「pull some strings」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S02E16で学ぶ英会話

「pull some strings」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

予約の取れない人気店にすんなり入れたり、面接の機会をふいに用意してもらえたり——誰かが裏でうまく取り計らってくれた、という経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「pull some strings」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第16話の中盤、恋人レスリーのコネで研究旅行に潜り込んだハワードが、それを得意げに自慢するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「pull some strings」の意味とニュアンス

pull some strings
意味:コネや人脈を使って、裏で便宜を図ってもらう

操り人形(マリオネット)の糸を裏で引いて動かすイメージから生まれた表現です。表からは見えない影響力やつながりを使って、物事を自分に有利に運ぶことを指します。正規の手続きを飛ばして「裏の力」で動かす、というややくだけた含みがあり、就職や入学、予約などコネが効く場面でよく使われます。

必ずしも違法なことを意味するわけではありませんが、「実力ではなく人脈で得た」という、少し後ろめたいニュアンスを伴うことが多い表現です。strings の部分は a few strings や some strings のように数量を添える形が一般的で、名詞化した string-pulling(コネ回し)という言い方もあります。

【ここがポイント!】

  • 核となるイメージは「操り人形の糸を裏で引く」見えない力
  • コネや人脈で便宜を図ってもらう、ややくだけた含みの表現
  • 「持っている(状態)」ではなく「使う(行為)」に焦点が当たる一言

『ビッグバン★セオリー』S02E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

物理学者でもないハワードが、恋人レスリーの権限を使って、物理学者垂涎のCERN(欧州原子核研究機構)視察旅行に潜り込んだことを自慢する場面です。本職の物理学者であるレナードが、これに我慢ならず噛みつきます。

Howard: By the way, did I tell you? Leslie pulled some strings and got me on the research trip to Geneva to check out the CERN Supercollider.
(ところで言ったっけ?レスリーが手を回して、CERNの加速器を見るジュネーブ出張に俺をねじ込んでくれたんだ)

Leonard: That’s not fair. You’re not even a physicist.
(不公平だよ。お前、物理学者ですらないだろ)

Howard: Okay, there are two ways of looking at this…
(まあ、これには二つの見方があってだな…)

Leonard: Get out.
(出ていけ)

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シーン解説と心理考察

ハワードの「pulled some strings」というひと言には、レスリーの権限を誇る気持ちと同時に、自分が実力ではなくコネで手に入れたことを無邪気に認めてしまう軽さが表れています。物理学者でない自分が物理学の聖地に行けることを、まるで武勇伝のように語る得意げな様子が伝わってきます。

対するレナードの「Get out(出ていけ)」は短いひと言ですが、本職を差し置いてコネだけで特権を得たことへの苛立ちが、この一言に重なっています。ハワードの言い訳めいた「二つの見方があって」を最後まで言わせない、その間合いに、レナードの呆れがにじむ場面です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

このフレーズは、舞台の上で勝手に動いているように見える操り人形を思い浮かべると覚えやすくなります。人形の上には、観客からは見えない糸(strings)が伸びていて、人形遣いがそれを引いて動かしている——この「見えない力で物事を動かす」絵が、コネや裏工作のニュアンスそのものです。

ハワードが、恋人レスリーという一本の「糸」を引いて、本来なら入れないはずのCERN視察に滑り込む。その図と重ねると、「裏で手を回す」という意味が手の動きごと記憶に残ります。

例文で覚える「pull some strings」

就職、予約、手続きなど、コネが効く場面で幅広く使えます。場面の違う3つの例文で、その使い方を見てみましょう。

My uncle pulled some strings to get me an interview at the firm.
(叔父がコネを使って、その会社の面接にこぎつけてくれた)
就職活動でコネの力を語る、最も典型的な使い方です。「手を回して機会を作ってくれた」というニュアンスが出ます。

He pulled some strings to fast-track the visa application.
(彼は手を回して、ビザ申請を優先処理させた)
手続きを通常より早く進めてもらう場面です。fast-track(優先的に進める)と組み合わせると、便宜の中身が具体的に伝わります。

A: How did you get a table at that fully booked restaurant?
B: My friend knows the manager, so she pulled a few strings for us.
(A:あの満席のレストラン、どうやって席取ったの?)
(B:友達がマネージャーと知り合いで、ちょっと手を回してくれたの。)
日常会話での使い方です。a few strings のように数量を変えても自然で、ここでは「ちょっと便宜を図ってもらった」という軽い含みになります。

あわせて覚えたい関連表現

have connections
(コネがある、人脈を持っている)
こちらは人脈を「持っている」という状態を表します。pull some strings は、その人脈を実際に「使って動かす」行為に焦点がある点で異なります。

grease the wheels
(物事がスムーズに運ぶよう取り計らう)
滞りをなくして物事を円滑に進めるイメージで、時に根回しや賄賂の含みもあります。pull some strings は人脈による便宜が中心という違いがあります。

open doors
(チャンスへの道を開く)
機会やチャンスを生み出す、前向きな響きの表現です。pull some strings のような「裏で操作する」後ろめたさは薄く、より明るいニュアンスで使われます。

Note|操り人形の糸が生んだ「裏で動かす」という比喩

pull some strings の strings は、文字どおりマリオネットを操る「糸」のことです。この一本一本の糸が、表現の成り立ちを物語っています。

マリオネット人形劇は、ヨーロッパで長い歴史を持つ娯楽でした。舞台の上では人形が生きているように動きますが、その動きはすべて、上から伸びる糸を人形遣いが引くことで生まれています。観客に見えないところで人や物事を操る——この構図から、「裏で影響力を行使して物事を動かす」という比喩が定着していきました。同じ発想は、政治の黒幕を指す puppet master(人形遣い)という言い方にも生きています。表に立つ人物の後ろで、見えない糸を引く存在というわけです。

この成り立ちを知っておくと、ハワードがレスリーという「糸」を引いてもらってCERN視察に潜り込んだ構図が、まさに人形劇のように見えてきます。

英語圏では実力主義が建前として重んじられる一方、こうした人脈の力を率直に認める言葉も、しっかり日常に根づいているのですね。

まとめ|ハワードの自慢から学ぶ「裏で手を回す」表現

pull some strings は、コネや人脈を使って裏で便宜を図ってもらうことを表す表現です。操り人形の糸を引くイメージから生まれた、「見えない力で物事を動かす」というニュアンスが核になっています。

この表現を知っていると、誰かに取り計らってもらった経験を語るときや、人脈の働きを描写するときに、ぐっと自然な英語になります。ハワードのように得意げに使うこともあれば、感謝を込めて「手を回してくれた」と語ることもできる、表情の幅のある言い回しです。

コネや人脈の働きをさらりと言い表したい場面で、会話のレパートリーに加えてみてください。

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