「here goes nothing」の意味と使い方|『BONES』S12E09で学ぶ英会話

「here goes nothing」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

送信ボタンを押す直前や、面接室のドアを開ける直前に、深呼吸をしてから自分にだけ聞こえる声でつぶやくような瞬間が、誰にでもあるはずです。

そんな一歩を踏み出す瞬間にぴったりのhere goes nothingを、『BONES』シーズン12第9話、容疑者への対応を巡ってワイアットが助言し、オーブリーが決断する場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「here goes nothing」の意味とニュアンス

here goes nothing
意味:やってみよう、ダメ元でいくぞ

here goes nothing は、結果に自信が持てない、あるいはうまくいくかどうか分からない状況で、それでも思い切って行動を起こす際の決まり文句です。直訳すると「ここから何もない状態が始まる」という、一見矛盾した響きを持ちますが、「何も起きていないまっさらな状態から、賭けに出る」という逆説的なニュアンスがそのまま意味になっています。重要な決断の直前、緊張しながらも一歩を踏み出す瞬間に、独り言のように使われることが多い表現です。文の形としても完結しているため、単独の一言として、あるいは行動の直前の合図として、そのままつぶやくように使えるのも扱いやすさの一つです。

【ここがポイント!】

  • 結果が読めない状況で、思い切って行動に踏み切る瞬間の決まり文句
  • 「ここから何もない」という逆説的な響きが、賭けに出る緊張感を表す
  • 深呼吸とセットで使うと、行動へ踏み出す気持ちが自然に伝わる

『BONES』S12E09のシーンで見てみよう

行動に踏み切る瞬間のイメージを押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。容疑者レイ・キンボールの尋問が行き詰まる中、ワイアットが電話越しにオーブリーへ意外な助言を持ちかけ、オーブリーが不安を抱えながらも決断を下します。

Wyatt: Um, Agent Aubrey, I think I have a solution for you. You should let the idiot go free.
(オーブリー捜査官、君のための解決策を思いついたよ。あの間抜けを自由にしてやるべきだ。)

Aubrey: What? No, at minimum, the guy is an accessory.
(は?だめですよ、少なくともあいつは共犯なんですから。)

Wyatt: Which is why you should keep him in your sight, but first, let him lead you to his partner in crime.
(だからこそ目を離さずにおいて、まずは相棒のところへ案内させるべきなんだ。)

Aubrey: Okay. Here goes nothing.
(分かりました。ダメ元でやってみます。)

BONES Season12 Episode9 (The Steal in the Wheels)

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シーン解説と心理考察

意外な提案から始まったやり取りに、二人のせめぎ合いが表れています。「あの間抜けを解放してやれ」という助言にオーブリーは一瞬強く反発しますが、ワイアットは「解放はするが、目は離さず、相棒のもとへ案内させろ」という真意をすぐに説明します。

不安を抱えながらも、オーブリーが「Okay. Here goes nothing.」と踏み切る短い一言には、確信が持てないまま賭けに出る緊張感が滲みます。この決断は直後の場面で実行に移され、ブースへの報告を通じて捜査が動き出すきっかけとなっており、短いセリフの中に物語の転換点が凝縮されている場面だと読み取れます。反発から納得、そして実行へと気持ちが切り替わる速さそのものが、現場で決断を迫られる捜査官の緊張感を映し出しています。オーブリーの短い返事の奥に、まだ拭いきれない不安と、それでも前に進む覚悟が同居している様子がうかがえます。電話の向こうから助言するワイアットの落ち着いた口調と、現場で決断を迫られるオーブリーの緊張感との温度差も、この場面全体に独特の緊迫感を与えています。

『BONES』流・覚え方のコツ

崖の縁に立ち、一歩踏み出す直前に深呼吸をする瞬間を思い浮かべてみましょう。here(ここ)から goes nothing(何もない状態が始まる)という組み合わせが、結果がどう転ぶか分からないまま行動に移す一瞬の緊張感を表しています。

劇中では、確信のないまま容疑者を解放するという賭けに出る決断の直前に使われており、不安と覚悟が入り混じった心理状態ごと記憶に残るフレーズです。オーブリーの「Okay.」という短い前置きと、そのすぐ後に続く「Here goes nothing.」のセットを思い出しておくと、迷いを振り切って一歩踏み出す瞬間のリズムがそのまま体に馴染みます。実際に深呼吸を一つしてからこの一言を口に出してみると、行動の直前に気持ちを切り替える感覚がつかみやすくなります。

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例文で覚える「here goes nothing」

here goes nothing は、初めての挑戦から緊張する本番前まで、行動に踏み切る瞬間そのものを表す場面で活躍します。3つの場面を通して使い方を見ていきましょう。

I’ve never done this before, but here goes nothing.
(これは初めてやることだけど、まあやってみよう。)
初めての挑戦に踏み出す場面で使えます。経験のなさを認めつつ、それでも前に進む姿勢が伝わる一言で、緊張と期待が入り混じった空気を運んできます。

He took a deep breath, said “here goes nothing,” and hit send.
(彼は深呼吸をして「ダメ元だ」とつぶやき、送信ボタンを押した。)
重要なメールや連絡を送る決断の場面を描写する形です。動作の直前に独り言として使われる典型的なパターンが見えてきます。

A: Are you ready for the presentation?
B: Not really, but here goes nothing. Wish me luck.
(A:プレゼンの準備はできた?)
(B:正直まだだけど、まあやってみるよ。うまくいくよう祈ってて。)
本番直前、不安を抱えながらも前に進む姿勢を相手に伝える会話です。「Not really」という正直な返答とセットで使われることで、フレーズの持つ緊張感がより伝わってきます。

あわせて覚えたい関連表現

fingers crossed
(うまくいくよう祈って)
here goes nothing が「行動に踏み切る瞬間」を表すのに対し、fingers crossed は結果を「祈って待つ」姿勢に焦点がある表現で、行動そのものよりも結果を待つ心境を語ります。

take the plunge
(思い切って踏み切る、大きな決断をする)
here goes nothing が口語的な独り言に近い響きなのに対し、take the plunge はより一般的な「大きな決断をする」という意味で、転職や結婚など人生の節目で幅広く使われます。

no turning back now
(もう後戻りはできない)
here goes nothing が「これから始める」という開始の瞬間を表すのに対し、no turning back now は「すでに動き出して後戻りできない」という進行後の状況を表す表現です。

Note|「ダメ元」に近いようで違う、here goes nothing の感覚

日本語で近い感覚を探すとき、「ダメ元でやってみる」という言い回しが here goes nothing の訳としてよく当てられます。ただし、この二つの表現には微妙な温度差があると考えられます。

「ダメ元」は、失敗する可能性が高いことをあらかじめ受け入れた上で、それでも試してみるという、やや諦め混じりの響きを持つ言い方です。一方 here goes nothing は、結果がどちらに転ぶか分からない状況全般で使われ、必ずしも「失敗する可能性が高い」ことを前提としていません。むしろ「まっさらな状態から、何かが動き出す」という中立的な緊張感に重心があり、成功の見込みが十分にある場面でも使われます(here goes nothing の使用実態に関する詳細な言語データについては外部情報源での確認が取れていません)。オーブリーのように、根拠のある助言を受けて踏み切る場面でこの表現が使われているのも、単なる「捨て鉢な挑戦」ではなく、「不確実だが理にかなった一歩」というニュアンスを裏付けています。

日本語に完全に対応する言葉がないからこそ、こうした表現は文脈と一緒に体で覚えていく必要があります。踏み出す瞬間の緊張感そのものが、この一言の意味を教えてくれます。訳語を一対一で覚えるよりも、こうした場面の空気ごと記憶しておく方が、実際の会話で自然に口をついて出てきやすくなります。

まとめ|迷いを振り切る、短い一言の力

here goes nothing は、結果が読めない状況でも思い切って行動に踏み切る、そんな瞬間を一言で表す表現です。

初めての挑戦や重要な決断の直前、不安を抱えながらも前に進もうとする気持ちが、この短いフレーズには凝縮されています。オーブリーが電話越しの助言を受けて踏み切ったように、確信よりも一歩を選ぶ場面で自然に口から出てくる言葉だと言えます。完璧な確証がそろうのを待っていては、動き出せない瞬間の方が、実際には多いのかもしれません。

迷いを完全に消してから動くのではなく、迷いを抱えたまま動き出す勇気を、この一言は静かに後押ししてくれます。

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