フェローシップとSundance、アメリカ映画学科という文化|『BONES』S02E10で学ぶ英会話

『BONES』コラム: フェローシップとSundance、アメリカ映画学科という文化|『BONES』S02E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、BONES シーズン2 第10話「The Headless Witch in the Woods」に描かれる、アメリカの映画学科という文化です。森で見つかった遺体は大学の映画専攻の学生グレアムで、捜査が進むにつれて、彼が受けていた奨学金や、目指していた映画祭の存在が浮かび上がってきます。

犯罪捜査の背景に、アメリカの学生映画をめぐる制度や慣習が見える回です。

目次

フェローシップ(fellowship)というアメリカ映画学科の奨学金制度

ブースは捜査車両の中で、被害者グレアムが受けていた奨学金の話をブレナンに切り出します。

Booth: Graham had a fellowship with the school. It was a free ride worth about 30 grand a year. Brian, the other kid – you know, from the woods? He applied for it and lost out to Graham. After Graham disappeared, the fellowship went to Brian.
(グレアムは学校のフェローシップを受けていたんだ。年に3万ドル相当のfree rideだったらしい。森にいたもう一人の子、ブライアンも応募して、グレアムに負けたんだ。グレアムが行方不明になった後、そのフェローシップはブライアンに回ったんだよ。)

BONES Season2 Episode10 (The Headless Witch in the Woods)

fellowship は、大学や大学院が成績優秀者に与える奨学金制度を指す言葉です。劇中の「年3万ドル相当」はドラマ独自の設定ですが、アメリカの映画大学院には、授業料免除や生活費支給を伴うフェローシップ制度を設けている学校が実際にあります。内容は学校ごとに幅があります。

free ride は、学費や生活費をほぼ全て賄ってもらえる状態を指すくだけた言い方です。奨学金の話でよく登場する表現で、「タダ乗り」というより「(努力の対価として)全て賄われている」という肯定的なニュアンスで使われます。劇中では、この枠がグレアムからブライアンに引き継がれたという事実が、後の展開の伏線として語られています。

「get accepted into Sundance」という目標

大学キャンパスの編集室では、ブースがブライアンと指導教員ネイトに話を聞く場面があります。

Nate: Brian’s being modest. He wrote and directed an amazing modern take on the Gilgamesh story.
(ブライアンは謙遜してるんですよ。彼はギルガメシュ叙事詩を題材にした見事な現代版の作品を、脚本・監督両方手がけたんです。)

Brian: Uh, Nate produced it. I got it accepted into Sundance.
(あ、ネイトがプロデュースしてくれて。それでSundanceに通ったんです。)

BONES Season2 Episode10 (The Headless Witch in the Woods)

Sundance(Sundance Film Festival)は、アメリカ・ユタ州で毎年開催される映画祭で、インディペンデント映画の登竜門として知られています。学生・短編部門があり、FilmFreewayなどを通じて世界中から作品が集まる、競争率の高い枠組みです。get accepted into ~(〜に採用される、通る)という言い方からも、狭き門であることが伝わってきます。

この後の尋問シーンでも、ブースはブライアン本人にSundance出品作の内容を問い詰めます。同じ単語が繰り返し出てくること自体、この映画祭が学生のキャリアにとって大きな目標であることを物語っています。

大学の映画教員という仕事のリアル

FBIの尋問室では、指導教員ネイトへの事情聴取を通じて、映画学科の教員という立場が語られます。

Nate: I can assure you, Agent Booth, that film class is a lot more than watching movies.
(エージェント・ブース、断言しますが、film class は映画を観るだけのものではありませんよ。)

BONES Season2 Episode10 (The Headless Witch in the Woods)

film class には「映画を観て感想を話す授業」という一般のイメージがつきまといがちですが、実際には脚本執筆・撮影・編集といった実制作を伴う授業も多く、ネイトのこの一言はそうした誤解への反論になっています。

さらにブースは、ネイトへの疑いをぶつける場面で、次のように言い放ちます。

Booth: Ride his coattails, ya know. Escape the faculty ghetto.
(あいつの功績にタダ乗りするってわけだ。faculty ghetto から抜け出すためにな。)

BONES Season2 Episode10 (The Headless Witch in the Woods)

ride someone’s coattails は「人の功績にただ乗りする」という意味の慣用句です。coattails(燕尾服のすそ)を掴んで運ばれるイメージから来ています。faculty ghetto は、なかなか芽が出ない教員の苦しい立場を自虐的に指す俗な言い回しとされます。教員のキャリア事情は大学によって様々なため一般化はできませんが、ブースの皮肉には競争の厳しさへの視点がにじんでいます。

まとめ|映画学生の奨学金と映画祭という目標

fellowship や free ride といった奨学金制度、Sundance という目標、そして film class や faculty ghetto という教える側の事情。学生映画をめぐるこうした言葉からは、アメリカの映画教育を取り巻く制度や競争の一端が見えてきます。

同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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