海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
朝ごはんもまだなのに玄関先に誰かが立っていて、しかも自分の部屋にはすでに別の来客がいる。そんな慌ただしい朝の巡り合わせに覚えはないでしょうか。
そんな場面にぴったりの「have company」を、『ホワイトカラー』シーズン4第16話の序盤、まだ寝ていたニールのもとに次々と人が訪ねてくる朝の一幕から、一緒に見ていきましょう。
「have company」の意味とニュアンス
have company
意味:来客がいる、誰かと一緒にいる
have company は、company という語を「同席者」「連れ」という意味で使い、自分のところに今、人がいることを伝える口語表現です。company はここでは「会社」ではなく、誰かと共にいる状態そのものを指す不可算名詞で、a や the をつけずに使うのがポイントです。have の代わりに had や’ve got を使っても意味は変わらず、電話中や来客に応対しているときに、状況を手短に伝える言い回しとしてよく使われます。
似た内容を表す表現に someone is here や a guest arrived がありますが、have company はもう少し柔らかく、来客の詳しい説明を省いたまま「今は取り込み中だ」というニュアンスをさらりと伝えられる点に特徴があります。誰なのか、何のために来ているのかを説明する義務を感じさせない、ほどよい距離感のある言い回しとも言えます。
【ここがポイント!】
- 「have company」の核は、今まさに誰かと一緒にいるという状態を伝えること
- company は不可算名詞で使い、a company や companies にはしない
- 電話や会話を切り上げる理由として、詳しい説明抜きで使えるのがコツ
『ホワイトカラー』S04E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
まだ朝早い時間、寝ていたニールのもとを誰かが訪ねてきます。ピーターからの電話を受け取っていなかったらしいニールに対し、訪ねてきたその人物は、具体的な事情を聞かされないまま、とにかくすぐここに集まるようにとだけ言われていた様子です。部屋に足を踏み入れたところで、ニールのもとにすでに別の来客がいることに気づいた瞬間のやり取りに注目です。
Neal: What are you doing here so early?
(こんな朝早くに、何してるんだ?)James: Guess you didn’t get Peter’s call.
(ピーターからの電話、受け取ってなかったみたいだね。)Neal: I was sleeping. What’s going on?
(寝てたんだ。何かあったのか?)James: He didn’t get into specifics. Just said we ought to meet here right away. Didn’t know you had company.
(具体的なことは言ってなかった。とにかくすぐここに集まるべきだ、としか。先客がいるとは知らなかったよ。)Neal: I’ve got company.
(客が来てるんだ。)White Collar Season4 Episode16 (In the Wind)
シーン解説と心理考察
事情を聞かされないまま「とにかくすぐに集合」とだけ伝えられた慌ただしさが、訪問者の言葉の端々に表れています。まだ眠っていたニールに対して事情を尋ねる余裕もなく、要点だけを手短に伝えようとする様子から、朝一番から緊急の呼び出しがかかったことがうかがえます。
一方のニールは、寝起きにもかかわらず落ち着いた調子で「寝てたんだ。何かあったのか」と応じています。訪問者が部屋の奥にすでに別の人物がいることに気づいた瞬間も、ニールは詳しい説明を加えず「客が来てるんだ」と短く答えるにとどめます。多くを語らないその一言には、朝から立て続けに人が訪ねてくる慌ただしさを、いちいち説明せずにやり過ごそうとする余裕がにじみます。
短いやり取りの積み重ねから、朝から複数の人物が同じ場所に集まりつつある緊張感と、ニール自身がその状況を騒ぎ立てずに受け止めている落ち着きの両方が伝わってきます。誰か一人が慌てても、もう一人が動じない様子を見せることで、場の空気が保たれている点も見どころです。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
have company を覚えるコツは、部屋の扉を開けたら、すでに誰かがそこにいた場面を思い浮かべることです。company という語そのものに「一人ではない」という状態が詰まっていて、have を添えるだけで「今、自分の場に誰かいる」という状況をそのまま伝えられます。
このシーンでも、朝の慌ただしい呼び出しの最中に、部屋の中にもう一人の存在がさりげなく明かされる瞬間に使われていました。難しい説明を挟まずに状況を一言で片づけてしまう、そのシンプルさごと覚えておくと、電話中や来客対応の場面でとっさに口から出てくるはずです。
例文で覚える「have company」
日常のちょっとした場面から電話でのやり取りまで、have company を3つの例文で確認していきましょう。
Sorry, I can’t talk right now. I have company.
(ごめん、今は話せない。来客中なんだ。)
電話中に来客を理由に会話を切り上げる場面です。詳しい事情を省いたまま、状況だけを簡潔に伝えられます。
I’m sorry, Mr. Tanaka has company at the moment. Could you call back in an hour?
(申し訳ございません、田中はただいま来客中です。1時間後にお掛け直しいただけますか?)
取引先からの電話に、担当者が来客中であることを伝えて折り返しを依頼するビジネスシーンです。取り込み中であることを丁寧に伝える言い方として使えます。
A: Are you busy tonight?
B: Yeah, I’ve got company coming over.
(A:今夜は忙しい?)
(B:うん、お客さんが来るんだ。)
友人からの誘いをやんわり断る場面です。’ve got company という形も、have company と同じ意味でよく使われます。
あわせて覚えたい関連表現
have guests over
(客を家に招いている)
have company が「誰かが一緒にいる」という状態そのものを表すのに対し、have guests over は自分から招待して人を家に呼んでいるニュアンスが強く、来客の意図がより明確になります。
be with someone
(誰かと一緒にいる)
より中立的で一般的な表現で、have company が持つ「来客」「連れ」といった特別な響きは薄く、単に人と一緒にいる状態を淡々と伝えます。
not be alone
(一人ではない)
「一人でない状態」そのものに焦点があり、have company のように今どこかに人が来ている、という具体的な状況までは示しません。
Note|company の「仲間」という原義と、来客を告げる一言への広がり
company という単語には、日常会話の「来客」という意味からは想像しにくい、パンにまつわる語源があるとされています。
ラテン語の com(共に)と panis(パン)を組み合わせた語に由来するとされ、もともとは「パンを共にする者」、つまり同じ食卓を囲む仲間を指す言葉だったと言われています。そこから意味が広がり、行動を共にする仲間や同伴者、さらには自分のもとを訪れる客人までを指すようになったとされています。中世の商人組合を意味する company(会社)という用法も、同じ語源から枝分かれしたものだとされています。「食卓を共にする仲間」という一つの原義から、「連れ」「客」「会社」という複数の意味が枝分かれしていった様子は、英単語の意味の広がり方として興味深い例といえます。
このシーンで交わされた「客が来てるんだ」という一言にも、company が何百年もの時を経て保ち続けてきた「一人ではない」という核が、そのまま息づいています。
一つの単語が長い時間をかけて意味を広げていく過程を知ると、何気ない一言にも少し違った奥行きが感じられます。食卓を囲む仲間から始まった言葉が、何百年もの時を経て、玄関先の一言としても違和感なく使われている、その連続性そのものが興味深いところです。
まとめ|「一人じゃない」を一言で伝える
have company は、自分のところに今、人がいることを一言で伝える表現です。company という語が持つ「誰かと共にいる」という核を押さえておけば、電話中でも来客対応中でも、詳しい説明を省いたままとっさに使える一言として役立ちます。
急な来客で会話を切り上げたいときも、誰かを家に迎え入れるときも、この一言があれば状況をすっと伝えられます。
予定外の来客が重なった朝でも、多くを語らずに「客が来てるんだ」とだけ答えたニールの様子には、事情をいちいち説明しない落ち着きが表れていると言えます。この一言も、表現の引き出しに加えてみてください。


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