海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、BONES シーズン2 第18話「The Killer in the Concrete」に見られる、concrete(コンクリート)と cement(セメント)という似た言葉を巡る言い間違いの英語表現です。現場に到着した瞬間から、この言葉の使い分けを巡る訂正のやり取りが繰り返されます。
小さな言葉のずれを見過ごさない場面から、専門用語の正確さにこだわる英語表現を見ていきます。
現場に着いて早々に始まる、言葉の訂正
コンクリートの塊が広がる建設現場に、ブレナンとブースが到着します。案内する地元警官が cement という言葉を口にすると、ブレナンはすぐに言葉を差し挟みます。
Brennan: No. That’s concrete. Cement is an ingredient in concrete.
(違うわ。それはコンクリートよ。セメントはコンクリートの材料の一つ。)BONES Season2 Episode18 (The Killer in the Concrete)
concrete(コンクリート)は、セメント・砂・砂利・水を混ぜて固めた建築資材そのものを指す言葉です。一方の cement(セメント)は、その中に含まれる結合剤の一種であり、ブレナンの言う ingredient(材料、成分)という言葉どおり、コンクリートを構成する一部分にすぎません。日常会話では同じ意味で使われがちなこの二語を、ブレナンは職業柄はっきりと区別します。
この訂正に対して、ブースはこう返します。
Booth: Yeah, that’s a real important distinction to make at this juncture. So, what do we got, Bones, huh? Do your thing.
(ああ、まさに今この局面でそこを区別するのが重要だよな。で、何がわかった、ボーンズ?本領発揮といこうぜ。)BONES Season2 Episode18 (The Killer in the Concrete)
a real important distinction to make at this juncture は、遺体発見の現場という緊迫した場面で言葉の細部にこだわるブレナンを、皮肉交じりに茶化す言い回しです。juncture は「局面、時点」を表すやや堅い語で、日常会話ではあまり使われませんが、ここではブースがわざと大げさな言葉を選ぶことで皮肉の効果を強めています。続く do your thing は「自分の得意なことをやってくれ」という意味のくだけた促しの表現で、ブレナンへの信頼と呆れが同居した一言です。
遺体のあだ名にも表れる、同じこだわり
捜査が進み、ブースのオフィスで身元不明の遺体につけられた仮のあだ名が話題に上ります。
Brennan: “Concrete Head,” you mean.
(「コンクリート頭」の間違いでしょう。)Booth: No, “Cement Head.” It’s got a nicer ring. So I ran it through Interplus and I got a match.
(いや、「セメント頭」だ。その方が語呂がいいだろ。それでInterplusにかけたら、一致が出た。)BONES Season2 Episode18 (The Killer in the Concrete)
あだ名にまで concrete を使おうとするブレナンに対し、ブースは cement の方を選びます。理由として挙げるのが it’s got a nicer ring という言い回しで、ring はここで「(言葉の)響き、語呂」を意味し、have a nice ring to it の形で「語感がいい」という感覚を伝える定番表現です。事実の正確さよりも呼びやすさを優先するブースの選び方が、ブレナンとの対比を際立たせています。
脇役にも波及する、「よくある間違い」という言葉
事件の関係者ギャラガーとその弁護士ライトナーが加わる場面でも、同じ言い間違いが繰り返されます。
Gallagher: Was it the, uh, mounties that found Billy Ray encased in cement?
(それを見つけたのは、その、mounties だったのか?セメントに埋まってたビリー・レイを。)Lightner: Concrete.
(コンクリートです。)Gallagher: Hmm?
(あん?)Lightner: Not cement. It’s a common error.
(セメントではありません。よくある間違いです。)BONES Season2 Episode18 (The Killer in the Concrete)
ギャラガーの発言に登場する mounties は、カナダ王立騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police)の通称で、赤い制服姿で知られる存在です。事件の舞台には直接関係のない言葉ですが、ギャラガーの勘違いぶりを表す一言として使われています。それを訂正するライトナーの it’s a common error は「よくある間違いです」という意味で、ブレナンが個人的なこだわりとして訂正していた言葉のずれが、この場面では弁護士の口から一般論として語られ直しています。同じ言い間違いが立場の異なる人物にも波及していく構図が、このエピソードの一貫したユーモアになっています。
まとめ|言葉の正確さにこだわる、という一貫した姿勢
concrete と cement、a real important distinction to make、nicer ring、a common error。ブレナンから始まった言葉の訂正は、あだ名を経て脇役同士のやり取りにまで広がっていきます。似た言葉の違いにこだわる場面から、正確さを大切にする英語表現が見えてきます。
同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
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