海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが状況や情報をうまく利用して得をしているのを目にして、思わず「それであの人だけ稼いでいるのか」と感じた経験はありませんか。
そんな場面で使いたい「make money off」を、『ホワイトカラー』シーズン4第9話の前半、進行中の潜入捜査を巡ってピーターがニールに詰め寄る場面から、一緒に見ていきましょう。
「make money off」の意味とニュアンス
make money off
意味:〜で金を稼ぐ、〜を利益源にする
make money off は、make money(金を稼ぐ)に off が組み合わさることで、「何か、あるいは誰かを利益の源にして稼ぐ」というニュアンスが加わる表現です。off はここで「〜から(利益を)引き出す」感覚を運ぶ前置詞で、対象は人・出来事・情報など幅広く当てはめられます。
ビジネスや投資の話題で収益構造を説明するときにも使われますが、他人の状況や弱みを利用して儲けているというニュアンスを含むこともあり、批判的な文脈で登場することも少なくありません。同じ「稼ぐ」でも、対象への視線がやや冷ややかになるのがこの表現の特徴です。
主語が誰で、off の後ろに何を置くかによって、素直な収益説明にも、皮肉のこもった批判にも姿を変える柔軟さを持った表現だと言えます。誰の視点から語られているのかを意識するだけで、この表現の温度感がぐっと読み取りやすくなります。
【ここがポイント!】
- 「make money off」の核は、対象を利益の源として扱う「稼ぎ方」の表現
- ビジネスの説明にも、批判めいた指摘にも使える幅のある言い回し
- off の後ろに置かれる対象が人か出来事かで、響きの冷ややかさが変わってくる
『ホワイトカラー』S04E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
FBIに協力する立場のニールが、捜査中の情報をダンハムに漏らしたことに対し、ピーターは捜査の危うさを案じています。2年がかりの捜査が水泡に帰しかねないと詰め寄るピーターに、ニールが持論で切り返す一連のやり取りに注目です。
Peter: You’re jeopardizing a 2-year federal investigation and allowing Dunham to make millions off of it.
(君は2年がかりの連邦捜査を危険にさらして、ダンハムにそれで何百万も稼がせようとしている。)Neal: Oh, no. Technically, it’s either one or the other. If he makes millions, he won’t jeopardize the investigation.
(いや、違うよ。厳密に言えば、どちらか一方なんだ。彼が何百万も稼ぐなら、捜査を危険にさらすことはない。)Peter: He’s working with at least 30 other traders. If he puts it out there…
(彼は少なくとも30人の他のトレーダーと組んでいる。もし情報を外に出したら……)Neal: He won’t.
(出さないよ。)Peter: And why?
(なぜだ?)Neal: Because he’s thorough.
(彼は用意周到だからさ。)White Collar Season4 Episode9 (Gloves Off)
シーン解説と心理考察
2年間の捜査を台無しにしかねないと、ピーターはダンハムが「それで何百万も稼ぐ(make millions off of it)」ことへの懸念を率直にぶつけます。捜査官としての慎重さがこの一言に表れています。
対するニールは「儲けるか、捜査を壊すかのどちらか一方だ」と論理を切り返し、動じる様子を見せません。追い詰められても冷静さを崩さない切り返しの巧みさが伝わってきます。「30人の他のトレーダー」という具体的な数字を持ち出すピーターの追及にも、ニールは「彼は用意周到だから」と短く言い切り、相手を信頼しているかのような余裕をにじませています。
言葉数の少ないやり取りの中に、捜査の緊張感と、それでも動じないニールの読みの深さが同時ににじみ出ている場面です。短い応酬の一往復ごとに、追及する側と切り返す側の立場が交互に浮かび上がってきます。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
make money off を覚えるコツは、対象からお金だけをすっと切り出して自分の懐に収める動きをイメージすることです。off が持つ「切り離す」感覚と結びつけると、「対象そのものではなく、そこから利益だけを取り出す」という語感がつかみやすくなります。
劇中でもピーターが「ダンハムにそれで何百万も稼がせている」と、捜査対象の人物が利益を得ている構図を批判的に指摘していました。稼ぐ本人ではなく、稼がせている側の視点から語られる場面のように、誰目線で使われているかを意識すると、このフレーズの持つ冷ややかな響きが記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「make money off」
批判めいた文脈からビジネスの会話まで、make money off を、3つの例文で確認していきましょう。
Some scammers make money off people’s fear during emergencies.
(詐欺師の中には、緊急時の人々の不安につけこんで金を稼ぐ者もいる)
社会問題や詐欺の手口について語る場面です。people’s fear のように対象を人の弱みに置くと、批判的な響きが強まります。
He’s trying to make money off his old comic book collection.
(彼は古いコミックのコレクションで一儲けしようとしている)
趣味の品を売却して稼ごうとする日常会話の場面です。批判的な意味合いはなく、軽い調子で使われています。
A: How does this app make money off free users?
B: It makes money off ads and premium subscriptions.
(A:このアプリは無料ユーザーからどうやって収益を得ているの?)
(B:広告と有料プランで稼いでいるんだ。)
ビジネスモデルについて話し合う場面です。収益源を具体的に説明する際に自然に使われています。
あわせて覚えたい関連表現
profit from
(〜から利益を得る)
make money off よりもややフォーマルな響きを持ち、ビジネス文書やニュース記事で好まれる表現です。
cash in on
(〜につけこんで儲ける、〜を利用して稼ぐ)
好機やブームに便乗して稼ぐニュアンスが強く、make money off と同様に批判的な響きを帯びることが多い表現です。
live off
(〜で生計を立てる)
一時的な儲けを指す make money off とは異なり、継続的な生活の糧を得るという意味合いが強い表現です。
Note|make money from/off/on/byの前置詞が生む語感の違い
make money のあとに続く前置詞が変わるだけで、稼ぎ方に対する印象がずいぶん変わってきます。make money from は「その分野・活動から」収益を得るという、比較的中立的で一般的な言い方です。ビジネスの説明で「不動産から収益を得ている(make money from real estate)」のように使われる場面がよく見られます。
一方で make money off は、対象を「利益の源」として扱うニュアンスが強く、対象が人であればあるほど、そこには「利用している」という影が差し込みます。劇中のピーターの台詞のように、捜査対象の人物を主語に取らず、あえて「ダンハムに稼がせている」という構図で語られると、冷ややかな批判の視線がより際立ちます。似た形の make money on は「その取引・投資自体で」利益を得るという、金融的な文脈でよく使われる言い方です。make money by は「〜することによって」と、手段そのものに焦点を当てる表現になります。
こうして並べてみると、make money off が持つ「対象を利益の源にする」という語感の独自性が浮かび上がります。単なる収益構造の説明ではなく、そこに人の思惑や利害が絡んでいることを示唆したいときに選ばれる前置詞だと言えます。ニュースの見出しなどで off が選ばれているときは、書き手がその稼ぎ方に批判的な視線を向けている合図だと読み取ることもできます。
前置詞ひとつで話し手の立ち位置がにじみ出てくるのは、英語表現の面白いところです。誰が誰から稼いでいるのか、その関係性を意識しながら前置詞を選ぶと、伝えたいニュアンスがぐっと正確になります。
まとめ|利益の出どころを見極める視点
make money off は、対象を利益の源として扱う「稼ぎ方」を表す表現であり、文脈次第でビジネスの説明にも、批判めいた指摘にも姿を変えます。誰が、何を利益源にしているのかという視点を意識すると、このフレーズの持つ語感がぐっとつかみやすくなります。
収益構造を説明する場面でも、誰かの儲け方に疑問を投げかけたい場面でも、この一言があれば状況に応じた表現の使い分けができます。
2年がかりの捜査を賭けてダンハムの動きを追うピーターと、それでも動じずに持論を展開するニールのやり取りには、稼ぐ側と見張る側、それぞれの緊張感が滲んでいると言えます。冷静な切り返しの奥に潜む読みの深さも、あわせて印象に残る場面です。短いやり取りの応酬そのものが、二人の信頼関係の裏側にある緊張をよく映し出しています。


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