海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第19話は、クレアが立候補した町議会選挙の投票日の話です。家族総出で応援する一日の中で、候補者のクレアと、大学からの知らせを待つヘイリーの2人は、それぞれ思うようにいかない結果を抱えます。
今回は、つらいときにとっさに出る「大丈夫」の言い方と、それを打ち消して本音を打ち明ける英語を、母と娘2人のやり取りから場面の順に見ていきます。
「super psyched」と「good news」だけの報告
家族が投票に出かけようとする場面で、クレアの知人のローリーが声をかけてきます。話題は、ローリーが「really good news」と切り出したベッキーの大学合格です。
Claire: What’s that?
(何?)Laurie: Becky got into the University of Oregon.
(ベッキーがオレゴン大学に受かったの。)Claire: Oh, congratulations!
(まあ、おめでとう!)Laurie: Any news, Haley?
(ヘイリーは何か知らせあった?)Haley: Uh, uh, no, not– not yet, but, you know, super psyched!
(え、えっと、ううん、まだ……まだだけど、でもほら、超ワクワクしてる!)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
Any news? は「何か知らせはあった?」と、結果待ちの相手に近況を聞く短い言い方です。進学や就職、検査の結果など、待っている知らせがある人への声かけとして使えます。
ヘイリーの psyched は「興奮している、楽しみにしている」という意味のくだけた形容詞で、super を付けてさらに強めています。言いよどみながら not yet と答えた直後に明るい言葉を足す流れから、場を取りつくろう返事として読み取れます。
実際、不合格の知らせが届いたあとのことを、ヘイリーは次のように語っています。
Haley: After that, I decided to only tell my parents good news.
(それ以来、親にはいい知らせだけ話すことにしたの。)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
only tell ~ good news は「いい知らせだけを伝える」という意味で、only の位置によって「伝えるのはいい知らせだけ」という限定がはっきりします。この言葉のとおり、ヘイリーが届いていた不合格の通知を家族に話していなかったことは、後の場面で分かります。悪い知らせを胸にしまったまま明るく答えていた、という構図です。
「I’m fine.」を重ねてから「I’m not fine.」へ
家族が集まって結果の知らせを待つ場で、クレアは電話を受け、I have some bad news. と切り出します。フィルは、わざと悪い知らせを装う冗談ではないかと受け取りますが、クレアは I really lost. と答え、落選だと伝えます。その後、ヘイリーが声をかけます。
Haley: Mom? You okay?
(ママ?大丈夫?)Claire: Yes.
(うん。)Claire: Fine.
(平気。)Claire: I’m good.
(問題ない。)Claire: I’m fine.
(大丈夫。)Claire: I’m not fine.
(大丈夫じゃない。)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
「大丈夫」を4回重ねたあとの一言に、クレアはこう続けます。
Claire: I wanted to win, And and I’m so embarrassed.
(勝ちたかったの。それに、すごく恥ずかしい。)Claire: I mean, everybody out here worked so hard for me, and they believed in me, and I let ‘em down.
(だって、ここのみんなが私のためにすごく頑張って、私を信じてくれたのに、期待に応えられなかった。)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
You okay? は Are you okay? の Are を省いた、相手を気づかうくだけた聞き方です。
クレアの返事は Yes.、Fine.、I’m good.、I’m fine. と、似た意味の言葉が4つ続きます。どれも「大丈夫」と答える定番の言い方ですが、短い言葉を立て続けに重ねるほど、かえって無理をしている様子が浮かび上がる組み立てです。そして I’m not fine. で、それまでの返事をすべて打ち消します。
続く I let ‘em down. の let someone down は「期待を裏切る、がっかりさせる」という意味です。’em は them を短くした発音で、ここでは応援してくれた家族たちを指します。恥ずかしさや申し訳なさといった、何がつらいのかを具体的に言葉にしている点が、ただの「大丈夫じゃない」より一歩踏み込んだ打ち明け方と言えます。
- A: You okay? You look tired.
(大丈夫?疲れてるみたいだけど。) - B: I’m fine. Actually, I’m not fine. I think I let my team down.
(大丈夫。いや、大丈夫じゃない。チームの期待に応えられなかった気がする。)
ヘイリーの「I never told you guys about」
続けてクレアは、ヘイリーに次のように言葉をかけます。
Claire: Well, don’t cry.
(ほら、泣かないで。)Claire: I’m gonna be fine, sweetie.
(私は大丈夫になるから。)Claire: Really, I am.
(本当よ。)Claire: Just knowing you care so much makes me feel better.
(そんなに気にかけてくれてるって分かっただけで、気持ちが楽になる。)Haley: No, I got four rejection letters I never told you guys about.
(違うの。みんなに言ってなかったけど、不合格の通知が4通来てるの。)Claire: What?
(えっ?)Modern Family Season3 Episode19 (Election Day)
I’m gonna be fine. は「今は平気ではないが、そのうち大丈夫になる」という未来の見通しを示す言い方で、直前の I’m not fine. と時制で対になっています。Just knowing you care so much makes me feel better. は knowing(知っていること)を主語にした文で、「〜と分かっただけで気持ちが楽になる」と、相手の気づかいへの感謝を伝える形です。ただしヘイリーは No と返し、話はクレアの言葉とは別の方向へ進みます。
ヘイリーの rejection letter は「不合格通知」のこと。I never told you guys about は、letters を後ろから説明する形で「一度もみんなに話していなかった」という意味を添えています。文末の about は tell ~ about の about が残ったものです。投票に出かける前の「super psyched」という返事と、「いい知らせだけ話す」という言葉が、ここでつながる流れが見どころです。
まとめ|強がりの「fine」と本音の言葉
I’m fine. を重ねてから I’m not fine. と打ち消すクレアと、super psyched で取りつくろっていたヘイリー。You okay? の一言から、I let ‘em down. や I never told you guys about のような本音の言葉が引き出されていきます。
『モダンファミリー』を観ながら、「大丈夫」の裏にある気持ちの英語も拾っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、投票日の別の場面の英語も取り上げています。


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