「It’s not your fault」と「mistakes were made」はどう違う?失敗の責任をめぐる英語|『モダンファミリー』S08E14で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「It's not your fault」と「mistakes were made」はどう違う?失敗の責任をめぐる英語|『モダンファミリー』S08E14で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第14話では、フィルとジェイが一緒に買った空き地に、フィルが長年思い描いてきたビルを建てようとします。ところが工事を始めた土地の地下に問題が見つかり、計画は思うように進みません。

うまくいかなかったとき、その責任をどう言葉にするか。二人のやり取りには、相手をかばう言い方と、誰のせいかをあえて言わない言い方の両方が出てきます。

目次

「It’s not your fault」で相手を責めない

計画がつまずいたあと、二人は土地で話し合います。先に謝るのはフィルです。

Phil: I’m sorry.
(ごめん。)

Phil: I dreamt too big.
(夢を大きく見すぎたよ。)

Jay: It’s not your fault.
(お前のせいじゃない。)

Jay: I’m the one who believed in you.
(お前を信じたのは俺だ。)

Phil: You’re also the one who overplayed his hand.
(強気に出すぎたのも、ジェイだけどね。)

Jay: We’ve already established mistakes were made.
(ミスがあったってことは、もう確認済みだろ。)

Jay: We need to be thinking about next steps.
(次の手を考えなきゃならん。)

Modern Family Season8 Episode14 (Heavy is the Head)

フィルの I dreamt too big. は、「大きな夢を持つ」という意味の dream big に too を加えた形で、「夢が大きすぎた」と自分の見込みの甘さを認める一言です。dreamt は dreamed の別の過去形で、アメリカ英語では dreamed のほうが多いと言われます。

これに対するジェイの It’s not your fault. は、「あなたのせいではない」と相手を責めない基本の一言です。謝られたときにまず返す言葉として、日常でもよく耳にする形と言えます。続く I’m the one who believed in you. は「〜したのは自分のほうだ」と強調する I’m the one who ~ の形で、責任を自分の側に引き寄せています。相手を免責するだけで終わらず、自分の判断も認めているのがこの返しの特徴です。

ところがフィルは、同じ the one who ~ の形で You’re also the one who overplayed his hand. と返します。overplay one’s hand はカードゲームで手札の強さを過信して賭けすぎる様子から生まれた言い方とされ、「強気に出すぎて、かえって損をする」ことを表します。ジェイのかばう言葉に対し、ジェイの側の判断にも触れて返しているのが分かります。

「mistakes were made」で誰のミスかを言わない

フィルの言う「強気に出すぎた」には前段があります。起工の日、近所の会社の代理人ジャレッド・クックが、支払った額を上回る金額での買い取りを申し出ます。ジェイは大きなもうけが目的ではないと断り、娘の夫の夢を建てているのだと言い切ります。感激したフィルと、ジェイのやり取りです。

Phil: Jay, this man’s vision just got blurry with tears.
(ジェイ、このビジョンの男の視界(vision)が、涙でかすんじゃったよ。)

Jay: Would you get ahold of yourself.
(しっかりしろ。)

Jay: I just said that crap to drive the price up.
(値をつり上げるために、適当なことを言っただけだ。)

Jay: He’ll be back.
(あいつはまた来るさ。)

Modern Family Season8 Episode14 (Heavy is the Head)

フィルの台詞は、ジェイに「先見の明のある男(man of vision)」と呼ばれたことを受けて、vision の「先を見通す力」と「視界」をかけた言葉遊びです。ジェイは、先ほどの断りが本心ではなく、drive the price up(値をつり上げる)ための駆け引きだったと明かします。後の振り返りでフィルが overplayed his hand と言うのは、この駆け引きを指していると読み取れます。

一方、ジェイの mistakes were made は受け身の文で、「誰が」ミスをしたのかを言いません。主語を立てる言い方と並べると、違いがはっきりします。

言い方 誰の責任か 働き
It’s not your fault. 相手ではない 相手をかばう
I’m the one who ~ 自分 責任を引き受ける
You’re the one who ~ 相手 相手の責任を指摘する
Mistakes were made. 言わない 責任をぼかす・話を打ち切る

Mistakes were made. は、公の場の釈明で使われると責任逃れに聞こえることがある、と言われる言い方です。ジェイはこれに We’ve already established ~(〜はもう確認済みだ)を添え、どちらのミスかを決める話を打ち切っています。責任の押し付け合いを止めて、次の話題へ移るための一言として働いているのが見どころです。

「next steps」で次の手に切り替える

ジェイが next steps を持ち出すと、話は今後の案へと移ります。

Phil: Maybe we need to build something smaller, like a cool restaurant or something.
(もっと小さいものを建てるべきかもね。しゃれたレストランとかさ。)

Jay: I’ve thought about that.
(それは考えた。)

Jay: Who’s gonna come down here? There’s nowhere to park.
(誰がこんなとこまで来る? 車を停める場所もない。)

Phil: Oh, my God, that’s it a parking lot.
(うわ、それだ。駐車場だよ。)

Jay: That’s not bad.
(悪くないな。)

Jay: We could build it for nothing and pay off the majority of the loan by tomorrow.
(ほとんど元手なしで作れるし、すぐにローンの大半を返せる。)

Modern Family Season8 Episode14 (Heavy is the Head)

build something smaller は、計画の規模を縮めて立て直す案を出すときの言い方です。ジェイの I’ve thought about that.(それは考えた)は、相手の案をすでに検討したと伝える一言で、ここでは弱点を挙げる前置きになっています。続く There’s nowhere to park. という問題点の指摘から、フィルが駐車場という答えを見つけます。That’s not bad. は直訳すると「悪くない」ですが、控えめながら賛成を示す返しとしてよく使われます。

この話し合いの締めくくりに、フィルはこう語ります。

Phil: Maybe 15-year-old Phil had it right.
(15歳のフィルが正しかったのかもな。)

Phil: Sometimes you have to look at your dream from a different angle.
(ときには、夢を別の角度から見なきゃいけないんだ。)

Phil: I guess it was a parking lot all along.
(最初から駐車場だったってことかな。)

Modern Family Season8 Episode14 (Heavy is the Head)

冒頭でフィルは、15歳のときに描いた絵に触れています。had it right は「正しく分かっていた」、all along は「最初からずっと」です。look at ~ from a different angle は、同じものを別の見方でとらえ直すときに使えます。謝罪と責任の話から、次の手を探す言葉へと切り替わる流れが、この場面の面白いところです。

まとめ|失敗の責任と次の一手

相手をかばう It’s not your fault、責任を引き受ける I’m the one who ~、誰のミスかを言わない mistakes were made、そして next steps へ切り替える言葉。同じ失敗でも、言い方次第で話の向きが変わることが分かります。

これからも『モダンファミリー』の家族のやり取りを手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。

クレアの職場での経費削減やヘイリーのとっさの嘘をめぐる英語は同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。

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