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今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第2話から、ニールの新しいハンドラーとして着任したシーゲルと、上司になったピーターのやり取りを取り上げます。ニールを持ち上げる言葉、それを警戒する上司の言葉、持ち上げは計算だったと明かす言葉が、短い場面の中で続けて登場します。
持ち上げられた側がどう受け止めるかという短い一言もあわせて、場面の順番どおりに見ていきます。
「the best there is」の持ち上げと、「lapdog」を警戒する上司
ピーターから紹介されたシーゲルは、初対面のニールに向かって、ほめ言葉を立て続けに並べます。
Siegel: I wanna work with you, Neal. Hey, you’re the best there is. Your skills are unmatched. And your smarts are unparalleled.
(君と組みたいんだ、ニール。君は最高の人材だよ。腕は誰にも負けないし、頭のよさも並ぶ者がいない。)White Collar Season5 Episode2 (Out of the Frying Pan)
the best there is は「存在する中で一番」で、the best のあとに (that) there is が続いた形です。unmatched と unparalleled はどちらも「比べるものがない」という意味の形容詞で、似た語を重ねることで持ち上げがいっそう大げさに聞こえます。
このあとピーターは二人だけで話したいとニールを外させ、自分の古い部屋をシーゲルに渡すつもりだったと告げたうえで、こう続けます。
Peter: But you’re not the right man for the job.
(だが、君はこの仕事の適任じゃない。)
Siegel: I’m sorry?
(どういうことでしょう?)
Peter: Neal Caffrey is a confidence man. He preys on trust, desire, and impressionability. The last thing he needs is a lapdog as a handler.
(ニール・キャフリーは詐欺師だ。信頼や欲、影響されやすさにつけ込む。あいつに一番いらないのは、言いなりのハンドラーだ。)
Siegel: I’m no lapdog, sir.
(言いなりではありません。)White Collar Season5 Episode2 (Out of the Frying Pan)
the right man for the job は「その仕事にうってつけの人」です。confidence man は相手の信用につけ込む詐欺師のことで、略した con man の形でも使われます。
The last thing ~ needs is … は「〜に一番いらないのは…だ」と、不要なものを強く示す構文です。lapdog はひざに乗せて飼う小型犬を指し、そこから「言いなりの子分」を表す語になります。シーゲルの I’m no ~ は、no+名詞で「〜なんかではない」と、I’m not a ~ より強く打ち消す形です。
「blow smoke」と「play / handle」、ほめられる側の受け止め方
ピーターが「すっかりだまされた」と返すと、シーゲルは持ち上げの意図を明かします。
Siegel: Well, I’m hoping I fooled him too. One thing I learned about C.I.s like Neal: They like smoke, and I know exactly where to blow it.
(彼もだませていればいいのですが。ニールのような協力者について学んだことがあります。彼らは煙が好きで、私はどこに吹きかければいいか心得ているんです。)
Peter: You were playing him?
(あいつを操ってたのか?)
Siegel: I was handling him.
(扱っていたんです。)White Collar Season5 Episode2 (Out of the Frying Pan)
口語の blow smoke は、煙を吹きかけて目をくらませることから、聞こえのいいことを言って相手をごまかす意味で使われます。シーゲルはこの言い回しを smoke と blow it に分け、さっきのほめ言葉がその煙だったと示しています。C.I. は捜査協力者を指す略語です。
ピーターの play は「人を手玉に取る」、シーゲルの handle は「扱う、担当する」で、handler(ハンドラー)のもとになった語です。自分の行動を職務の言葉に言い換えて、操っていたという見方を退けているのが分かります。
ほめられる側の一言も見ておきます。ピーターはエリザベスとの会話で、この新人を高く評価します。
Peter: Gotta tell ya, I really like this new kid. He’s smart, hardworking, intuitive.
(正直、あの新人は気に入ってる。賢くて勤勉で、勘もいい。)
Elizabeth: He loves you, huh?
(彼、あなたのことが大好きなのね。)
Peter: Well, that doesn’t hurt.
(まあ、悪い気はしないな。)White Collar Season5 Episode2 (Out of the Frying Pan)
that doesn’t hurt は直訳すると「それは痛くない」で、「損にはならない、悪い気はしない」と控えめに認めるときの言い回しです。
まとめ|持ち上げる言葉と、それを見極める言葉
unmatched などの持ち上げ、lapdog を使った警戒、blow smoke と play / handle の言い換え、that doesn’t hurt の受け止めを見てきました。同じほめ言葉でも、立場で響きが変わります。
『ホワイトカラー』の新しい顔ぶれの会話を、これからも追っていきましょう。
この回の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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