「雇ってほしい」と自分を売り込むときの英語|『モダンファミリー』S06E07で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「雇ってほしい」と自分を売り込むときの英語|『モダンファミリー』S06E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第7話には、アンディがフィルに「あなたのもとで不動産の仕事を学びたい」と頼み込む場面があります。一度は断られたアンディが、フィルに促されて自分の長所を並べ始めるところまでが、ひと続きのやりとりとして描かれます。

働かせてほしいと伝える英語は、遠慮しすぎても押しすぎても伝わりにくいものです。頼む側、断る側、背中を押す側の言葉を、場面の順に見ていきます。

目次

「次の章」から切り出す、仕事を頼むときの英語

アンディはフィルに声をかけ、今の仕事の話から切り出します。

Andy: Mr. Dunphy, I love being a manny, but I can’t do it forever.
(ダンフィーさん、男のナニーの仕事は大好きなんですけど、ずっと続けるわけにはいかなくて。)

Andy: I just didn’t know what the next chapter should be, but then I met a guy named Phil Dunphy.
(次の章を何にすればいいのか分からなかったんです。でもそのとき、フィル・ダンフィーという人に出会って。)

Phil: What?
(え?)

Andy: A guy who loves what he does, and a guy who provided all this for his family.
(自分の仕事を愛していて、家族にこれだけのものを与えてきた人です。)

Andy: And then I realized, a career in real estate is what I want.
(それで気づいたんです。僕がやりたいのは不動産の仕事だって。)

Andy: And I was hoping I could learn from the best.
(それで、最高の人から学べたらと思ってたんです。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

最初の I love being ~, but I can’t do it forever. は、今の仕事を「大好き」と認めてから「ずっとは続けられない」と区切りをつける言い方です。今の立場を否定せずに次の話へ移れるので、転職や異動の相談を切り出すときの前置きとして使いやすい形と言えます。

what the next chapter should be は、人生の次の段階を本の「章」にたとえた言い回しです。進路の話を少しやわらかく持ち出したいときに便利です。

続いてアンディは、目の前のフィル本人のことを I met a guy named ~ と、第三者を紹介するような形で語り、フィルは「What?」と聞き返します。相手を持ち上げてから頼みごとに入る流れが、この場面の見どころです。

a career in real estate is what I want は、what I want を文の後ろに置いて「やりたいのはこれだ」と目的をはっきりさせる形です。最後の I was hoping I could ~ は、過去進行形を使って依頼の響きをやわらげる言い方として知られています。learn from the best は「最高の人から学ぶ」で、頼む相手への敬意を添える一言です。

自分の話に置き換えるなら、I was hoping I could learn from you.(あなたから学べたらと思っていたんです。)のように使えます。

「No. You.」と「I’m so flattered」——指名と、断りのクッション

フィルは名前を挙げた別の人物に、電話で口をきいてあげようとします。

Phil: Um, I can put in a call.
(えーと、電話を入れてあげられるよ。)

Phil: He doesn’t really get back
(あの人、あんまり折り返しを——)

Andy: No.
(いえ。)

Andy: You.
(あなたです。)

Phil: Andy, I’m — I’m so flattered.
(アンディ、それは……すごく光栄だよ。)

Phil: I’m, uh, I’m just not in the market for an assistant right now.
(でも、えーと、今はアシスタントを探してないんだ。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

I can put in a call. は「(誰かに)電話を入れておける」という意味で、知り合いに口をきいてあげるときによく使われます。アンディはこれを No. You. のわずか2語でさえぎり、紹介ではなく「あなたに」頼みたいのだと伝えます。長い説明を重ねるより、短い返しのほうが意図がはっきり伝わる場面です。

一方、断る側のフィルは、すぐに「いいえ」とは言いません。まず I’m so flattered.(光栄だよ)で相手の気持ちを受け止め、そのあとで I’m just not ~ right now. と断ります。just と right now が入ることで、「今は」という時期の問題として伝わり、相手を突き放す響きがやわらぎます。

文中の in the market for ~ は「〜を探している、〜を求めている」という意味で、買い物や人材探しの場面で使われます。この表現の詳しい使い方は、同じ回のフレーズ記事で扱っています。

表現 働き
I can put in a call. 代わりの手立てを申し出る
No. You. 頼みたい相手をはっきり示す
I’m so flattered. 断る前に好意を受け止める
I’m just not ~ right now. 「今は」と時期に限って断る

「Make me buy you」——引き下がり方と、自分の売り込み方

断られたアンディは、すぐに引き下がります。

Andy: Yeah.
(ですよね。)

Andy: Stupid.
(バカだな。)

Andy: That was stupid to even ask.
(頼むこと自体がバカでした。)

Andy: Thank you so much for your time.
(お時間をいただいて、ありがとうございました。)

Phil: Lesson number one — Never take “no” for an answer! Now make me buy you.
(教訓その1、「ノー」を答えとして受け取るな! さあ、俺に君を買わせてみろ。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

That was stupid to even ask. の even は「〜することさえ」と強める語で、頼んだこと自体を引っ込める言い方になっています。Thank you so much for your time. は、時間を割いてもらったことへのお礼で、面接や打ち合わせの終わりにも使われます。

ここでフィルが口にするのが Never take “no” for an answer! です。「『ノー』という返事で引き下がるな」という意味の言い回しで、断られてもあきらめずに食い下がる姿勢を表します。続く make me buy you は「俺に君を買わせてみろ」、つまり自分を売り込んでみろという促しです。

これを受けて、アンディは自分の長所を並べ始めます。

Andy: Uh, I’m a hard worker, I am very clean, I am eager to please, I take super quick bathroom breaks, and I will never, ever Oh! I’m blanking on the verb! W-uh when you give up on something?
(えっと、働き者です。すごくきれい好きです。喜んでもらうためなら何でもします。トイレ休憩はものすごく短いです。それに、絶対に、絶対に……あっ! 動詞が出てこない! あの、何かをあきらめるときの……?)

Phil: Quit?
(やめる?)

Andy: I had to ask because I don’t know the meaning of the word.
(聞くしかなかったんです。僕はその言葉の意味を知らないので。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

I’m a hard worker や I am eager to please のように、I’m ~ で始まる短い文を重ねると、長所が一つずつ聞き手に届きます。eager to please は「人の役に立とうと熱心な」という意味です。言葉に詰まったときの I’m blanking on ~ は「〜が思い出せない」で、会話の途中でもそのまま使えます。

最後の I don’t know the meaning of the word. は、「その言葉を知らない」ことで「決してしない」と言い表す誇張した言い回しです。quit を聞いてから返すことで、決め台詞として成り立っているのが面白いところです。

まとめ|頼む・断る・売り込む英語

I was hoping I could ~ で控えめに頼み、I’m so flattered で断りをやわらげ、I’m a hard worker のような短い文で長所を並べる。頼む側と断る側の言葉を並べると、仕事を頼む場面の英語の組み立てが見えてきます。

次回も『モダンファミリー』の場面を手がかりに、使える英語を探していきましょう。

門前払いされたときの切り返しは同じ回のほかのコラムで、「in the market for」の使い方はフレーズ記事でも取り上げています。

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