海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン2、第11話では、法医人類学者見習いのザックが博士論文の審査を受ける場面から始まります。今回はこの回のやり取りを起点に、駆け出しの立場から一人前と認められるまでの過程で使われる英語表現を見ていきます。
評価される側の言葉、評価する側の言葉、それぞれの言い回しに立場の違いがそのまま表れており、審査の場面から成長を祝う場面まで、英語表現の変化もあわせて追ってみましょう。
審査委員会での率直な自己評価
エピソード冒頭、ザックはブレナンを含む5人の審査委員の前に立たされ、博士論文の内容を問われています。ブースが乱入してブレナンを連れ出す直前、ザックはこう答えます。
Zack: So far, they don’t like me.
(今のところ、僕は気に入られていません。)BONES Season2 Episode11 (Judas on a Pole)
so far は「今のところ」「これまでのところ」という意味で、現在までの状況を切り取りつつ、この先変わる余地も残すニュアンスを持つ表現です。so far を添えるだけで、断定的な言い切りより、まだ途中経過であることが伝わります。
ブースに連れ出されたブレナンの代わりに審査を続けるかどうかを、コンスタンス・ライト教授はこう告げます。
Wright: This committee can carry on without you, Dr. Brennan.
(この委員会は、あなたがいなくても進行できますよ、ブレナン博士。)BONES Season2 Episode11 (Judas on a Pole)
carry on は「(中断せず)続ける」という意味の句動詞で、carry on without ~ の形にすると「~がいなくても進める」という、やや突き放した響きを帯びます。駆け出しのザックの率直な自己評価と、審査する側の事務的な言い回しが並ぶことで、評価される側とする側の温度差が見えてくる場面です。
「full blown」で示される、一人前の立場
審査の場面のあと、ザックのオフィスでアンジェラと交わす会話には、博士号取得後の立場の変化がはっきり示されています。
Angela: That’s true, but if you work here, you won’t be Brennan’s grad student anymore. You’ll be a full blown Forensic Anthropologist. Cam, will be your boss.
(それはそうだけど、ここで働くなら、あなたはもうブレナンの大学院生じゃなくなるわ。れっきとした法医人類学者になるのよ。カムがあなたの上司になるわね。)BONES Season2 Episode11 (Judas on a Pole)
full blown は「完全に発達した」「本格的な」という意味の形容詞で、途中経過ではなく完成形であることを強調する働きを持ちます。grad student(大学院生)という見習いの立場から full blown Forensic Anthropologist への移行が、この一語で示されています。
続けてアンジェラは、新しい上司になるカムの人物像を、こんな言い方で説明します。
Angela: Let’s just say that Cam’s not the kind of woman you catch with crusties in the corner of her eye.
(カムは、目の端に目やにをつけたまま人前に出るような人じゃないって言っておくわ。)BONES Season2 Episode11 (Judas on a Pole)
catch someone with crusties in the corner of her eye は、直訳すると「目の端に目やにがついているところを見つける」で、身だしなみに一切の隙がない人物であることを印象づける言い回しです。not the kind of woman you catch with ~ の形は、「~しているところを見られるような人ではない」と、人物の基準の高さを間接的に伝える構文でもあります。
まとめ|審査から一人前へ、変わる言葉の温度
so far や carry on without you といった審査の場面の率直な言葉から、full blown や crusties in the corner of her eye といった一人前の基準を示す言葉まで、ザックを取り巻く評価の言葉は場面ごとに表情を変えていきます。
次回も『BONES』と一緒に、キャラクターたちのやり取りから英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。
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