海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第9話に登場する、心配の大きさを数字と比喩でどんどん膨らませていく言い方です。副鼻腔の手術を控えたレナードに対し、シェルドンが確率を持ち出しては再考を迫る場面から見ていきます。
one in 700,000のような確率の言い換え方や、大げさな比喩の作り方を一つずつたどっていくと、心配を大げさに伝える時の英語の型が見えてきます。
「one in 700,000」から「one in 300」へ、更新され続ける確率
レナードが副鼻腔の手術を受けると聞いたシェルドンは、以前に伝えた死亡確率を持ち出します。
Sheldon: Remember when I said if you went through with your surgery, there was a one-in-700,000 chance of dying?
(手術に踏み切ったら70万分の1の確率で死ぬと言ったのを覚えているか?)TBBT Season8 Episode9 (The Septum Deviation)
one in + 数字という形は、確率の大きさを具体的な分母で示す表現です。分母が小さくなるほど確率が高く聞こえるという仕組みが、この後の言い換えの土台になっています。シェルドンはさらに数字を計算し直し、確率をつり上げていきます。
Sheldon: Well, I’ve been crunching the numbers, and so far, I’ve gotten your probability of death all the way to a sphincter-tightening one in 300.
(実は数字を計算し直していてね、今のところ君の死亡確率は、括約筋が締まるような300分の1にまで上がっている。)TBBT Season8 Episode9 (The Septum Deviation)
crunch the numbersは、数字を細かく計算する・データを処理するという意味の表現です。sphincter-tighteningという体の反応を借りた形容が、確率の数字に緊張感を上乗せしています。心配はさらに具体的なたとえへと発展します。
Sheldon: You don’t, but the surgeon might, hmm? And your carotid artery is just one shaky scalpel away from becoming the dancing fountain at Disneyland.
(君にはなくても、執刀医にはあるかもしれないだろう?それに君の頸動脈は、震えるメスがほんの一振りするだけで、ディズニーランドの噴水ショーになりかねない。)TBBT Season8 Episode9 (The Septum Deviation)
just one 〜 away from …は、一歩間違えれば…になってしまうという際どさを表す形です。ディズニーランドの噴水という日常離れしたイメージに置き換える発想が、大げさな心配を笑いに変えています。
運転の方が危ない?比較と譲歩で心配をいなす言い方
次々と心配を重ねるシェルドンに対し、レナードは別の角度から切り返します。
Leonard: Sheldon, do you realize that driving is riskier than surgery?
(シェルドン、車の運転の方が手術より危ないって分かってる?)TBBT Season8 Episode9 (The Septum Deviation)
A is riskier than Bという比較級の形は、相手が気にしている対象より身近な行為の方がリスクが大きいと示すことで、心配の大きさを相対化する言い回しです。それでもシェルドンの心配は収まらず、レナードは相手の気持ちをいったん受け止めた上で自分の結論を伝えます。
Leonard: Buddy, I, I get that you’re worried about me and I, I appreciate that, but I’m not going to die.
(なあ、その、心配してくれてるのは分かるし、それはありがたいと思ってるよ。でも僕は死なない。)TBBT Season8 Episode9 (The Septum Deviation)
I get that 〜, and I appreciate that, but …という組み立ては、相手の心配を否定せずに一度受け止めてから、自分の立場をはっきり伝える言い方です。反論から入らずに済むぶん、会話の角が立ちにくい進め方です。
まとめ|数字と比喩で心配を大げさに語る英語表現
one in 700,000からone in 300への言い換え、crunch the numbers、just one 〜 away from …という比喩、riskier thanという比較、I get that 〜, but …という受け止め方まで、心配の大きさを言葉でどう操作するかという型をたどりました。数字の分母を変えるだけで確率の印象が変わり、たとえの置き換え方一つで深刻さの伝わり方も変わってきます。
次回の『ビッグバン★セオリー』でも、会話のやり取りから英語表現を拾っていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


コメント