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今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第16話に描かれる、学科対抗のペイントボール戦です。化学科・薬理学科・天文学科・物理学科がそれぞれ「テリトリー」を主張し合い、作戦名までつけて盛り上がるレナードたちの様子から、職場や大学の部署単位で行われるレクリエーション活動の空気が見えてきます。
大げさな「作戦会議」の発想と、勝負のあとの締めくくり方を見ていきます。
部署ごとに「テリトリー」を主張し、大げさな作戦名で盛り上がる遊び方
ペイントボール場で、レナードたちのグループは他の学科に囲まれ、身動きが取れない状況に陥っています。
Leonard: There’s no way we can get to the ridge. The Chemistry Department has us completely cut off.
(尾根まで行く方法がない。化学科に完全に封じられてる。)TBBT Season2 Episode16 (The Cushion Saturation)
The Chemistry Department has us completely cut off. という言い方には、遊びであるはずのペイントボールの陣取りを、実際の部署名を使って語る発想が表れています。ゲーム上の敵チームではなく、日常的に顔を合わせている「化学科」という単位で語ることで、遊びと職場の垣根があいまいになっている様子が伝わってきます。シェルドンも、薬理学科が実験用ステロイドで気が立っているという理由で別ルートを退け、この状況を招いたのは物理学科の作戦会議を欠席した者がいるせいだと、深刻な調子で指摘します。
Sheldon: I think the time has come to acknowledge that we are paying the price for some of us failing to attend my Physics Department paintball strategy meeting.
(物理学科のペイントボール作戦会議を欠席した者がいたせいで、僕らはその代償を払っていると認めるときが来たと思う。)TBBT Season2 Episode16 (The Cushion Saturation)
paintball strategy meeting という言い方そのものが、この場面の面白さを凝縮しています。遊びの前に真面目な「作戦会議」を開くという発想は、この劇中では大げさなコメディとして描かれていますが、職場や学校のレクリエーション活動でも、遊びの前に段取りや役割分担を決める場が設けられることはあります。もっとも、その真剣度は職場や活動の性質によって幅があり、ここまで仰々しく語られること自体が、シェルドンというキャラクターらしい誇張と見るのが自然です。実際、劇中ではラージが「Operation Hammer of the Gods」というものものしい作戦名を提案する場面もあり、遊びの陣取りにわざわざ軍隊調の名前を付ける発想も、このコメディならではの誇張として描かれています。
勝負の締めくくり方——部外者を誘い、負けたらダイナーへ
エピソード終盤、再びペイントボール場に集まった一行にレナードが声をかけます。今回は研究仲間ではないペニーも加わっています。
Leonard: Okay, first of all, Penny, thank you for coming.
(よし、まずはペニー、来てくれてありがとう。)TBBT Season2 Episode16 (The Cushion Saturation)
Thank you for coming. という一言は、身内だけの遊びに部外者を招き入れる場面で交わされる、迎え入れの定番の言い方です。研究仲間の輪の中に、射撃の腕を見込んだペニーを仲間として迎える様子には、共通の趣味や活動を通じて人間関係が広がっていく一例が見て取れます。こうした「本業とは別の集まりに知人を誘う」という発想は、アメリカに限らず見られるものですが、職場単位のレクリエーションという形を取りやすい場面のひとつとして、この劇中の描写は分かりやすい例と言えます。
一連の攻防が乱戦のうちに終わったあと、締めくくりの一言が交わされます。
Leslie: Surrender, then Denny’s.
(降参して、それからデニーズね。)TBBT Season2 Episode16 (The Cushion Saturation)
Surrender, then Denny’s. の Denny’s は、アメリカ各地にある24時間営業のファミリーレストランチェーンの固有名です。勝負が終わったあと、そのまま解散するのではなくダイナーへ流れて軽食を取るという流れは、この劇中では当然の後日談のように語られています。遊びのあとに気軽な飲食店へ移動して締めくくるという習慣は、地域や集まりの性質によって定番の店やスタイルに幅があり、Denny’sという固有名も一つの例として捉えるのが適切です。それでも、勝負そのものと同じくらい、その後の軽食への流れが自然な会話として交わされている点に、レクリエーションが人付き合いの延長として扱われている空気が表れています。
まとめ|遊びの中にも見える、部署単位の集まり方
化学科・薬理学科・天文学科・物理学科という部署名でのテリトリー争い、paintball strategy meeting という大げさな作戦会議、そして Surrender, then Denny’s. という締めくくり方。いずれも劇中のコメディとして誇張された描写ですが、部署単位で集まって遊び、そのあとに軽く食事をするという流れそのものは、職場のレクリエーションのひとつのあり方として観察できます。
次回も『ビッグバン★セオリー』を通して、アメリカの暮らしに触れる場面を追いかけていきましょう。
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