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『モダンファミリー』シーズン4第16話では、ジョーを預かったミッチェルとキャメロンが、リリーが接着したかつらを外す騒ぎになります。グロリアにどう打ち明けるかをめぐって、身代わりの頼みが家族の間を次々に回っていきます。
今回は、身代わりを頼む言い方、条件を出して取引をまとめる言い方、そして告白を切り出す前置きを、頼みが人から人へ回っていく順に見ていきます。
「you take the fall for me」と条件のつり上げ
リリーはジョーの頭からかつらが落ちないよう接着してしまい、ミッチェルはそのかつらを切り取りました。キャメロンは「You have to tell her what you did.」と、グロリアに打ち明けるよう求めます。その後、ミッチェルが持ちかけたのが、次の取引です。
Mitchell: Okay, Cam, you take the fall for me, and I will go with you to Missouri.
(ねえキャム、僕の身代わりになってくれたら、ミズーリに一緒に行くよ。)Mitchell: I’ll even go for a whole week.
(丸1週間行ったっていい。)Cameron: Make it ten days.
(10日にして。)Mitchell: Okay, fine.
(分かった、いいよ。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
take the fall は「罪や失敗を代わりにかぶる」という意味です。ここでは you take the fall for me, and I will ~ と、頼みと見返りを and でつないで1文で差し出しています。見返りはキャメロンの帰省先であるミズーリへの同行です。
続く I’ll even ~ の even は「〜さえ」で、自分から条件を上乗せするときに添える語です。これに対してキャメロンは Make it ten days. と返します。Make it ~ は「〜にして」と数や量を言い直す形で、値段や時間の交渉でも使われる短い返しです。相手の申し出をそのまま受けずに、少しだけ条件を引き上げているのが分かります。
- A: I’ll pay you twenty dollars.
(20ドル払うよ。) - B: Make it thirty.
(30にして。)
「I just need you to」と「A deal’s a deal.」
ところが、頼みはキャメロンのところで止まりません。キャメロンはマニーに「Listen, I’m gonna give you the solo.」と声をかけ、マニーは「Really? You must’ve heard what happened to me today.」と応じます。けれども本題は別にありました。
Cameron: I just need you to tell you mom that you gave your brother Joe a haircut, okay?
(あなたが弟のジョーの髪を切ったって、ママに言ってくれればいいの、いい?)Manny: No problem.
(お安いご用です。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
I just need you to ~, okay? は、just で頼みを小さく見せ、okay? で同意を取りつける言い方です。ソロという大きな話を先に出し、頼みのほうを軽く言い添える順番になっています。
そして身代わりの話は、マニーからルークへと移ります。ここではルークのほうが先に条件を並べます。
Luke: We have a deal.
(取引成立だね。)Luke: I’ll say I cut the baby’s hair.
(僕が赤ちゃんの髪を切ったって言うよ。)Luke: And you give me that cool pen.
(で、そのかっこいいペンをちょうだい。)Manny: What? No.
(え? 違うよ。)Manny: No, that’s not what I was going to–
(いや、僕が言おうとしてたのはそういうことじゃ……)Luke: A deal’s a deal.
(取引は取引だよ。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
We have a deal. は本来「これで決まりだね」と合意を確かめる言い方ですが、ルークは相手の返事を待たずに口にしています。I’ll say ~. And you give me ~. と、自分の役目と相手の支払いを並べて条件を示しているのも特徴です。マニーが言いかけた話を A deal’s a deal.(約束は約束)で打ち切る流れは、決まり文句の押しの強さがよく分かる場面です。
「It’s funny how」と「I have a confession to make.」
ルークはその後、ボウリング大会のトロフィーを話題にして、ジェイに話しかけます。
Luke: Such a cool trophy.
(かっこいいトロフィーだね。)Luke: Say, how’d that new guy Rudy Sorrenson do?
(ねえ、新しく入ったルーディ・ソレンソンって人はどうだった?)Jay: He was great.
(よかったぞ。)Luke: It’s funny how he has the same name as one-time pro bowler Rudolph Sorrenson, which would be against league rules.
(面白いよね、元プロボウラーのルドルフ・ソレンソンと同じ名前なんて。それってリーグの規則違反になるよね。)Luke: Well, I’d find it funny.
(まあ、僕なら面白いと思うけど。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
It’s funny how ~ は「〜なのって面白いよね」と、気づいた点をさりげなく持ち出す前置きです。ルーディ・ソレンソンは、ジェイがチームに加えた人物でした。ルークは規則の話をはっきり責めずに、Well, I’d find it funny. と「僕なら面白いと思う」に言い直しています。遠回しに相手の痛いところへ触れる言い方と読み取れます。
- A: It’s funny how you always call when you need something.
(何か頼みたいときに限って電話してくるの、面白いよね。)
この会話のあとの場面で、映画に子どもたちを連れて行くよう急かすグロリアに、ジェイが切り出します。
Gloria: And why does the baby still have that hat on? He’s going to burn up.
(それに、どうして赤ちゃんはまだ帽子をかぶってるの? 暑くなっちゃうわ。)Jay: Gloria, I have a confession to make.
(グロリア、白状することがある。)Jay: I gave Joe a haircut.
(ジョーの髪を切った。)Jay: It’s bad.
(ひどい出来だ。)Gloria: Why would you do that?
(どうしてそんなことしたの?)Jay: My dad used to cut my hair when I was a kid, and I thought it’d be a nice way for the baby and me to bond.
(ガキの頃、親父が俺の髪を切ってくれてな。この子との絆を深めるいい方法だと思ったんだ。)Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)
I have a confession to make. は「打ち明けることがある」と、告白の前に相手の注意を向けさせる前置きです。I want to tell you something. よりも、打ち明ける内容が言いにくいものだと先に伝わる形と言えます。実際にかつらを切り取ったのはミッチェルなので、ジェイの告白は身代わりの告白ということになります。ミッチェルから始まった頼みが、最後はジェイの口から語られる形で着地する場面です。
まとめ|頼みが回り、告白で着地する
you take the fall for me で身代わりを頼み、Make it ten days. で条件を上げ、A deal’s a deal. で押し切る。遠回しな It’s funny how ~ や告白の前置きまで、頼みと取引の言い方が一つの騒ぎにそろっています。
誰が誰に何を差し出しているかに注目すると、『モダンファミリー』の会話の駆け引きがいっそう見えてきます。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、マニーやフィルをめぐる別の場面の英語を取り上げています。


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