅らせてしまった。)
仕事でスケジュールが遅延した原因を説明する際に非常に便利な表現です。主語に原因(エラーなど)を置くことで、何が進行を妨げたのかが明確に伝わります。
Don’t let this minor setback slow you up.
(こんな些細なつまずきで、立ち止まらないで。)
相手を励ますときに使える表現です。「slow you up(あなたの歩みや成長を停滞させる)」という形で、困難に負けず前進し続けるよう背中を押すニュアンスになります。
The heavy traffic on the highway slowed us up this morning.
(今朝は高速道路の大渋滞のせいで、私たちの到着が遅れてしまった。)
日常生活で予定が狂ったときによく使われる言い回しです。渋滞や悪天候など、自分ではコントロールできない要因による遅れをスマートに説明できますよ。
BONES流・覚え方のコツ
ぬかるんだ雨の森の中で、重い機材を運びながら作業員たちが足を取られている様子をイメージしてみてください。
「雨(原因)が、物事の進行(things)を泥沼のように停滞させている(slow up)」という物理的な抵抗感と一緒に覚えるのがポイントです。
単なるスピード低下(slow down)との違いが、頭にスッと定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
slow down
(速度を落とす、ペースを落とす)
最も一般的な表現で、車や歩くスピードなど、物理的な速さを意図的に、あるいは自然に落とす際に使います。「slow up」が状況の停滞を表すのに対し、こちらはスピードメーターの針が下がるイメージです。
hold up
(進行を遅らせる、足止めする)
「slow up」よりもさらに強い遅延や、完全に立ち往生している状態を表します。「I got held up in traffic.(渋滞で足止めを食らった)」のように、受け身の形でよく使われます。
delay
(遅らせる、延期する)
電車や飛行機の遅延、フォーマルなスケジュールの遅れを表す際によく使われる単語です。「slow up」が進行中のプロセスの鈍化に焦点を当てるのに対し、「delay」は時間的な遅れそのものを指します。
深掘り知識:前置詞「up」が持つ意外な力
誰もが楽しめる、さらに一歩踏み込んだ知見としてご紹介したいのが、前置詞の面白さです。
「slow down」の「down(下へ)」はスピードが落ちるイメージと直結して分かりやすいですが、なぜ「遅れる」のに「up(上へ)」を使うのでしょうか。
実は前置詞の「up」には、「上方向」以外にも「完全に〜する(finish up, clean upなど)」や「詰まる、塞がる」という派生的なニュアンスがあります。道がふさがって水が溜まっていくように、進行が「詰まって停滞する」というイメージから、「slow up」という表現が成り立っているのです。
前置詞のコアイメージを知ると、英語の奥深さが見えてきますね。
まとめ|状況の停滞をスマートに伝えるフレーズ
いかがでしたでしょうか。今回は、物事が思い通りに進まない状況を表す「slow up」を解説しました。
「slow down」とのニュアンスの違いを理解して使い分けることができれば、あなたの英語はさらに表現豊かで自然なものになりますよ。
焦らず、少しずつマスターしていきましょう。


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