海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かに聞かれたくない話をしていたところを本人に聞かれてしまい、気まずい空気が流れるような場面が、ドラマには時々あります。
そんな場面にぴったりの「in the first place」を、『モダンファミリー』シーズン3第19話の後半、噂話を本人に聞かれてしまったミッチェルとキャメロンが素直に非を認めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「in the first place」の意味とニュアンス
in the first place
意味:そもそも、初めから
in the first placeは、物事の出発点・原因に立ち返って「そもそも」と述べる表現です。結果がどうであれ、行動を始めた出発点そのものが誤りだった、というニュアンスで使われることが多く、特に後悔や非難の文脈でよく登場します。first placeは直訳すると「最初の場所・1位」ですが、ここでは時間的な出発点を指す比喩として使われています。
何かがうまくいかなかった後に、その行動を始めたこと自体を振り返って反省したり、相手の行動の出発点を問いただしたりする場面で使われる表現です。文の最後に添えられることが多く、直前の内容全体への反省や指摘をまとめて締めくくる働きも持っています。
疑問文では相手の判断を問いただす響きに、shouldn’t haveと組み合わせると過去の行動への後悔や非難の響きになります。結果の良し悪しにかかわらず、行動の起点そのものへ視線を戻す表現だという点を押さえておくと、使い方に迷いにくくなります。
辞書的には単純な熟語ですが、実際の会話では単独で使われることは少なく、必ず前後の文脈と組み合わさって初めて「そもそも」の重みが伝わってくる表現でもあります。
【ここがポイント!】
- 「in the first place」の核は、結果ではなく出発点そのものに立ち返る視点
- 後悔や非難の文脈で使われることが多く、単なる時系列の説明とは違う
- 文の最後に添えて、直前の内容への反省をまとめて締めくくれるのがコツ
『モダンファミリー』S03E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
自分たちの噂話を本人であるサンディーに聞かれてしまったミッチェルとキャメロンが、素直に非を認める場面です。動揺するサンディーに対して、2人がどう応じるかに注目です。
Cameron: We did not mean for you to hear any of that.
(あんな話、君に聞かれるつもりはなかったんだ。)Mitchell: Yes, and you know what? We shouldn’t have been gossiping in the first place.
(ああ、それに、そもそも僕たちは噂話なんてするべきじゃなかったんだよ。)Sandy: But what if you’re right? What if Gregory is gay? When my mom said it, I didn’t believe her. She lives in Iowa. But coming from you two!
(でも、もしあなたたちが正しかったらどうするの?グレゴリーが本当にゲイだったら?ママにそう言われた時は信じなかったのに。ママはアイオワに住んでるのよ。でも、あなたたち二人にそう言われると話は別だわ。)Cameron: Means nothing.
(何の意味もないよ。)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
シーン解説と心理考察
自分たちの噂話をサンディー本人に聞かれてしまったミッチェルとキャメロンは、「あんな話、君に聞かれるつもりはなかったんだ」「そもそも僕たちは噂話なんてするべきじゃなかったんだよ」と素直に非を認めます。ミッチェルの「in the first place」という一言には、結果がどうであれ、行動を起こした出発点そのものが誤りだったという反省が表れています。
一方サンディーは、2人の噂話がきっかけで不安になり、「もしあなたたちが正しかったらどうするの?」「あなたたち二人にそう言われると話は別だわ」と動揺を見せます。婚約者グレゴリーがゲイではないかという噂を、よりによってミッチェルとキャメロンの口から聞いてしまったことが、彼女を落ち着かなくさせている様子が伝わってきます。キャメロンは「何の意味もないよ」と軽く受け流そうとしますが、一度口に出してしまった噂の重みが、簡単には消えないことが読み取れるやり取りです。
サンディーの発言の中で、母親の意見は信じなかったのに2人の言葉には動揺した、という対比が語られている点も見どころです。誰の口から聞くかで同じ噂の重みが変わる様子が、短いやり取りに表れています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
物事の「最初の場所(first place)」まで時間を巻き戻して、そこに立ち返るイメージを思い浮かべてみましょう。結果ではなく、スタート地点そのものを振り返って「そもそも」と問い直す感覚が、この表現の核にあります。
ミッチェルが「そもそも噂話なんてするべきじゃなかった」と付け加えた場面も、まさにこの巻き戻しのイメージそのものでした。結果に文句を言う前に、まず出発点を振り返る、そんな順番で覚えておくと、似たような場面でもすっと言葉が浮かんでくるはずです。
出発点まで巻き戻す動きは、原因を探る作業にも似ています。何かがこじれてしまったときほど、途中経過を並べ立てるより先に、そもそもの一歩をたどり直す方が、話の筋道がすっきり見えてくることがあります。
例文で覚える「in the first place」
出発点そのものを振り返りたいときに使えるin the first placeを、3つの例文で確認していきましょう。
Why did you agree to the plan in the first place?
(そもそも、なんでその計画に賛成したの?)
過去の判断を問いただす場面です。
We shouldn’t have believed the rumor in the first place.
(そもそも、あの噂を信じるべきじゃなかった。)
誤った判断を後悔する場面です。
A: The project failed again.
B: Honestly, I don’t think we should have started it in the first place.
(A:またプロジェクトが失敗したよ。)
(B:正直、そもそも始めるべきじゃなかったと思う。)
失敗したプロジェクトを振り返る会話です。
あわせて覚えたい関連表現
from the start
(最初から)
from the startは単に時間的な起点を示すのに対し、in the first placeは後悔や非難のニュアンスを伴うことが多い表現です。
to begin with
(そもそも、まず第一に)
to begin withは列挙の1つ目を示す用法もありますが、in the first placeは「そもそも」という反省・指摘の文脈でより強く使われます。
at first
(最初のうちは)
at firstは「その後変化した」ことを前提に最初の状態を述べるのに対し、in the first placeは出発点自体の是非を問う表現です。
Note|in the first placeが文末に置かれるときの構文パターン
in the first placeは文頭に置いても意味が通じますが、今回のミッチェルのセリフのように、文末に添えられる形もよく見られます。
“We shouldn’t have been gossiping in the first place.”のように文末にin the first placeを置くと、直前の内容全体をまとめて振り返り、その出発点の是非を最後にもう一度突きつけるような効果が生まれます。同じ内容でも”In the first place, we shouldn’t have been gossiping.”のように文頭に置くと、これから話す内容の前置きとして機能し、反省というより説明のニュアンスが強くなります。文末に置くことで、聞き手が話をひととおり聞き終えた後に、最後に「そもそも」という一撃が加わる形になるため、後悔や自己批判の重みが増して聞こえるという違いがあります。
今回ミッチェルが文末にin the first placeを添えたのも、キャメロンの謝罪を受けて、噂話をしたこと自体への反省を付け加えるためだったと読み取れます。位置ひとつでニュアンスの重みが変わるのが、この構文の面白いところです。
さらに、疑問文の文末に置く”Why did you say that in the first place?”のような形にすると、相手の行動の出発点そのものを問いただす響きになります。文末という位置を保ったまま、疑問文と組み合わせれば相手への追及に、shouldn’t haveと組み合わせれば過去の行動への後悔や非難になる点も、あわせて覚えておきたいポイントです。
置く位置が変わるだけで、同じ一言の効き方も変わってきます。
まとめ|結果より先に、出発点を振り返る一言
in the first placeは、結果ではなく物事の出発点に立ち返って「そもそも」と述べる表現です。
文末に添えれば反省や後悔の重みを強め、文頭に置けば前置きとして自然に機能する、置く位置によって表情が変わる言い回しでもあります。
噂話を本人に聞かれてしまい、素直に非を認めたミッチェルとキャメロンのやり取りは、結果の前にまず出発点を振り返るという、この表現らしい姿勢が表れた一場面でした。言い訳を重ねるより先に、そもそもの行動を認めてしまう潔さが、この一言にはよく似合います。


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