海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1第6話は、カジノリゾートのオーナーの片手が発見されるところから始まる回です。事件の舞台がカジノということもあり、劇中には業界の内側でしか聞かない呼び名がいくつも登場します。今回は、その中でも「house player」と「whale」という二つの呼び名に注目します。
どちらもカジノという場所を成り立たせている、対照的な立場を指す言葉です。セリフの流れに沿って、その意味を見ていきましょう。
「house player」と「whale」―カジノを支える二つの立場
CBIのチームが被害者の家族に話を聞く場面で、遺族のダニエルは自分の仕事についてこう説明します。
Daniel: I’m a glorified house player.
(大げさに言えば、ハウスプレイヤーってやつですよ。)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
聞き慣れない言葉に、ヴァン・ペルトが尋ね返すと、ダニエルはこう続けます。
Van Pelt: What’s a house player?
Daniel: Jim pays me to herd the whales— the big money gamblers. I play with casino money to break the ice, get the heavy action going. It’s a good, steady gig. Keeps me out of trouble.
(ハウスプレイヤーとは何でしょうか?)
(ジムに雇われて、荒稼ぎする客――whaleたちの相手をしてるんです。カジノの金を使って場を温め、大きな勝負を引き出す。悪くない、安定した仕事ですよ。おかげでトラブルとも無縁です。)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
house playerは、カジノ側に雇われ、カジノの資金で客としてテーブルに座る人を指す言葉です。客が誰もいない静かなテーブルに座って場を賑やかに見せたり、他の客を勝負に誘い込んだりする役目を担います。ダニエルが「glorified(大げさに言えば)」と前置きしているところに、実態以上に立派な肩書きではないという本人の自嘲がにじんでいます。
一方のwhaleは、桁違いの金額を賭ける上客を指す業界用語です。海で最も大きな生き物にたとえられるとおり、カジノにとって最も価値の高い存在で、特別な部屋やサービスを用意してでも引き留めたい相手として扱われます。この呼び名は後の場面でも繰り返し登場し、ジェーンが大物客カル・トラスクについてマットに確認する場面で改めて使われ、カジノの中でも別格の客であることが裏付けられます。
| 用語 | 立場 | カジノとの関係 |
|---|---|---|
| house player | カジノに雇われる側 | カジノの資金でテーブルに座り、場を盛り上げる |
| whale | カジノに大金を落とす側 | 高額を賭ける上客として特別待遇を受ける |
雇われて場を作る側と、大金を落とす側――同じフロアの中に、まったく逆の立場が同居している様子が伝わってきます。
ブラックジャックのテーブル英語 ―「hit me」から「harpooning a whale」まで
情報収集を兼ねて、ジェーンは「パトリック」と名乗ってブラックジャックのテーブルに着きます。カードを追加でもらいたいときに口にするのが、このひと言です。
Jane: Hit me.
(もう一枚、くれ。)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
hit meは、ブラックジャックで「カードをもう一枚引きたい」と伝える定番の言い回しです。カードゲームの外でも、”Hit me with your best shot.”(いっちょ来い)のように、何かを持ちかけられる側が「さあ、来い」と受けて立つ場面で使われることがあります。
連勝が続く中、マットに声をかけられても席を立とうとしないジェーンは、on a streak(ツキが続いている)という言葉で自分の状況を言い表します。運が続いている状態を表すこの言い回しは、スポーツの実況や日常会話でもそのまま使える表現です。
そして物語の終盤、電話越しにチョーから捜査状況を尋ねられたジェーンは、私的なポーカーの場にいることをこう言い表します。
Jane: Harpooning a whale. Talk fast.
(whaleを仕留めてるところさ。手短に頼むよ。)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
harpoonは本来「銛(もり)で突く」という意味の動詞で、大きな獲物を狙う様子を表します。序盤で説明された「whale」という呼び名を、ジェーン自身が大物客カル・トラスクとのポーカーの場面で再び持ち出しているところに、エピソード全体を通した言葉の遊びが読み取れます。
まとめ|カジノの内側で交わされる呼び名
「house player」「whale」「hit me」「on a streak」――カジノという特殊な場所には、その場所でしか通じない呼び名や言い回しが根付いていることが分かります。雇われる側と大金を賭ける側、その両方の視点から言葉を眺めると、フロアの空気がより具体的に見えてきます。
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