海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第9話に登場する、学会発表にまつわる場面です。共著論文の学会発表をめぐってぎくしゃくしていたレナードとシェルドンが、実際に会場に立つまでの流れを、研究発表の英語表現とあわせて見ていきます。
発表を締めくくる決まり文句や、質疑応答で交わされる切り返しは、プレゼンテーションの型として押さえておくと役立つ言い回しです。
「present a paper」で伝える、学会発表そのものの語彙
研究室の共有スペースで、レナードはゴミ箱に手紙が捨てられているのに気づきます。差出人は実験物理学研究所で、中身はシェルドンとレナードが共同で書いた論文への学会発表の招待状でした。手紙の内容を、レナードはこう読み上げます。
Leonard: It’s from the Institute for Experimental Physics. They want us to present our paper on the properties of super solids at the topical conference on Bowes-Einstein condensates.
(実験物理学研究所からの手紙だよ。ボウズ=アインシュタイン凝縮体についての専門分野別カンファレンスで、超固体の性質に関する僕たちの論文を発表してほしいそうだ。)TBBT Season1 Episode9 (The Cooper-Hofstadter Polarization)
present a paper は「論文を発表する」という研究発表そのものを指す言い方で、academic conference(学術会議)の案内状などで頻繁に見かける表現です。topical conference は特定のテーマに絞った専門分野別の学会を指し、幅広いテーマを扱う総合学会と区別する際に使われます。
発表を締めくくる型と、質疑応答で交わされる切り返し
学会当日、壇上に立ったレナードは、データの説明を終えると “So, in conclusion, the data show that…” という型で発表をまとめ、“Thank you. Are there any questions?” と質疑応答へつなぎます。in conclusion は「結論として」を意味し、プレゼンテーションの締めくくりに使う定番の切り出し方です。Are there any questions? は聴衆に発言を促す決まり文句です。
ところが会場の最前列にいたシェルドンが、そこで反論のために立ち上がります。共著者としての立場を主張したうえで、レナードの発表内容への不満をぶつける場面です。
Sheldon: Doctor Sheldon Cooper here, I am the lead author of this particular paper. Thank you. And you, sir, you have completely skipped over the part where I was walking through the park, and I saw these children on a merry-go-round, which started me thinking about the moment of inertia in gasses like helium at temperatures approaching absolute zero.
(シェルドン・クーパー博士だ。私がこの論文の筆頭著者である。ありがとう。そちらの方、あなたは完全に見落としている。私が公園を歩いていて、メリーゴーラウンドに乗る子供たちを見て、絶対零度に近い温度でのヘリウムのような気体における慣性モーメントについて考え始めた、というくだりをね。)Leonard: I didn’t skip it, it’s just an anecdote. It’s not science.
(見落としてなんかいないよ、それはただの逸話だろ。科学じゃない。)Sheldon: Oh, I see, was the apple falling on Newton’s head, was that just an anecdote?
(ああ、なるほど。ニュートンの頭にリンゴが落ちたのも、ただの逸話だったのか?)TBBT Season1 Episode9 (The Cooper-Hofstadter Polarization)
it’s just an anecdote. It’s not science. は「それはただの逸話で、科学的根拠にはならない」と相手の主張を切り返す言い方です。anecdote(逸話・個人的な体験談)と science(科学的根拠)を対比させることで、相手の論拠の弱さを指摘する構文になっています。lead author(筆頭著者)という肩書きの主張は、共著者間のクレジットを巡るやりとりとして別のコラムで扱っています。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| present a paper | 論文・研究成果を発表する |
| in conclusion | 結論として(発表の締めくくり) |
| Are there any questions? | 質問はありますか(質疑応答への導入) |
| it’s just an anecdote | それはただの逸話だ(相手の根拠の弱さを指摘) |
まとめ|発表の型を知っていれば、切り返しにも動じない
present a paper、in conclusion、Are there any questions?。研究発表の骨組みを支えるこれらの言い方が、プレゼンテーションの流れをイメージする手がかりになります。anecdote と science を対比させる切り返しの型は、議論の場面でも生きてきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』のキャラクターたちと一緒に、英語表現を見ていきましょう。
このエピソードで交わされる会話は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて紹介しています。
[dde_episode_columns id=”TBBT_US_S01E09″]


コメント