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『モダンファミリー』シーズン7第16話では、フィルとクレアがそれぞれ、相手に知られたくない小さな隠しごとを抱えます。どちらも、とっさに口から出た一言が始まりで、そこから話が少しずつふくらんでいきます。
うそは最初の一言より、その後の取り繕いのほうが大きくなりがちです。この回には、思わず出た言葉に戸惑う一言から、引き返せなくなった状態を表す言い方までが並んでいます。
「Don’t know why I said that.」思わず出た一言に戸惑う
フィルは出先で、家を探しているというアンジーと知り合います。その後、アンジーからもらった連絡先に気づいたクレアに、こう聞かれます。
Claire: Who’s Angie?
(アンジーって誰?)Phil: Oh.
(ああ。)Phil: Just a woman I m-met inside.
(中で会っ、会っただけの女の人だよ。)Claire: Really? She gave you her number? And dotted her “I” with a little heart?
(へえ? 電話番号をくれたの? しかも「i」の点を小さなハートにして?)Phil: Oh, yeah.
(ああ、うん。)Phil: She’s looking for a house.
(家を探してるんだって。)Modern Family Season7 Episode16 (The Cover-Up)
Who’s ~? は、見慣れない名前について短く尋ねる形です。フィルの返事にある just は「ただの」という意味で、相手の存在を小さく見せる働きをしています。
このあとフィルは、アンジーについて事実とは違う説明をもう一言付け加え、続けてこう言います。
Phil: Don’t know why I said that.
(なんでそんなこと言ったんだろう。)Modern Family Season7 Episode16 (The Cover-Up)
Don’t know why I said that. は文頭の I を省いた口語の形で、自分の口から出た言葉に自分で戸惑うときに使えます。I don’t know why I said that. と主語を入れても意味は同じですが、省いた形のほうが独り言に近い響きになります。
同じ一言は、後半でクレアの口からも出てきます。クレアもヨガ教室の件でフィルに隠しごとをしていて、フィルとのやりとりの中でまったく同じ言葉を口にします。
夫婦が別々の場面で同じ言葉を使っているため、聞き比べると言い回しが記憶に残りやすくなります。似た言い方に I have no idea where that came from.(どこからそんな言葉が出てきたのか分からない)があり、こちらも自分の発言に戸惑う場面に合います。
「came out of his mouth」と「over and over」うそが重なる様子
別の場面では、ルークがニクソン大統領についての課題に取り組んでいます。ルークの感想に、フィルが言葉を返す流れです。
Luke: What an idiot.
(バカだなあ。)Luke: He had it all and just threw it away because of some stupid lie.
(全部手に入れてたのに、くだらないうそひとつで棒に振ったんだよ。)Phil: Well, maybe it came out of his mouth before he knew what he was saying.
(まあ、自分で何を言ってるか分かる前に、口から出ちゃったのかもしれないだろ。)Luke: Okay, but then he just kept lying over and over and making it worse and worse.
(うん、でもそのあと何度も何度もうそをついて、どんどん悪くしていったんだ。)Modern Family Season7 Episode16 (The Cover-Up)
throw it away は物を捨てるだけでなく、手にしていた立場や機会を「棒に振る」という意味でも使われます。
フィルの it came out of his mouth before he knew what he was saying は、考えるより先に言葉が出てしまったことを伝える言い方です。his/he を my/I に変えれば、自分の失言を説明するときにもそのまま使えます。たとえば Sorry, it just came out of my mouth.(ごめん、つい口から出ちゃった)のように、just を添えると「わざとではない」というニュアンスが強まります。
ルークの返しには、繰り返しを表す形が二つ入っています。over and over は「何度も何度も」、worse and worse は比較級を重ねて「どんどん悪く」を表す形です。bigger and bigger、more and more のように、ほかの比較級でも同じ組み立てができます。
このやりとりは、フィルがアンジーについて事実と違う説明をした後の場面です。その順序を踏まえて読むと、ニクソンをめぐるフィルの返しの位置づけが見えてきます。
「in too deep」と「If only」引き返せなくなったら
会話の終わりで、ルークとフィルはこう言葉を交わします。
Luke: If only he had told the truth.
(本当のことを言ってさえいればなあ。)Phil: He was in too deep!
(もう深みにはまってたんだよ!)Modern Family Season7 Episode16 (The Cover-Up)
If only + had + 過去分詞 は、過去にそうしなかったことを悔やむ形で、「〜してさえいれば」と訳せます。If only I had asked.(聞いておけばよかった)のように、自分の後悔にもそのまま使えます。
in too deep は、水の深いところまで入りすぎて戻れない状態から、うそや面倒ごとに深入りして引き返せないことを表します。be in over one’s head(手に負えない状態になる)も近い場面で使われます。I’m in too deep to back out now.(今さら引き返せないほど深入りしている)のように、back out(手を引く)と組み合わせると状況が具体的になります。
うそを重ねて取り繕うことを、名詞では cover-up と言います。この回の英題も The Cover-Up です。思わず出た一言、重ねたうそ、そして引き返せない状態という三段階の言葉が、一話の中でつながっているのが分かります。
まとめ|口をついて出たうそを表す英語
Don’t know why I said that. で思わず出た言葉に戸惑い、over and over と worse and worse で重なっていくうそを表し、in too deep と If only で引き返せない状態と後悔を語ります。一話の中で、隠しごとがふくらむ流れを英語で追えます。
次回も『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。
ライバル同士の関係を語る言葉や、怖がる子をめぐる夫婦の会話は同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


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